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平成31年第1回定例会(3月)

H31年3月定例会(第1回) 3月12日-一般質問-03号

1.市長の政治姿勢について(歴史や文化財の活用/観光振興)
2.公共施設・公共スペースについて(公共施設再編計画/周知・啓発/公民連携)


◆3番議員(末吉利啓) 発言の機会をいただきました。先発議員と重なるところもありますが、視点を変えて質問をしていきたいと思います。   まず初めに、市長の政治姿勢についてのうち、歴史や文化財の活用についてお伺いいたします。足利は、古代から1,300基を超える古墳が集積し、中世には室町幕府を開き、日本文化の礎を築いた足利氏を輩出し、近世にかけては日本最古の総合大学、足利大学を擁し、近代は繊維産業や日本三大音頭の一つ、八木節で一時代を築いた歴史と文化のまちです。   また、栃木県全体の面積のうち、わずか2.7%の本市ですが、国宝、国指定重要文化財の所有点数は20%から30%と文化財密度の高さはずば抜けております。   さて、そんな本市の強みである歴史や文化財は、それを知ることにより郷土愛の醸成につながり、情報発信や環境整備により、観光振興、魅力的な景観づくりに寄与するなど、さまざまな可能性を秘めています。歴史と文化のまち足利として、今後どのように歴史や文化財を活用していくのか、お考えをお聞きします。

◎市長(和泉聡) 3番、末吉利啓議員の御質問にお答えします。   足利市は、日本最古の学校、史跡足利学校や国宝鑁阿寺を初め、足利を発祥とする地域伝統芸能である八木節など、有形、無形の多くのすぐれた文化財を持つ、歴史と文化の薫りに満ちたすばらしいまちです。また、古代から中世にかけての足利の歴史に起源を持ったさまざまな歴史文化遺産は、恵まれた豊かな自然とともに、歴史文化に彩られた趣きのある景観をつくり出し、さらに近世以降発達した織物産業の影響が残る独特な町並みが形成されています。   このような本市の歴史に基づく歴史的景観や、先人から現代へと引き継がれた文化財は、市民の誇りであるとともに、これを活用することは、さらに本市の魅力を高めることができるものと思います。足利市では、平成12年に歴史都市宣言を行い、全国に誇る文化財を活用する取り組みとして、足利の文化財一斉公開を実施してきました。   観光面においても、足利灯り物語を初め、先人がつくり上げてきた足利の歴史物語を楽しみながら学べる演出を施すことで、その存在価値と観光客の満足度を高める企画を実施しています。また、暮らしの中にある路地裏や古民家といった風景を生かした取り組みとして、あしかがアートクロスや市民の力による北仲路地裏ワインなどが実施されています。   さらには、その独特の風景を求めて多くの映画やドラマの撮影が行われ、取り上げられた文化財や景観に対する誇りと関心が高まり、若者から高齢者まで世代を超えた多くのファンが本市を訪れるようになりました。   このように本市の歴史的景観や文化財は、これを生かして観光振興と結びつけ、交流することで、足利市ならではの魅力を発信することができるとともに、自分たちが暮らすまちの歴史的価値の再認識や郷土愛の醸成にもつなげていくことができる高い可能性を秘めていると考えています。   私は、これからも市民1人ひとりの思いと力を実感しながら、さらに足利市の持つ歴史や文化財を磨き上げ、地域の活性化や魅力的な景観形成を活用することによって、元気で輝くまちづくりを目指してまいります。


◆3番議員(末吉利啓) それでは、具体的な政策について再質問いたします。   平成30年第3回市議会定例会、同会派あしかが未来倶楽部、栗原 収議員の足利市歴史文化基本構想の質問に対して、適切な時期での見直しを検討してまいりたいとの答弁がありました。貴重な文化財の消失危機を回避し、本市の歴史文化を守り伝えていくための重要な構想、計画の見直しが示されたことに対し期待するところではありますが、今後どのようなスケジュールで進めていくのかお聞きします。


◎教育次長(邉見隆) 歴史文化基本構想の見直しについてでございますが、策定から10年ぐらいをめどに見直しのほうを検討しているところでございます。ただ、今回文化財保護法が改正されまして、その中で歴史文化基本構想の役割を補完するという意味も含めて、文化財保存活用地域計画の策定を国のほうでは推進しております。本市としても、こうした流れの中で、見直しにかわるものとして、この地域計画の策定がなるのかどうか、また県のほうがつくる地域大綱、この動向などもあわせて引き続き研究を進めていきたいというふうに考えております。


◆3番議員(末吉利啓) 再質問いたします。   同構想には、歴史や文化財について、地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律、通称歴史まちづくり法などとの連携が挙げられ、保存活用の取り組みの具現化に向け、歴史的風致維持向上計画の策定を検討する必要があるとはっきり示してあります。歴史的風致維持向上計画の必要性については、平成28年第1回市議会定例会においても議論をさせていただきました。当時は、その必要性に対し、認定後に得られる支援制度の大半が既に実施をされてきている。文化財保護法や景観法では補えなかった部分の環境整備の可能性について、先進自治体の事例等を通し、調査研究していきたいとの答弁がありました。当時は56自治体だった策定をされていた自治体も、現在では72自治体、近隣では栃木市、桐生市などが策定を進め、せんだって桐生市も策定が完了したところであります。その後の進捗についてお伺いいたします。


