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令和4年第3回定例会(6月)

令和4年6月8日

1 子供たちを最優先に考えるまちづくりについて
⑴ こども医療費助成制度 ⑵ 子育てネットワークづくり
2 歴史・文化の活用について
⑴ 組織改正 ⑵ 文化財の活用
3 学校教育DXについて
⑴ ICT機器を活用した学校運営
4 公共施設・公共空間について
⑴ 遊休資産の活用

◆5番議員(末吉利啓) 発言の機会をいただきました。
  質問の前に新型コロナウイルス感染症対策について一言申し上げます。人流が増加した大型連休を経ても、全国の新規感染者数は減少傾向が続いています。屋外でのマスク着用の緩和や訪日外国人の制限緩和など、日本全体がウイズコロナへとかじを切り、明るい兆しも出てきました。いまだ予断を許さない状況下、本市でも4回目のワクチン接種が始まっております。つつがなく接種を進め、感染防止に努めていただきながら、経済を守るウイズコロナ政策をバランスよく推進していただくことをお願いいたします。
  それでは、万和クラブを代表し、質問してまいります。子供たちを最優先に考えるまちづくりについてのうち、こども医療費助成制度について伺います。同制度は、子育て世代の経済的負担を軽減し、出生率の向上や転出の抑制など本市の人口問題に大きな効果があると考えます。これまで本市の医療費助成は、中学3年生までは無償化の対象であっても、小学生以上は窓口で一度医療費を支払う償還払いとなっていたため、周辺自治体から大きく出遅れており、この点について、私を含め多くの議員が改善を強く訴えてきました。その結果、実現をしたのは令和元年4月であり、前市長が初当選されてから6年が経過していました。残念ながら、この間、足利市は子育てしにくいというイメージが一定程度根づいてしまったと感じております。令和3年初当選をされた早川市長は、同制度の対象者を高校3年生まで拡大することを公約の一つとして掲げられ、令和4年10月から実現する運びとなりました。当選から1年半というスピード感には、子育て世代の一人として大変心強く感じるところであります。
  そこで、同事業に込める市長の思いや狙いについてお伺いいたします。

P.21 ◎答弁 市長(早川尚秀)
◎市長(早川尚秀) 5番、末吉利啓議員の御質問にお答えいたします。
  私は、子供たちを最優先に考える中で、その健康に寄与するとともに、子育て世帯の経済的負担の軽減を図ることで安心して子育てできるまちとなるよう、こども医療費の窓口無償化について高校3年生まで拡大することを公約に掲げました。多くの子育て世代の方々から、子供たちの窓口無償化による医療費助成は大変助かっているとの声もいただいているところであります。このような市民の皆様からの声や市議会からの後押しをいただきまして、令和4年10月からの実施に向け、本定例会において対象年齢の拡大について条例改正を提案いたしました。この政策を実現するためには、恒常的な財源の確保が必要であります。そこで、就任後すぐに本市のふるさと納税制度の見直しなどを行い、財源確保に努めているところであります。また、こども医療費助成の県費負担の拡充についても本市から県市長会に提案し、県内全市町からの総意として令和3年9月に栃木県へ要望書を提出したところ、このたび令和5年度に向けて拡充の方向で検討するとの意向が示されました。私は、こども医療費の窓口無償化の拡大により、子育て支援の充実を図ることで、子育て世帯の方々が安心して子育てをすることができ、移住・定住の促進にもつながるものと考えております。非婚化、晩婚化が進む中、結婚し子供を産み育てるためには様々な課題があります。この課題を一つ一つ取り除き、安心して結婚、出産、子育てができる環境を整え、支援をさらに充実させることで、子供たちが生き生きと育つ、「子育てするなら足利市」を目指して、活気と活力に満ちた魅力あるまちを実現するためにしっかりと取り組んでまいります。

P.21 ◆質問 5番議員(末吉利啓)
◆5番議員(末吉利啓) 再質問いたします。
  答弁にもありましたとおり、栃木県はこども医療費助成制度の対象を令和5年度から拡充する方針を明らかにしました。現在、本県の対象は償還払いを小学6年生まで、現物給付を未就学児までとしており、さらに医療機関ごとに月500円を支払うこととなっています。本県は、近隣の群馬県や茨城県よりも対象が限定されていることから、各市町が独自で負担を上乗せしてきた経緯があります。今回の方針表明は、市町にとって大変ありがたいことであり、本市の令和4年10月からの高校3年生までの対象拡大にかかる事業費を穴埋めできる可能性もあります。
  そこで、本市の対象拡大に伴う事業費の増加額と、仮に県が群馬県と同等の中学3年生までの現物給付拡大をした場合の、本市の事業費の減額をどれくらいと想定しているのかお聞かせください。

