本日(8/21)行われた全員協議会において、足利市の「施設カルテ」を公表する旨の説明がありました。「施設カルテ」とは公共施設の基本情報、維持管理コスト、利用状況などのデータをまとめた基礎資料です。足利市の場合、所有する公共施設296施設のうち210施設(公衆トイレやあずまやなどを除く)が掲載されています。
 

 

各施設の基本情報と評価が示されている

 

以前から指摘をされています通り、足利をはじめ多くの地方公共団体では人口増加時代に建設しすぎてしまった公共施設が同時多発的に老朽化を迎え、その修繕や建て替えコストを人口減少、税収減少時代には賄えなくなっています。
足利市の場合、今後40年間、今ある施設・インフラを維持するためには年間133億円必要ですが、実際充当できるのは43億円しかありません。
 
早急な対策と本格的な議論が必要な状況です。
 
そういった中、
 
「この施設とあの施設を統合しよう」
「この施設は利用者が減っているようなので除却して土地を売却しよう」
「この施設は利用者が増加しているようだから商業施設としての可能性を模索しよう」
 
といった議論も、本当に利用者が減っているのか、建物としての耐久性はどれくらいあるのかといった、重要かつ基礎となる情報がまとまっていませんでした。
 
それを今回の「施設カルテ」は体系的にまとめてくれたわけです。
 
特質すべきは【施設の評価】を掲載している点です。全国でも「施設カルテ」を作成している地方公共団体はありますが、【施設の評価】を掲載しているところは少ない状況です。評価は客観的なデータをもとに示されていますので、「悪い評価=廃止」というわけではありません。あくまで議論の材料ですので、統廃合や廃止、新設などの議論はこれからです。
 
多くの労力を費やして作成された重要な資料ですので、これらを有効に活用し、議論を本格化させるべきだと考えます。
ぜひ皆さんも地元の施設や、普段使っている施設の状況がどうなっているのか、カルテに目をとおしてみてください。
 
全員協議会での私からの質疑と当局の答弁の概要は以下です。
 
●末吉:このカルテの活用方法だが具体的にどのようなイメージを描いているのか。対市民、対役所職員それぞれの方法を聞きたい。
 
△当局:市民へは必要があれば公民館などで講座を開いていきたい。職員に対しては施設カルテを各課で見つめてもらいそれぞれ検討してもらいたい。
 
●末吉:役所職員が具体的に動くためにも「いつまでにこれくらい減らす」という目標設定は必須。他市の状況から見ても目標設定は遅れている。現在の検討状況は。
 
△当局:各課一律で目標設定をすることは難しい。今後も検討をしていきたい。
 
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