◎教育次長(邉見隆) ただいま議員御指摘のとおり、歴史まちづくり法ですね、この法律、文化財の本体、いわゆる鑁阿寺とか足利学校だとか、その他の文化財本体の整備については、文化庁の補助制度で足りるところでございますが、周辺の町並みをあわせて整備する場合には、この歴史まちづくり法の制度は有効であるというふうに引き続き考えております。   ただ、この歴史まちづくり法ですが、先進自治体等を見てみますと、全市的にこの地域に網をかけて、そこをこういうふうに整備していくのだというような、その都市計画の構想の中で、そのタイミングでこの制度を活用している事例が多くなっております。そう申しますのも、計画策定から5年というような事業の実施期間の縛りがあります。また、国庫補助が通常の文化財ですと2分の1補助なのですが、歴史まちづくり法の場合は、補助率が3分の1ということで、3分の2をその他で負担しなければいけないと。そのような点がありまして、なかなか進まないというか、このタイミングで制定しようというふうなことにはなってこなかったものでございます。   ただ、今後教育委員会だけでなくて、部局を越えて、歴史的景観を生かしたまちづくりという中で議論を進め、タイミングを図って計画の策定を進めていきたいと考えております。   以上でございます。


◆3番議員(末吉利啓) 再質問いたします。   国からの財政支援を受けられる具体的な事業ということが答弁にありました。本市で想定できる事例を幾つか挙げてみたいと思います。まず、あす、同会派、柳 収一郎議員が質問されます電線の地中化、特に足利でいえば鑁阿寺、足利学校周辺が想定されます。また、歴史文化財の保存展示施設、ボランティアガイドの詰所のような拠点施設の整備、昨今利活用が進んでおります古民家の改修、八木節や古建築などを維持研究しているような歴史や伝統芸能を守る市民団体の活動支援など、本市が推進はしたいが、財源に課題のある事業に対して国の支援が受けられます。一般質問でこの類いの提言をいたしますと、常に答弁に出てくる財源問題、同計画をつくれば、こういった問題をクリアできる、そういった可能性を秘めております。   また、タイミングが重要との答弁がありました。これも従前から述べておりますとおり、大日西中央土地区画整理事業が進み、景観重点地区が指定され、鑁阿寺本堂が国宝指定、足利学校は日本遺産に認定され、歴史まちづくりの意識が醸成されている今以外に適当なタイミングはないのではないかと考えます。改めて歴史的風致維持向上計画の可能性について御所見をお伺いいたします。


◎都市建設部長(金子裕之) 歴史的風致維持向上計画につきましては、ハード事業だけでなく、ソフト事業も含めまして、さまざまな事業を組み合わせることで、歴史や文化を生かし、まちの活性化を図ろうとするものでございます。このようなことから、本計画の策定に当たりましては、幅広い視点での議論が必要になってこようかと考えております。足利学校、鑁阿寺周辺地区につきましては、約32ヘクタールを景観重点地区に指定をいたしました。歴史的地区にふさわしいまちづくりを進めるという観点から、今後先進都市の事例などを参考にしながら、本計画の策定について検討してまいりたいと、このように考えております。


◆3番議員(末吉利啓) 再質問いたします。   先ほど幅広い視点での議論が必要との答弁がありました。その議論を行うためにも文化課、観光振興課、都市計画課などの課をまたいだ新たな部署の設置が求められます。これまで本会議や各委員会でも歴史まちづくりあるいは歴史観光を総合的に担当する部署について議論が幾度となく交わされてきましたが、なかなか前進いたしておりません。   そこで、本市には各部署に横串を差し、連携を促す組織として総合政策部企画政策課がございます。まずは、その機能に期待をしたいところですが、御所見をお伺いいたします。


◎総合政策部長(平澤敏明) 本市には、人口減少でありますとか少子化対策など、数多くの課題がございます。その解決には市のさまざまな部門の意見交換、情報交換が必要であります。そこで、今回の企画政策課の役割ということでございます。これまでも企画政策課では、企画政策員を中心としまして庁内のさまざまな課題に積極的にかかわって解決に導いた事例も多々ございます。今回の歴史と文化のまち足利のまちづくりにつきましても、企画政策課が間に入りまして、事業所管課とともに議論を重ねてまいりたいと思います。


◆3番議員(末吉利啓) 大変前向きな御答弁ありがとうございます。ただ、時間に余裕はありません。この現状を放置すれば、価値ある伝統的建造物が老朽化し、次々に解体され、歴史的な町並みは失われます。また、伝統産業の後継者、歴史的行事の担い手もつくれずに、歴史や伝統は滅びていきます。さらには、指定登録されていない貴重な文化財も、代がわりなどを機会に市外流出や滅失が進みます。   ここ数年の本市の先進的な目玉事業には、企画政策員の皆さんの活躍があることは存じ上げております。業務過多となるかもしれませんが、歴史ある足利のまちづくりを決定づける重要な課題でもありますし、何度も言いますが、時間もございません。いま一歩歴史的風致維持向上計画策定を軸に、本市関係部署の深い連携を期待しまして、次の質問に移ります。   観光振興についてお伺いいたします。平成30年4月、本市観光振興や東部開発、渋滞解消を目指し、あしかがフラワーパーク駅が開業いたしました。早いもので開業から間もなく1年が経過しようとしています。この間、多くの観光客が訪れるゴールデンウイークの大藤まつりや冬のイルミネーションを本市担当部局は、新駅とともに経験をしてまいりました。   そこで、新駅開業による効果や課題について、一通り見えてきたと考えますが、どのように総括をしているのか、お聞かせください。