P.21 ◎答弁 健康福祉部長(吉田和敬)
◎健康福祉部長(吉田和敬) ただいまの御質問にお答えいたします。
  こども医療助成費の窓口無償化につきまして、高校生までの拡大に伴う増加額につきましては、1年間として試算した場合、約9,000万円を見込むところでございます。また、県負担の拡充につきましては、今後詳細が示されることとなるわけでございますけれども、令和5年度に栃木県が群馬県と同等に中学生まで窓口無償化を実施した場合、2分の1の補助が支給されるという条件で想定した試算によれば、本市においては約9,000万円の補助が増額となる見込みでございます。

P.22 ◆質問 5番議員(末吉利啓)
◆5番議員(末吉利啓) 今回の市の対象拡大の次年度から県が対象を拡大されることは、非常にタイミングがよいものと感じております。試算どおりに県が拡大していただけるのであれば、あくまで試算ですが、差引きゼロ円であります。そこにあてがうはずであった9,000万円をぜひ令和5年度以降、子供たちのために有効に活用していただきたいと思います。
  再質問いたします。これまで制度の拡大とともに、医療費の抑制についても議論をしてまいりました。医療を受けやすい環境をつくると同時に、不要不急な医療費を削減することもセットで検討すべきではないでしょうか。例えば小児科医や看護師などに相談できる小児救急電話相談事業(♯8000)を周知したり、家庭の医学について啓発を行ったりするなど、限られた財源を大切に使うための施策も必要と考えますが、これまでの対応や今後の対策についてお伺いいたします。
P.22 ◎答弁 健康福祉部長(吉田和敬)
◎健康福祉部長(吉田和敬) 現在、こども医療費受給資格証を送付の際に、24時間対応の市の救急情報テレホンサービスや、とちぎ子ども救急電話などを御案内しまして、医療機関の適切な受診についての案内、またジェネリック医療品活用のお願い等の御案内をしているところでございます。
  また、令和2年度から食育についてのパンフレットを同封するなど、子供の疾病の予防についての啓発を行っているところでもございます。今後も医療費の適切な受診についての啓発に努めてまいりたいと考えているところでございます。

P.22 ◆質問 5番議員(末吉利啓)
◆5番議員(末吉利啓) ぜひこちらも併せて御検討いただきたいと思います。
  子育て支援のイメージについて再質問いたします。市民アンケートの子供を産み育てる取組に関する満足度は、中学3年生まで対象を拡大する前の平成29年は18位だったものが、拡大後には改善し、令和3年は6位となっています。しかし、出生率を改善させ、子育てするために移住してくるような子供たちを最優先に考えるまちのブランドを築き上げるためには、この結果に満足すべきではないと考えております。
  そこで、令和4年10月の対象拡大のタイミングを生かし、足利が子育てしやすいまちに生まれ変わったということを最大限周知させる方法を検討すべきと考えております。こども医療費助成制度だけでなく、市民に伝わっていない子育て支援策を知らせたり、足利の子育て環境の強みをPRしたりといろいろな方法が考えられます。もちろん必要に応じてノウハウのある他部署との連携も検討すべきと考えますが、御所見を伺います。

P.22 ◎答弁 健康福祉部長(吉田和敬)
◎健康福祉部長(吉田和敬) ただいまの御質問にお答えいたします。
  現在、広報あしかがみ、ホームページのほか、ツイッターやラインなどの情報ツールを活用いたしまして、関係部署と連携し、子育て支援についてPRを図ってまいります。
  また、医療費助成の高校生までの拡大の際には、移住定住促進ホームページやパンフレットなど子育て支援の重点的なPRを実施するほか、不動産業界などにも積極的にPRを行っていきたいと考えているところでございます。

P.22 ◆質問 5番議員(末吉利啓)
◆5番議員(末吉利啓) PRができる最高のチャンスでもありますし、また市長の看板政策でもありますので、ぜひ結果にこだわっていただきたいと考えます。政策立案から周知、分析、改善など、結果につなげるためにできることは最大限やっていただくことを重ねてお願い申し上げ、次の質問に移ります。
  子育て支援ネットワークづくりについて伺います。不安を抱える出産直後の保護者や、地域になじみのない保護者にとって、情報交換や仲間づくりの場は貴重であります。本市では、このような機会を子育てサロンを通じて市内各地で提供してきました。公民館や児童館、幼稚園などを会場として、主にゼロ歳から未就園児までの子供と保護者が集い、遊びや交流の場として機能してきました。しかし、近年、コロナ禍における感染リスクの懸念などから利用者が減少したり、保護者のニーズが変化したりするなど、子育てサロンを取り巻く状況は変化しています。
  そこで、改めて子育てサロンの現状と課題についてどのように捉えているのかお伺いいたします。

P.23 ◎答弁 健康福祉部長(吉田和敬)
◎健康福祉部長(吉田和敬) ただいまの御質問にお答えいたします。
  本市の子育てサロンは、市の運営が10か所あり、各地区社会福祉協議会に11か所あります。また、民間施設等が運営するものが13か所あり、合計で34か所となってございます。身近な場所に子育て中の親子が集まって地域で仲間づくりと情報交換ができる場所として利用者に寄り添い、育児の不安を解消する大きな役割を果たしているところでございます。
  また、生後4か月までの乳児のいる全ての家庭を訪問する乳児家庭全戸訪問事業において、子育てサロンの情報を提供することで子育てサロンの利用につなげ、育児や子供の育ちに不安のある親、また見守りを必要とする家庭の早期支援に取り組んでいるところでございます。子育てサロンの利用者数は、出生数の減少やコロナ禍の影響等により、平成26年度の約6万5,000人をピークに減少傾向を示しており、令和3年度は約2万7,000人となったところでございます。一方で、市で運営いたします子育てサロンに寄せられた相談件数は、令和3年度3,849件、コロナ禍前の令和元年度の約1.4倍に増加している状況でありますことから、育児の不安を解消するための子育てサロンの役割も増しているものと考えています。しかしながら、利用者のニーズが変化し、多様化する中、そのニーズに合わせた対応等が十分でないことや、子育てサロン相互の連携が図られていないことが課題となっております。今後は、子育てサロン相互の連携に取り組むとともに、求められている課題を整理し、ニーズに合わせた子育てサロンの充実に努めてまいります。

P.23 ◆質問 5番議員(末吉利啓)
◆5番議員(末吉利啓) 再質問いたします。
  本市のホームページで子育てサロンを検索しますと、僅か100文字で概要が説明されています。そして、サロン一覧のリンクがあり、名称、場所、対象、開催日時が記載されています。しかしながら、子育てサロンと一言で言っても、市社会福祉協議会、民間など運営主体の違い、イベントが多い少ないなど、様々な特色があります。さらには、子育てサロンそのものがよく理解されていないケースもあるのではないでしょうか。また、民間保育園等が運営するサロンの増加や保育園等の入園時期の早期化など、社会情勢が変わったことでそれぞれのサロンの課題や市に求めるものも変わってきていると考えられます。
  そこで、取りまとめ役として市が各運営団体などと意見交換や情報交換を行い、実態把握に努める必要があるのではないでしょうか。その上で社会情勢に合わせ、内容や対象を変えるなど、様々なことを検討する時期に来ていると考えます。取りまとめ役としての市の関わりについて所見を伺います。

P.23 ◎答弁 健康福祉部長(吉田和敬)
◎健康福祉部長(吉田和敬) ただいまの御質問にお答えいたします。
  コロナ禍ということもあり、より一層子育てに疲れを感じている世帯の方々が増加しているという状況がございます。そのような現状から、子育てサロンを開設すること自体が大変重要な役割を果たしているものと考えているところでございます。今後、子育てサロンの実態の把握、また運営者間の情報交換に努め、ニーズに合った子育て支援につなげるとともに、子育てサロンの事業内容をホームページに掲載するなど、SNSの効果的な情報発信に努めてまいりたいと考えているところでございます。併せて、子育てサロンの在り方についても検討をしていきたいと考えています。そういったこともございまして、まずは本市運営の10か所につきまして、合同交流会等を行っていく予定でございます。

P.24 ◆質問 5番議員(末吉利啓)
◆5番議員(末吉利啓) 答弁いただきました、実態の把握、情報発信、在り方の検討などをしっかり行っていただけるようお願いいたします。
  今回は、子供たちを最優先に考えるまちづくりを具現化するために必要な子育て支援のうち、こども医療費助成制度と子育てサロンを例に議論をさせていただきました。本市の子育て関連の資料を見ますと、実に多様な事業を展開されています。大変結構なことだとは思いますが、時間の経過により制度疲労を起こしていたり、PDCAサイクルが回っていなかったりするものもあると考えます。子育てを重視される早川市長誕生を機にぜひこうした事業の積極的なブラッシュアップも御検討いただければ幸いです。
  次の質問に移ります。歴史・文化の活用についてのうち、組織改正についてお伺いいたします。令和4年度の組織改正により、観光まちづくり課と文化課が市役所別館の同じフロアに配置されました。さらに、観光まちづくり課に文化財を活用した観光のまちづくりを進める文化観光政策担当が新設されました。本市は、年間500万人を超える観光客を迎え入れるようになり、観光都市宣言も採択しました。国宝や日本遺産など多くの歴史資源を抱え、歴史都市宣言も採択しました。そんな観光と歴史のまちの行政組織がなぜ連携しにくい配置になっているのか。文化財所管課と観光所管課の連携強化は、これまで多くの議員からも指摘のあった課題でありました。今回の組織改正は、それを大きく前進させるものと期待をしておりますが、改めて市長の思いとその狙いをお伺いいたします。