◎市長(和泉聡) ただいまの御質問にお答えします。   平成30年4月、新駅の開業により、鉄道を利用して春の大藤まつり、冬のイルミネーション期間中、あしかがフラワーパークには多くの観光客が訪れ、平成30年は160万人を超え、過去最高となりました。これは、駅の開業が栃木DCと重なったことによる相乗効果や、フラワーパークへの距離が徒歩3分となり、利便性が格段に高まったことが大きな要因と考えられます。また、駅には多くの外国人旅行客の姿が見られました。その多くは移動手段として鉄道やバス等の公共交通機関を利用しており、JRではその対策として、特別企画乗車券を販売しています。新駅でも多くの外国人旅行客がこの乗車券を利用しており、新駅開業の効果は絶大なものとなりました。   まちなかへの回遊に目を転じてみれば、春の大型連休中にはJR足利駅の利用者数が平成29年度と比較して約3割増加したとの発表もありました。これは、自動車から鉄道利用への転換によって、交通渋滞の緩和と移動時間の短縮によって生み出された時間を有効に活用していただけたのではないかと考えています。私も幾度となく駅や町なかに足を運びましたが、明らかに人の流れが変わり、観光客の町なか誘客による消費行動の拡大への可能性に確かな手応えを感じました。   新駅が開業して1年が経過し、DC期間中に要望の高かったトイレや休憩のためのベンチを整備し、課題となった食についても商業者と連携し、観光客の満足度を高めてまいります。駅での対応や利用促進については、JR東日本と協議しながら、連携協定をもとに協力して利便性の向上に努めてまいります。   ことし4月には、JR足利駅構内に足利市移住・定住相談センターを開設します。大型連休中には、観光案内所機能を充実し、レンタサイクルの貸し出し、手荷物預かりなどによって観光客の満足度の向上と行動範囲の拡大による消費行動の促進につなげる、きめ細やかなサービスに取り組んでまいります。   ことしは、栃木アフターDCと群馬プレDCも重なり、さらに鉄道利用の利便性をアピールするチャンスとなります。鉄道は、沿線地域との連携により、まちづくりに好循環を生み出す重要な役割も担っていることから、JR東日本との良好な関係を十分に生かし、あしかがフラワーパーク駅の設置を起爆剤として、本市のみならず、JR両毛線沿線全体の発展につながるよう、元気と輝きに満ちた未来をしっかりと見据えながら、一歩一歩力強く取り組んでまいります。


◆3番議員(末吉利啓) 渋滞対策について再質問いたします。   渋滞対策の効果測定については、平成30年第2回市議会定例会でも議論をさせていただきました。そこでは、初年としては大きな効果が得られたという認識を共有させていただきました。しかし、渋滞が完全に解消したわけではありませんし、さらなる効果に対する市民の期待も高いところです。   そこで、信頼性のある調査により明確な数値を出すことで課題を洗い出し、さらなる渋滞解消につなげる必要があると考えます。改めて、ことしはどのような効果測定を検討しているのか、お聞かせください。


◎産業観光部長(岩原幸市) 平成30年のフラワーパーク周辺の渋滞につきましては、同年4月29日に交通量調査を行ったほか、7月には警察、自治会、周辺企業が集まって交通渋滞対策会議を開催し、情報交換を行いました。その結果、渋滞の緩和が確認されたところでありまして、ことしも交通量調査を引き続き実施するほか、パーク・アンド・トレインライドの場所での聞き取り調査、こういったものを行いまして、平成31年度に向けての検証を進めてまいりたいというふうに考えております。


◆3番議員(末吉利啓) ぜひ積極的に調査を進めていただきたいと思います。   再質問いたします。平成30年は、新駅開業1年目で勝手がつかめず、利用者の安全第一で運営をしてまいりました。そのため、過度に鉄道へ交通手段をシフトされ、混乱を来さないように鉄道への誘導も様子を見ながら行っていたと聞いております。今回、一定の経験を積み、さじ加減もわかってきたのではないかと考えます。ことしは、さらなる渋滞解消の効果が求められますが、どのような体制で臨むのか、お聞かせください。


◎産業観光部長(岩原幸市) 平成30年のパーク・アンド・トレインライドでは、あしかがフラワーパークが1,000万枚のチラシで広報した、そういった効果もありまして、初めてとしては大きな成果が見られたということでございます。ことしもフラワーパークと連携しまして、周知を図ることで利用者の誘導を図ってまいりたいと。   また、鉄道でありますけれども、JR東日本ではこの10連休中に臨時列車を上下線各7本の増便を図るほか、東京からの直通列車の運行を予定しておりまして、渋滞の緩和と鉄道利用者の安全を確保するということで聞いております。