P.24 ◎答弁 市長(早川尚秀)
◎市長(早川尚秀) ただいまの御質問にお答えいたします。
  令和4年度からスタートした第8次足利市総合計画では、史跡足利学校などの本市の豊富な地域資源を磨き上げ、その魅力を国内外に広く発信することで、市民が郷土を誇りに思う気持ちを醸成し、訪れたい、住みたい、住み続けたいと思えるまちづくりを目指して、足利ならではの魅力創出による観光誘客に取り組むこととしております。さらに、国においても地域の観光地域づくり法人や観光協会などの文化観光推進事業者と連携し、文化、観光、経済の好循環の原動力となる文化観光を強力に推進しています。
  こうした状況を踏まえ、令和4年度の組織改正では、観光振興課を観光まちづくり課に名称変更した上で、同課に文化観光政策担当を新設いたしました。さらに、観光まちづくり課と文化課の事務室を隣同士に配置することで、迅速に情報共有ができる環境を整備し、意見交換がしやすいだけでなく、本市の文化観光を戦略的に推進するための組織体制を整備しました。
  また、文化観光の推進には、庁内の組織体制に加え、史跡足利学校などの拠点施設において観光関係者と連携することが求められております。そこで、令和3年11月には、あしかがフラワーパークとコラボレーションの上で足利灯り物語を開催し、これまでに例を見ない多くの観光客の訪問につながりましたので、このような経験を生かし、さらにブラッシュアップした取組を実施していきたいと考えております。
  今後、アフターコロナを見据え、観光客の増加が見込まれる中、いかに国内外の需要を取り込んでいくかが経済面のみならず、まちのにぎわいを取り戻すためにも大変重要であると考えております。引き続き、観光を所管する観光まちづくり課と文化財を所管する文化課、史跡足利学校事務所など、関係部署はもとより、関係機関や観光関係者との連携をさらに深められるよう、全庁横断的な体制により文化観光を推進してまいります。

P.24 ◆質問 5番議員(末吉利啓)
◆5番議員(末吉利啓) 連携の具体的事業として、文化財一斉公開を例に再質問いたします。
  同事業は、文化課が事務局となり、市内60か所を超える会場で、通常非公開の文化財を秋の2日間にわたり一般公開するもので、市内外から高い評価を得ています。しかしながら、神社仏閣などの観光地化や経済活動への展開など、観光まちづくりまで手が及んでいない印象がありました。また、観光振興課は、デスティネーションキャンペーンなどに合わせ、独自に一斉公開事業を展開し、集客を行ってきました。このとおり、同じような事業をそれぞれ独自に行ってきた経緯があり、まさに縦割りの典型なのではないでしょうか。
  そこで、今後の両課連携の手始めとして、文化財一斉公開について今後の在り方や運営方法などを協議してはいかがでしょうか、御所見を伺います。

P.25 ◎答弁 産業観光部長(松島繁)
◎産業観光部長(松島繁) 再質問にお答えいたします。
  御指摘のとおり、文化財一斉公開など、両課でそれぞれ独自に行ってきた点もございますので、今後はこれまでの実績や経験を生かし、両課連携して文化財を活用したまちのにぎわいの創出等につきまして、協議していく必要性を感じております。本市の貴重な文化財の公開を通して、その魅力と地域のにぎわいをつなぎ合わせることで、来訪者の満足度をさらに高めることができますので、次回以降の公開の在り方などについて、両課を中心に教育委員会をはじめ、関係者と連携を図ってまいりたいと考えております。

P.25 ◆質問 5番議員(末吉利啓)
◆5番議員(末吉利啓) せっかく環境も変わりましたので、歴史を生かした観光まちづくりへの展開を強くお願いいたします。
  私自身、何度となく観光まちづくり課と文化課のあるフロアにはお邪魔をしております。物理的にも精神的にも職場の風通しがよいですし、何より職員の皆さんが明るく、高いモチベーションを持って業務をされている印象を受けております。今後、様々な経験を糧としながら、状況に応じて両課を統合したり、まちづくり系の部局と連携するなど、さらなる進化も期待しております。
  次の質問に移ります。文化財の活用について伺います。これまでも御指摘させていただいたとおり、本市の歴史資源は鑁阿寺、史跡足利学校以外にも多数あり、非常に豊富です。しかしながら、人気のない荘厳な神社や寺院、倉庫に収蔵されたままの歴史的価値の高い書籍や美術品、人知れず老朽化していく近代化遺産など、活用されていない歴史資源が日の目を見ることなく静かに眠り続けているのが本市の実情です。文化財の維持管理には多額の費用がかかります。しかし、それを保存するだけでは、いつしかその原資が枯渇し、滅失の危険にさらされます。だからこそ守るだけではなく、光を当て活用して稼ぐことが重要であり、持続可能な歴史文化行政の確立につながると考えます。その結果、観光誘客による経済の活性化やシビックプライドの醸成にもつながり、市民が誇れる歴史都市足利へ近づくことができると考えます。先ほどの文化財一斉公開は、その導入のような大変重要な事業であります。今後市として、文化財の活用をどのように推進していくのか御所見を伺います。