◆3番議員(末吉利啓) ぜひあしかがフラワーパークの持つ絶大な情報発信力、それからJR東日本の強力な輸送力、そして本市の職員力、これらに期待をしたいと思います。   再質問いたします。平成30年、あしかがフラワーパークの来場者、足利市全体の観光入り込み客数がともに過去最高となりました。これは観光関連の企業、団体、行政等の努力のたまもので、観光都市として誇れる結果であります。しかし、平成30年本市が発表した同年4月28日から5月6日の9日間の足利学校への来場者数は、初開催の夜の足利学校来場者3,305人を除いた昼の来場者では1,800人ほど減少しています。この数字から、残念ながら石畳エリアなどの市内中心部への誘客効果が大きくなかったのではないかと推測されます。この理由をどのように分析されているのでしょうか。


◎産業観光部長(岩原幸市) 観光客の数につきましては、花の咲きぐあいや天候、それからメディアの影響などにより変動がございます。平成30年は特に藤の咲きが早かったといったような状況もありました。そういう中で、例えば平成30年4月29日には、あしかがフラワーパークの来園者が過去最高の7万人を超えました。あわせて足利学校の参観者も6,500人と前年を大きく上回った状況にあります。   また、逆に花の終わった連休後半では、あしかがフラワーパークの来園者も前年比マイナスとなり、町なかの観光客も少なかったものと思われます。シーズン全体を見れば、あしかがフラワーパーク、町なかとも観光客は増加しておりまして、先ほどありました市内中心部、特に石畳エリアにおいて誘客が低下しているとの印象はございませんし、また減少したという具体的な数字も持ち合わせておりません。


◆3番議員(末吉利啓) 観光ですので変動はあろうかと思います。ただ、今挙げていた理由も大きいとは思いますが、新駅開業により観光客の動線に変化があらわれたことも理由の一つではないかと分析します。このあたりも今後の研究をお願いいたします。   再質問いたします。皆様御存じのとおり、本市観光最大の課題は、あしかがフラワーパークに来場した160万人の多くが市内を回遊していただけていないことにあります。この課題解決のために、担当課や観光協会では、臨時の案内所を設置したりチラシを配布したりとさまざまな努力をされてきましたが、なかなか抜本的な解決には至っておりません。新駅の開業により、今後はさらにあしかがフラワーパークへの来場者は増加することが見込まれます。   そこで、どのように中心市街地など市内各地を回遊していただくか。データや調査に基づいた戦略が求められます。これまで2016年、2017年とあしぎん総合研究所にあしかがフラワーパークでの観光アンケート調査を実施していただきました。さらなる調査や、それをシンクタンクなどと分析し、ターゲットが求めるコンテンツ、タイミング、媒体等を洗い出すような本格的なマーケティングを検討すべきではないでしょうか。   また、新駅の目的に観光客の回遊性を図り、中心市街地の活性化を推進すると示されている以上、一定の数値目標設定も必要と考えますが、御所見をお伺いいたします。


◎産業観光部長(岩原幸市) あしかがフラワーパークを訪れた観光客を市内へ回遊させるということは、本市の重要な課題の一つでございまして、平成30年は1年目ということで試行錯誤的な部分もございました。ことしは2年目になりますので、平成30年の検証結果を生かしながら、新たな企画などにもチャレンジをしていきたいというふうに思っております。   また、マーケティング調査に基づく戦略的な観光ということは、私も非常に重要だということで同感でございます。その中で、数値目標についてございました。足利市の観光客は、平成30年500万人を突破いたしました。この5年間で200万人増加をしております。この3年後、4年後、5年後、こういったことを考えますと、私とすれば今後は数字を追いかけるのではなくて、その観光事業の結果、数字がついてくるというような、少し地に足をつけた観光、そういったものにも目を向けてまいりたいというふうに考えております。


◆3番議員(末吉利啓) 再質問いたします。   先ほど申し上げた本市観光最大の課題を解決するために、専門のタスクフォース、もしくは会議や担当設置など、検討の余地があると考えますが、御所見をお伺いいたします。


◎産業観光部長(岩原幸市) 観光につきましては、観光客のニーズを的確に捉えまして、さまざまな角度から御意見を聞き、事業を検証しながら次につなげていくような、こんな作業を繰り返すことによりまして、新しい魅力ある観光が確立できるものというふうに考えています。こういった取り組みの中で、解決しなければならない足利市の観光の課題が明確になった段階で、タスクフォース的な専門的な方の知見も取り入れて検討を進めてまいりたいというふうに思っております。