P.25 ◎答弁 副市長(塚原達哉)
◎副市長(塚原達哉) ただいまの御質問にお答えいたします。
  足利市は、日本遺産の史跡足利学校、本堂が国宝の鑁阿寺をはじめ、本市を発祥とする地域伝統芸能であります八木節など、有形無形の多くの文化財に恵まれた町であります。また一方では、議員御指摘のとおり、まだ一般に知られていない近代化遺産や、より一層活用のできる文化財も数多く存在しております。先人から現代へと引き継がれた多くの貴重な文化財は市民の誇りでありますとともに、この活用を進めることで、文化財の再発見や歴史的価値の再認識、郷土愛の醸成につなげることができます。さらには、地域経済の活性化の観点から、新型コロナウイルス感染症を契機に観光のスタイルも分散型観光が求められてきているため、観光面でも活用できる貴重な文化財や近代化遺産を魅力ある観光資源へと磨き上げ、文化、観光、経済が好循環するようなまちづくりに取り組んでいきたいと考えております。
  また、本市を代表する文化財である史跡足利学校における参観窓口業務やイベントの情報発信業務等について、長きにわたり本市の観光振興に寄与されている足利市観光協会へ委託をしていくことで、史跡足利学校の持つポテンシャルを最大限活用したプロモーションを展開することができ、より一層の磨き上げと、さらなる魅力向上を図ることができると考えております。このように今後も足利市観光協会などの民間事業者や地域の関係団体の皆様とタッグを組み、美しい自然はもとより、足利ならではの歴史や文化といった地域資源の魅力を高め、市民が誇れる歴史都市足利を目指してまいりたいと考えております。

P.26 ◆質問 5番議員(末吉利啓)
◆5番議員(末吉利啓) 足利学校の観光協会への委託は、私も重要なことだと感じておりました。観光の視点からの様々な改善を進めていただきたいと思います。
  再質問いたします。未指定も含めた民間の文化財は、所有者の意向に左右されるところがありますので、今回は市が有する文化財について議論いたします。私が個人的に観光まちづくりのポテンシャルが高いと考える市有文化財は、以下であります。猿田河岸の船問屋、萬屋が築いた物外軒とその庭園、足利を守り抜いた文人画家田崎草雲旧宅、通称白石山房、足利織物を世界へと発信した県指定文化財の旧木村輸出織物工場、そして足利の名誉市民である木村浅七元市長の邸宅です。物外軒を例に現状をお話ししますと、毎年の歳出は200万円前後で、維持保全に使われています。一方歳入は、入場料が無料であり、茶室の使用料のみであるため、平成30年は2万2,000円で、毎年約190万円の赤字です。そのため、傷んだあずまやなどの修繕ができなかったり、定期的な庭の手入れなど適正な管理ができない状況が続いています。しかも、財源不足などを理由に公開期間が春と秋の日曜日に限定されています。歳入がない、維持管理費がかけられない、だから公開を縮小する、まさに負のスパイラルです。この状況で本当に次の世代へ貴重な文化財を引き継いでいくことができるのでしょうか。
  そこで、この状況を打開するために民間から御提案をいただき、新たな歳入を生み出す方法を模索する必要があると考えます。例えば那珂川町の飯塚邸のように、一棟貸しのホテルに改修したり、カフェやレストランとして活用したりして継続的な賃料をいただく方法も考えられます。また、木村輸出織物工場を社会教育施設の規制から外し、市民プラザのように貸し館業務を可能とすることも有効と考えます。県指定文化財で演奏や演劇ができるというのは、歴史都市足利ならではの強みになると考えます。人が集い、人が使えば、建物はよみがえり、新たなにぎわいも生まれます。まずは、市として活用の可能性がある市有歴史資源を洗い出し、関係課との意見交換などを行ってみてはいかがでしょうか。幸い本市には、戦前の希少な学校建築である大久保分校を活用した最新の事例もありますが御所見を伺います。

P.26 ◎答弁 産業観光部長(松島繁)
◎産業観光部長(松島繁) 再質問にお答えいたします。
  市が所有する文化的価値のある施設の活用は、民間所有に比べて取組がしやすい面もございますので、具体的に利用可能な施設等について関係課と意見交換しながら、洗い出しをしてまいりたいと考えております。
  また、御指摘のありました物外軒につきましては、茶会など既に民間の方々が利用してございますが、新たな集客の方法についても検討してまいりたいと考えております。今後も足利ならではの文化財をさらに磨き上げ、活用するためにも、関係課や民間の方々とこれまで以上に連携を図ってまいります。

P.26 ◆質問 5番議員(末吉利啓)
◆5番議員(末吉利啓) 洗い出しと集客方法の検討をいただけるとの前向きな答弁、心強く感じております。ぜひとも柔軟な対応をよろしくお願いいたします。
  価値づけについて再質問いたします。歴史ある資源を持続可能な形で未来につないでいくためには、歳入を得るための活用とともに、その価値を客観的に評価する価値づけも重要と考えます。しかし、国指定文化財、県や市の文化財となりますと、修繕や改修に規制があり、利活用しにくいという課題があります。
  そこで、登録文化財であれば内部や一部外観の改修も可能であり、活用と価値づけを両立できることから、未指定の木村邸と、先日活用が始まった旧大久保分校の登録有形文化財への申請を御提案いたします。栃木市や桐生市では同様の取組が広がり、魅力ある町並みをつくり出していますが御所見をお伺いいたします。

P.27 ◎答弁 教育次長(岡田和之)
◎教育次長(岡田和之) 再質問にお答えします。
  旧木村浅七邸及び旧大久保分校のうち、旧木村浅七邸につきましては助戸公民館住宅棟として管理しております。それらについて平成12年から平成14年にかけて市内近代化遺産調査を行い、足利の近代化に貢献した施設としてリストアップをしております。お尋ねの国登録文化財への登録につきましては、事前調査や関係資料収集、また文化庁調査官による現地確認を経まして、文化庁に申請書を提出し、国の文化審議会での審議を受けるという一連の手続が必要となります。今後旧木村浅七邸及び旧大久保分校につきましては、市の活用方針をはじめまして、登録文化財とすることの意義について、また建築物の専門家の御意見も伺いながら研究していきたいと考えております。

P.27 ◆質問 5番議員(末吉利啓)
◆5番議員(末吉利啓) 非常に大事なポイントでありますので、ぜひ前向きな御検討をお願いいたします。また、現在利用している団体や地元の方々への配慮も併せて御検討ください。何度も申し上げますが、本市の歴史資源は豊富で、高いポテンシャルを有しています。まずは、市有資源を生かした歴史まちづくりを民間とともに推進し、機運を上げていただきたいと考えます。それができるのは共同体となった観光まちづくり課と文化課の皆さんだと期待しておりますが、現場ではリソース不足も懸念されます。それを解決できる策として、現在市長の下、強力に推進していただいているDXがありますので、次の質問に移ります。
  学校教育DXについてのうち、ICT機器を活用した学校運営について伺います。子供たちの学びの充実や学校現場における事務作業の効率化につながるものとして、GIGAスクール構想をはじめとしたAIやICTを活用した教育DXが注目を集めています。そのような中、本市は平成31年度から市内の全小中学校に統合型校務支援システムを導入しました。成績表や出席管理などの事務作業をデジタル化し、作業を効率化することで、子供たちと接する時間を増やすことを目指してきました。さらに、令和2年度にはGIGAスクール構想により、児童生徒1人1台のタブレット端末導入を行ってきました。デジタル教科書、オンライン授業、グループ学習など様々な活用を進めています。しかし、学校教育全体を俯瞰するとツールやシステムが先に導入された経緯があり、学校教育DXをどのようにどういった方針で進めていくのかといったグランドデザインが出来上がっていない印象を受けております。例えばタブレット端末や校務支援システムはあるが、各学校のホームページが古いままであったり、学校独自の会計システムが残っていたり、GIGAスクール構想で得られたデータの活用が進んでいなかったりと、一貫性がないように感じております。だからこそICTやAIの導入方針や具体的計画などを定め、足利市の小中学校全体として一定の基準の下でDXを推進する組織や仕組みづくりが必要と考えます。今後どのような体制で推進していくのかお伺いいたします。

P.27 ◎答弁 教育長(須藤秀幸)
◎教育長(須藤秀幸) ただいまの御質問にお答えいたします。
  急激に変化する時代の中で、子供たちには様々な人々と協働しながら変化を乗り越え、持続可能な社会のつくり手となる資質、能力が求められています。本市教育委員会では、1人1台のタブレット端末や統合型校務支援システムを導入し、授業でのICT活用や学校業務における情報化、効率化を図りながら、これまでに培ってきた教育実践にICTを組み合わせ、推進していくことで、教育の質の向上につなげ、子供たち一人一人の学力向上を目指しております。特に授業でのICT活用につきましては、タブレット端末を探求学習や協働学習などに活用し、授業改善に努めることで、子供の学習意欲の向上や思考力、判断力、表現力等の育成につなげております。
  また、学校業務における情報化、効率化につきまして、統合型校務支援システムにより名簿管理や成績処理等の事務作業が軽減され、教師が子供と向き合ったり、教材研究を行ったりする時間を、以前よりも確保することができるようになっております。さらに、子供たちの学習に関するデータを蓄積することで、一人一人の習得状況の変化が確認でき、これまで以上に適切な、個に応じた指導が可能となりました。
  今後、タブレット端末や統合型校務支援システムをさらに効果的に活用し、ICTの可能性をより教育に取り入れていくためには、高度な技術や幅広い人とのつながりなど、一層の専門的、多面的な視点が必要となってくると考えております。そのため、本市教育委員会といたしましては、庁内の関係課や大学などの関係機関との連携を密にし、専門的な見地からのアドバイスをいただきながら、デジタル技術を活用した学習など、時代に対応した教育活動の推進や、学校の業務改善など、学習環境をはじめとしたよりよい教育環境づくりに努めてまいります。