◆3番議員(末吉利啓) 例えばあしかがフラワーパークに来られている160万人のうち、さらに10万人が中心市街地に回遊するだけでも相当なインパクトがあります。飲食店、お土産物店などの売り上げが増加し、市場が拡大することにより、新たな店舗が進出し、雇用が生まれます。それがひいては中心市街地のまちとしての魅力を向上させ、さらなる集客力につながるはずです。それを実現するためにも本格的なマーケティング、体制整備について前向きな御検討をお願いして、次の質問に移ります。   公共施設・公共スペースについて、公共施設再編計画についてお伺いいたします。平成31年1月に発表になりました大型公共施設更新に向けた財政指針に示されたとおり、本市の財政状況は今後一段と厳しさを増します。南部クリーンセンターを初めとした、いわゆる四大公共施設の更新に総額約350億円を要し、2025年には基金が底をついてしまう状況に加え、ほかにも更新を迎える多くの公共施設があります。平成30年9月26日開催の全員協議会では、2020年3月までに足利市公共施設再編計画を策定するとの説明がありました。同計画は、公共施設全体の延べ床面積を2055年までに40%から50%削減するという衝撃的な目標が掲げられました。この数字を隠すことなく市民に共有し、ともに課題に立ち向かっていこうという本市の覚悟のあらわれと認識しています。   公共施設再編計画は、本市が直面するかつてない大きな課題を乗り越えるための重要な計画と捉えていますが、今後どのように策定していくのか、お聞かせください。


◎総合政策部長(平澤敏明) ただいまの御質問にお答えします。   本市では、公共施設の総合的かつ計画的な管理を推進するための基本方針として、平成28年3月に足利市公共施設等総合管理計画を策定しました。この計画によって、今後の推計人口に対する公共施設数や、その老朽度、財政力等を勘案すると、公共施設全体の延べ床面積を大幅に削減する必要があることが明らかになりました。   また、国は施設ごとの長寿命化計画として具体的な対応方針を定める個別施設計画を2021年3月までに策定するよう要請していますが、本市ではこれに先立ち、今後の公共施設の再編の方向性と時期を示す公共施設再編計画を2020年3月までに策定し、公表する予定です。現在、平成30年12月に実施した公共施設に関する市民アンケートの結果の集計、分析作業を進めており、並行して各施設所管課とのヒアリングを行い、再編に向けた方針を検討しているところです。   今後は、市民アンケートやヒアリングの結果を踏まえ、公共施設全体の状況を把握した上で、施設の集約化、複合化や地域の視点も踏まえた施設のあり方などを総合的に検討し、市議会や外部検討委員会等の市民の視点からの御意見もいただきながら進めてまいりたいと考えております。


◆3番議員(末吉利啓) 再質問いたします。   先ほど国が要請している個別施設計画に先立ち、公共施設再編計画を策定するとの答弁がありました。では、公共施設再編計画をどのように個別施設計画に結びつけるのか、お伺いいたします。


◎総合政策部長(平澤敏明) 個別施設計画は、国から2020年度までに策定をということで要請されています。本市でもこれに間に合うように事務を進めているところであります。個別施設計画の策定は、各施設の所管課がそれぞれ策定するということになりますが、仮に所管課が独自に策定いたしますと、複合化の視点でありますとか、地域における他の施設とのバランスですとか、これらが欠ける可能性があります。そこで、個別施設計画の策定に先立ちまして、本市の公共施設全体をまず把握したいと。そして、総合的に将来の施設のあり方を検討し、その後、当該施設の方向性を定めると、こういう趣旨から再編計画を策定しているところであります。これを踏まえた上で個別施設計画を策定するという流れになります。


◆3番議員(末吉利啓) 再質問いたします。   地域別の視点も考慮するとのことですが、どのような地域に分けていかれるのでしょうか。また、地域といいましてもさまざまで、条件も異なります。自然環境、交通網、人口密度などはどのように考慮されるのでしょうか。


◎総合政策部長(平澤敏明) 地区の単位につきましては、いろいろとりようがございます。今各課とヒアリングを実施しておりまして、公共施設全体をまず把握する取り組みをしておりますので、それからどういう形でという形に進んでいこうかと思います。例えば都市計画マスタープランの地区でありますとか公民館地区とか、いろいろな地区が考えられますが、今後施設のあり方を総合的に検討する中で、本市にとって最も適切と思われる地区単位を設定していきたいと考えております。


◆3番議員(末吉利啓) 本市は、面積は小さいながらも中山間地域や商業地域、田園地域などさまざまな地域があります。また、人口密度や高齢化率なども極端に違う地域を抱えております。こういった特徴も加味して策定を進めていただきたいと思います。   また、冒頭述べたとおり、財政的にも時間的にも大変厳しい状況です。時には大胆に、時には慎重に議論をしていかなくてはいけない課題でもありますので、めり張りのある計画を策定されるよう御期待申し上げます。   次の質問に移ります。公共施設問題解決への取り組みについてお伺いいたします。老朽化する公共施設の問題の解決に当たっては、市民への周知や啓発を初め、職員の理解や意識改革も必要不可欠であることは、これまでの本会議等でも指摘をさせていただきました。人口減少による公共施設の需要の変化や厳しい財政状況などを踏まえ、現在どのように取り組んでいるのか、お聞かせください。   また、市民や職員の反応についてもお伺いいたします。


◎総合政策部長(平澤敏明) ただいまの御質問にお答えします。   本市では、公共施設等総合管理計画や施設カルテを市ホームページで公表し、市民に対して公共施設の現状について周知に努めています。また、さまざまな会合で出前講座を実施し、参加した皆様と公共施設の問題について議論することで共通認識を図っているところです。   さらに、平成30年12月に16歳以上の幅広い世代の市民を対象としたアンケート調査を実施いたしました。これを通じて公共施設について理解を深めていただいたほか、職員に対しては外部講師や先進自治体職員を講師にお招きし、PFI導入事例の研究や未利用となった公共施設の活用をテーマに研修会を実施しています。研修後のアンケート結果では、多くの職員から、公共施設問題を改めて認識することができたという意見があり、危機感の共有が図られてきたことを感じております。   平成31年1月、大型公共施設更新に向けた財政指針を策定しました。今後、この問題をオール足利体制で解決していくためには、本市の公共施設の現状や将来の財政状況に対して、職員はもとより市民の皆様の御理解が必要不可欠となります。市民と行政がこの問題に対する認識を共有することで、持続可能で希望あるまちづくりにつなげていけるよう、引き続き丁寧な周知啓発に努めてまいります。


◆3番議員(末吉利啓) 再質問いたします。   市民や職員に対して繰り返しこの問題を伝え続けなければ問題解決にはつながりません。切り口や頻度、対象を変えながら伝え続けることで初めて自分事として意識していただけるようになると思います。公共施設問題のさらなる周知啓発の必要性についてお考えをお聞きします。


◎総合政策部長(平澤敏明) 公共施設の問題を市民の皆様にお知らせするには、まず全ての職員が本市の公共施設の現状を理解して、危機感を持って公共施設のあり方を考える、こういう姿勢が必要になります。そこで、職員研修に当たりましては、公共施設のあり方の総論から具体的な対応事例といったさまざまな形で、これまでも何度となく研修の機会を設けております。今後ともこのような形で研修の機会を設けていきたいと考えております。   また、市民の皆様に対しましては、出前講座を初め、あしかがみ、ホームページのほかにも幅広い世代に御理解いただけるような周知方法についてもさらに検討してまいりたいと考えております。


◆3番議員(末吉利啓) 再質問いたします。   担当課には、これまで御答弁にあったように一般質問でも提言をさせていただきましたさまざまな周知啓発をしていただいております。しかし、出前講座や他市がやっているようなシンポジウムの開催などに時間とリソースを割き過ぎてしまい、本来の計画策定などがおろそかになっては本末転倒です。   そこで、費用対効果や効率的な方法として幾つか提案をさせていただきたいと思います。例えば市広報紙であるあしかがみへの連載コーナー開設です。自治会に加入している全世帯に配布されるあしかがみは、市の有力な広報媒体です。これに毎月あるいは隔月で公共施設の整備や統廃合などの事例を紹介するコーナーを設け、周知啓発をします。この取り組みは、先進的な都市でも、私の調べた限りでは見当たりません。また、人の集まる講演会やイベントへ出向き、5分程度でこの問題を紹介したり、チラシを配布したりします。内容が内容なので、場所を選ぶとは思いますが、集客に手間をとられるシンポジウム系の事業をするよりは効率的と考えます。   以上、あしかがみへの定期掲載と講演会やイベントへの出前ミニ講座について御所見をお伺いいたします。


◎総合政策部長(平澤敏明) 議員の御指摘のとおり、やはり市民の皆様から一番目にとまるもの、これはあしかがみかと思います。あしかがみの活用は、あくまでも手段でありまして、単にあしかがみに掲載するだけでは、なかなか市民の皆様に理解していただくということが難しい場合もあります。したがいまして、あしかがみの連載に当たりましては、今やっております市民アンケート調査の結果がまとまった段階でありますとか、再編計画の概要がまとまった段階ですとか、このようなタイミングの節目節目に市民の皆さんの目にとまるような工夫を施しながら、積極的に周知はしたいと思います。   また、出前講座ですとか公民館講座ですとか、短時間を拝借したPRなど、これは大変有効かと思いますので、さまざまな機会を捉えて周知啓発を実施してまいります。


◆3番議員(末吉利啓) 物事を伝えるには何事も繰り返しというのが重要だと思います。あしかがみにも映像のまちのコーナーがあります。何回も何回もあそこに出ることによって、見ていただくことによって市民の中に定着をしていく。特にこの公共施設問題については、最優先と言ってもいいほど重要な課題でありますので、積極的に検討していただきたいと思います。   再質問いたします。こういった公共施設の話は、とかく暗くなりがちです。ですので、明るい話題も市民に提供すべきと考えます。夢のある公共施設再編整備を考えるチャンスとして、市民参加を積極的に実施すべきではないでしょうか。特に市民に身近な公共施設であります市民会館や学校施設については、基本構想や計画策定時にワークショップの実施や関係団体とオープンな意見交換など、検討の余地があると考えます。それがひいては市民への周知啓発にもつながるはずです。担当部署の裁量となると思いますが、御所見をお伺いいたします。


◎総合政策部長(平澤敏明) 公共施設を利用する市民の皆様の声というのは非常に大事なものだと思っております。先ほどの答弁でも触れましたが、平成30年12月に実施しました市民アンケートでは、1,200人を超える方の回答をいただきました。このアンケート調査は、現在足利市の公共施設をどのように利用しているかという利用状況でありますとか、今後の利用の意向などを尋ねるものでありましたが、調査項目に答えることで、本市の公共施設の現状についても御理解いただけるような工夫をしたところでございます。公共施設のあり方につきましては、今後議員の皆様のほか、外部の検討委員会の委員との議論を通しまして、市民の声を伺ってまいりたいと考えています。   市民への啓発につきましては、今後あらゆる機会を通じて、財産活用課のみでなくて、所管する会合等の一部をかりるような形で全庁を挙げて取り組んでまいりたいと考えています。