P.28 ◆質問 5番議員(末吉利啓)
◆5番議員(末吉利啓) 校務の効率化について再質問いたします。
  現在導入されている校務支援システムにより、今までアナログで行ってきた様々な事務作業をデジタル化、共有化することで効率化を進めることができました。客観的なデータはありませんが、現場の先生方の声の多くは肯定的なものだと聞いております。一方、同システムではカバーできない校務があったり、学校独自の事務作業があったりと、まだデジタル化、ICTの手が行き届いていない作業があることも事実です。
  そこで、同システム導入の成果を集約、分析し、改善が必要な点や効率化できそうなほかの業務を拾い上げることはできないでしょうか。システムは導入して終わりではなく、そこに集まったデータなどを基にさらなる改善をしてこそ高い効果を生み出すと考えますが、御所見を伺います。

P.28 ◎答弁 教育長(須藤秀幸)
◎教育長(須藤秀幸) ただいまの再質問にお答えいたします。
  導入している統合型校務支援システムへは各学校等から様々な要望や提案の声があることも事実であります。個々の要望につきましては、具体例を示しながら活用場面や方法などについて個別に助言し、改善を図ってきたところであります。今後、統合型校務支援システム等について、議員御指摘のとおり、アンケートなどを行い、その成果や課題、そして今後の活用の仕方等も含めまして、課題及び検証をしていく上で、各関係課と連携しながら市全体の改善を図り、教育の質の向上に努めていきたいと考えております。

P.28 ◆質問 5番議員(末吉利啓)
◆5番議員(末吉利啓) ぜひアンケートなどを行う際には、現場の負担とならないようなデジタルな方法で検討していただきたいと思います。
  タブレット端末の活用について再質問いたします。現在、数学、算数と英語について一部学年でデジタル教科書を導入しています。まだ紙媒体の教科書との過渡期にありますが、積極的に導入し、実績を積もうという姿勢には共感するところであります。
  そこで、本市で取り扱っている副読本についてもデジタル化し、教材としていつでもどこでも見られるようにすることはできないのでしょうか。小学三、四年生で使用するのびゆく足利や、以前足利デザイン・ビューティ専門学校の学生に制作していただいた田崎草雲の補助教材などをデジタル化し、ローカルにダウンロードしたり、オープン化したりできるのではないでしょうか。できれば併せて操作しやすいビューアアプリの導入についても検討いただければと思いますが、御所見を伺います。

P.29 ◎答弁 教育長(須藤秀幸)
◎教育長(須藤秀幸) 再質問にお答えいたします。
  議員御指摘のとおり、副読本をデジタル化することで、子供たちが紙媒体だけではなく、手元でたくさんの図や写真などの資料を、より効果的に活用できるものと考えております。子供によっては、その図や表を拡大して見ることによって理解を深めたりすることもあるかと考えているところであります。ただ、タブレット端末での副読本の活用については、出版業者との相談もしながら考えていかなければなりませんので、その辺も含めまして今後活用できるよう努めていきたいと思っております。
  また、せっかく1人1台のタブレット端末を導入しておりますので、御指摘のビューアアプリケーションをはじめ、子供の学びにつながるようなアプリケーション等もほかにもたくさんあるかと思います。そういったものもどういう学びにつなげれば効果があるのか、また子供たちの学びが深まっていくのか、広がっていくのか、そういったものを関係各課と連携しながら検討してまいりたいと考えております。

P.29 ◆質問 5番議員(末吉利啓)
◆5番議員(末吉利啓) タブレット端末は本当に使えるツールだと思いますので、最大限利用していただきたいと思います。
  再質問いたします。ここまで個別の課題について問題提起をさせていただきました。ここで改めて学校教育DX全体を俯瞰する中で、教育行政のトップである教育長はどのような問題意識をお持ちなのかお伺いいたします。

P.29 ◎答弁 教育長(須藤秀幸)
◎教育長(須藤秀幸) ただいまの再質問にお答えいたします。
  私は、子供たちには社会の変化に向き合い、自分を取り巻く諸課題に対し、主体的に課題解決に向かう力を身につけさせたいと考えております。そのための一つの方策として、タブレット端末や統合型校務支援システムの活用に努めているところではありますが、現在蓄積された様々なデータを授業改善や学校の業務改善に、これまで以上にもっと生かせるのではないのかと考えているところであります。そこで、個別最適な学びの実現に向けまして、タブレット端末や校務支援システムに蓄積されたデータを有効に活用し、子供自身の学びのスタイル、そして子供一人一人に応じた教師の指導のスタイルを構築していくことが大切ではないかと考えているところであります。そのためには、専門的な見地からの助言や支援も必要であります。ICTによるデジタル化を進めていますが、今後DX化へと推し進めていく必要もあると考えているところであります。