◆3番議員(末吉利啓) 公共施設問題解決のためには、市民、職員への周知啓発が必要不可欠であるという部分において共感をしていただき、さまざまな対策をとっていただいております。このことに対しましては、高く評価をさせていただくところであります。しかしながら、この問題についてもやはり時間に余裕がありません。2025年には基金が枯渇します。ぜひスピード感を持って推進されることを御期待申し上げ、次の質問に移ります。   公民連携についてお伺いいたします。行政が所有、管理する多くの公共施設や広場、公園、道路、河川などの公共スペース、今まで余り注目されてこなかった、あるいは使われていない、これらの資源を有効活用することで、税収や雇用の問題に大きな効果を生み出すことができる。その鍵となり得る手法が公民連携です。行政にはない民間のノウハウや経営感覚等を活用し、公共資源を最大限に活用する事例が国内でも出始めております。公共施設等のさらなる有効活用や都市経営の課題解決に向け、複雑多様化する市民ニーズに対応していくためには、公民連携によるまちづくりの考え方も必要と考えられますが、御所見をお伺いいたします。


◎総合政策部長(平澤敏明) ただいまの御質問にお答えします。   公民連携によるまちづくりは、将来にわたって持続可能な行政運営を進めていくための手法として、今後一層重要になると注目されています。国は、骨太の方針の中で、民間資金とノウハウの最大限の活用を図るため、PPP、PFIの推進を位置づけ、ガイドラインを整備するなど、公民連携を積極的に推進しています。その背景には、人口減少、少子化、高齢化に伴う税収減、社会保障費の増加に加え、老朽化した公共施設の更新問題など、国や自治体を取り巻く厳しい環境があります。本市においても、第7次足利市総合計画に掲げる元気に輝く都市足利の実現には、行政だけでなく民間事業者と連携して、お互いの強みを生かしながらまちづくりを進めていく必要があると考えています。   公民連携は、行政にとっては財政負担の軽減や平準化、民間事業者にとっては新たなビジネスチャンスの創出、住民にとっては良好なサービスの享受など、大いなる可能性を秘めています。本格的な公民連携の成功事例は、全国的に見てもまだそれほど多くはありませんが、今後の行政運営において民間活力の導入は重要な視点であることから、アンテナを高く張り、先進事例などの情報収集に努め、本市に適した公民連携によるまちづくりを研究してまいります。


◆3番議員(末吉利啓) 再質問いたします。   公民連携の特徴の一つに、いかに稼ぐかという視点があります。過去にも遊休資産についてサウンディング調査の議論をいたしましたが、行政の弱みである稼ぐノウハウを持っている民間の力は、財政難が大きな課題となっている地方都市の公共施設マネジメントに必要不可欠と考えられます。   そこで、幾つかの事例を紹介いたします。塩漬けになっていた駅前の10.7ヘクタールの市有地を図書館、バレーボール専用体育館、ホテルなどを整備し、年間100万人も集まるエリアに成長させた岩手県紫波町のオガール紫波、使われなくなった少年自然の家をリノベーションし、高い人気を誇っている静岡県沼津市の泊まれる公園「INN THE PARK」、全国で展開している河川スペースの有効活用を進めているミズベリング・プロジェクトなど、公共施設、公共スペースを活用し、稼ぐ先進事例が多数見られるようになってまいりました。いかに稼ぐかという視点について、本市はどのように捉えているか、その可能性も含めてお聞かせください。


◎総合政策部長(平澤敏明) 公共施設等総合管理計画の中では、現在ある公共施設を今後も同じ規模で建てかえ、維持していくには、年間90億円以上も必要であると。財源不足が生じるということを明らかにいたしました。そこで、この財源不足に対応するために、現在施設総量の適正化を進めているわけですが、公共施設のマネジメントには、施設総量の削減と同時に新たな財源を確保すると、こういう視点も非常に重要であります。議員から御紹介のあった先進事例は、もともとは収益を生む施設ではなかったものが、公民連携手法により新たなにぎわいや収益を生む施設に生まれ変わった事例ということでございます。このような公民連携事業につきましては、今後進める公共施設の再編の参考になると考えられますので、情報収集し、研究してまいりたいと思います。


◆3番議員(末吉利啓) 再質問いたします。   先ほど御紹介した事例は、行政、民間ともに体制整備が非常に進んでいたり、マインドの醸成がしっかりとできていたりする成功事例です。しかし、ここまでの実績を上げることは一朝一夕ではできません。   そこで、手始めに行政だけで稼ぎ、新たな財源を生み出すことができる提案をさせていただきます。それは、コンビニエンスストアの誘致です。特に今後、水道庁舎が取り壊され、駐車場として跡地整備を予定している市役所は、可能性が高いと考えます。職員はもちろん、来庁する市民、周辺住民にとっても必要な機能ですので、多くの方の利用が見込めます。さらには、駐車場整備の際に、現在の狭隘な市役所駐車場全体も一体的に整備することで市民の利便性も向上します。   また、市民活動センターとの複合化で年間利用者数が約13万人に膨れ上がることが予想される生涯学習センター、年間利用者が25万人前後の市民会館、市民プラザなども集客力の高い施設です。こうした施設への誘致も有効と考えます。ただいま申し上げた提案について御所見をお伺いいたします。


◎総合政策部長(平澤敏明) 今後公共施設の再編を進めていきますと、当然空きスペースや跡地が生まれてくることになります。その時点では、市としては他の使用目的がなければ貸し付けであるとか売却を進めて有効活用を図ることになります。議員御提案のコンビニエンスストアの誘致につきましても、行政が新たな財源を確保できる手法として効果があると思われますので、これらの施設の再編に当たって活用策を検討してまいりたいと思います。


◆3番議員(末吉利啓) 参考までに、人口規模がほぼ同じ神奈川県秦野市は市役所駐車場に、また山梨県甲府市は市役所の建物内にコンビニを誘致しておりまして、ともにコンビニから使用料として市に入る歳入は1,000万円程度です。10年間で1億円ですので、大変貴重な財源となります。積極的に御検討いただけたらと思います。   再質問いたします。先ほどの質問で、先行事例のようには一朝一夕ではいかないとお話をしました。本市には指定管理者制度や市民ボランティアへの協力要請の経験はあっても、先進自治体のようなさらに進んだ公民連携のノウハウ、経験、メリット、デメリットや手法などの知識、こういったものが圧倒的に不足をしております。それは、民間も同じで、意識を醸成し、そのパートナーとなり得る企業や人を育てたり、見つけ出したりすることが必要となってきます。   そこで、まずは公民連携の事例やノウハウを本格的に調査し、導入可能性を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。


◎総合政策部長(平澤敏明) 公民連携事業には、単純な業務を委託するものから高度な専門知識を要するPFIなど、さまざまな手法がございます。他市で効果を上げたから、それが本市ですぐ導入できるというものではなく、まずは数々の公民連携事業の先進事例を収集し、成功例でありますとか失敗例であるものから、なぜ成功したのか、なぜ失敗したのか、これらを検証していく必要があろうかと思います。この上で公民連携に対する知識を身につけていきたいと考えております。   そして、これを踏まえまして、将来本市で公民連携事業の導入可能性や、導入するとすればどの分野なのかなど、慎重に研究してまいりたいと考えております。


◆3番議員(末吉利啓) 再質問いたします。   先ほど調査検討すべきと言いましたが、現在の担当であります財産活用課は、これまで議論をしてきた公共施設再編計画及び個別施設計画の策定があり、ことし4月から新設される公共施設整備課は、斎場、クリーンセンターの本格的な整備があり、これらが業務上大変大きな負荷を占めていて、リソースが足りていない状況です。公民連携担当の創設など、今後の組織体制の見直しも検討の余地があると思います。   また、職員の育成も必須となります。世界初PPP専門教育機関である東洋大学大学院やオガール紫波を運営する岡崎正信氏、北九州小倉家守プロジェクトの清水義次氏などが運営する都市経営プロフェッショナルスクールなど、国内でも公民連携に携わる人材育成の体制が整いつつあります。1日、2日の研修ではなく、1年、2年としっかりとした教育と経験を得ることができますので、相応の費用も必要です。公費負担で行うか、一部公費にするかなど議論はあると思います。   本市の公共施設問題解決の鍵になる公民連携を推進する原動力となる職員を育成することは、公共施設・公共スペースのさらなる有効活用や効率的整備、ひいては税収、雇用などのさまざまな都市経営課題の解決につながるはずです。公民連携推進に向けた組織体制の見直し、職員育成について御所見をお伺いいたします。


◎総合政策部長(平澤敏明) 公民連携手法を検討していくためには、公共施設所管部はもちろん、全庁的な職員の意識の醸成でありますとか、ノウハウの蓄積によるレベルアップが必要であると考えます。そこで、毎年度実施しています職員向けの公共施設マネジメント研修では、公民連携手法に関する事例紹介などを通して、職員の育成を図っているところであります。   今後とも公共施設所管部部署を中心に、積極的に研修会への参加でありますとか、先進地の視察などを行うほか、議員御提案の専門的な教育機関等への派遣につきましても、費用対効果を勘案しながら研究してまいりたいと思います。


◆3番議員(末吉利啓) ぜひ全体のレベルアップについては、これからも継続して行っていただきたいと思います。   今までにはなかった未曽有の課題に対し、従来の行政のやり方では太刀打ちできなくなっています。そうした課題解決のためには、前例踏襲を超えた新たなチャレンジが求められます。公費負担で職員を大学院に行かせるなんて聞いたことがないという意見もあると思いますが、その常識を覆し、補正予算を組んで職員を派遣し、結果を出したのが人口3万5,000人の紫波町です。ぜひ公民連携も含め、公共施設問題についてアンテナを高くしていただき、新たなチャレンジを積極的に取り入れるマインドを持っていただきますようお願い申し上げ、ただいまの総合政策部長の答弁をもちまして、私の全ての質問を終わります。

《末吉としひろ後援会事務所》 お気軽にお問い合わせください TEL 0284-22-3958

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