P.29 ◆質問 5番議員(末吉利啓)
◆5番議員(末吉利啓) 御答弁の中で、あくまで一つの方策という言い方がありました。DXそのものがデジタルトランスフォーメーション、変革でありまして、世界の常識を次々に変えているような大きな流れでありますので、ぜひ教育長にはもう一段高いところから、こういった部分を見ていただきたいと思っております。
  また、DXを推進するために専門的な知見が必要だとの答弁がありましたが、もしそうであるとすれば、司令塔たる人材の配置も検討すべきと考えます。5年、10年腰を据えて全体を俯瞰できる司令塔がなければ、個別の事業ごと、学校ごとの対応になり、非効率になります。
  また、DXの方針や計画の策定なども重要です。今は、羅針盤がないのに船だけ先に渡されているような状況なのかもしれません。ぜひ羅針盤の整備も御検討いただきたいと思います。
  組織体制について再質問いたします。本市の学校教育DXは、教育研究所や支援員、アドバイザー、各校のデジタルに詳しい先生方が担っているものと理解しています。本来司令塔である教育研究所の設置目的は、教育に関する研究調査及び教育関係職員の研修を行うことであります。そのため、DXに特化したノウハウ等を備えているわけではありません。学校現場も同様であり、大きな負荷がかかっているのではないでしょうか。一方、市長部局では、令和4年度からデジタル戦略課が設置され、様々な業務のデジタル化などを強力に推進していく体制が整えられつつあります。
  そこで、教育委員会と市長部局という異なるセクションではありますが、縦割りを廃し、連携協力できる体制を検討すべきと考えます。デジタル戦略課のノウハウを教育委員会に提供したり、教育現場の課題を相談したりして、お互いに協力して考えるといった、こうした連携が進むことで、教育現場はもちろん、事務局の負担軽減にもつながるのではないでしょうか、所見を伺います。

P.30 ◎答弁 教育長(須藤秀幸)
◎教育長(須藤秀幸) 再質問にお答えいたします。
  これまで統合型校務支援システムやGIGAスクール構想によるタブレット端末を導入する際におきましても、市長部局の関係各課に御協力をいただきながら、導入に至ったという経緯があります。また、その際にも、本市の学校の実情に合った、よりよいシステムやタブレット端末について、一緒に考えさせていただいたところであります。校務支援システムやGIGAスクール構想によるタブレット端末のさらなる活用や運用につきまして、今後よりよい学校ICT環境を整備し構築していくことからも、専門性を有する庁内の関係各課とこれまで以上に積極的な連携を図り進めていきたいと考えております。

P.30 ◆質問 5番議員(末吉利啓)
◆5番議員(末吉利啓) 新しい取組には様々な障壁があることも承知しております。子供たちの豊かな学びの創造と、先生方の業務改善に確実につなげるため、市長部局と教育委員会が協力し、その壁を乗り越えられることを期待しております。そのために、必要であれば政策調整監や特命推進員を機能させることも検討する余地があると考えます。ぜひ教育行政のトップである須藤教育長の強いリーダーシップの下、学校教育DXを推進することをお願いし、次の質問に移ります。
  公共施設・公共空間についてのうち、遊休資産の活用について伺います。本市の公共施設は、人口が増加する時代に一斉に整備されました。が、それが昨今同時に老朽化し、更新の時期を迎えています。物理的にそれらを全て維持できないという課題に対し、人口減少時代に合わせ、持続可能な形で総量を縮充する必要に迫られております。
  そこで、本市は足利市公共施設再編計画に基づき、施設の統廃合や複合化を積極的に進めてきました。しかし、それは同時に廃止された遊休施設を生み出すことになり、その利活用も新たな課題となっています。一般質問の議論などを経て、本市も遊休資産の利活用に積極的に取り組んでいただいております。令和3年に市街化調整区域にある旧大久保分校、旧松田保育所、旧養護老人ホーム福寿荘の利活用に係る民間提案を募集し、令和4年4月22日に旧大久保分校が大久保分校スタートアップミュージアムつくりえとして新たな門出を迎えたところです。さらに、令和4年には市街化区域にある旧御厨テニスコート、旧市民活動センターのサウンディング調査を行っています。未利用市有資産の活用について、これまでの成果と課題についてお伺いいたします。

P.30 ◎答弁 総合政策部長(平山忍)
◎総合政策部長(平山忍) ただいまの御質問にお答えします。
  本市では、令和3年度に議員御指摘の3つの廃止施設を対象に民間提案を募集し、そのうち旧大久保分校は、民間事業者による大久保分校スタートアップミュージアムとして令和4年4月に新たな活用が始まりました。このミュージアムは、現代アートの美術館として若手アーティストへの展示スペースや工房の提供のほか、一般の方も様々なアート体験ができ、交流の拠点となる施設として注目を集めています。旧松田保育所と旧養護老人ホーム福寿荘については、市街化調整区域内での建物の用途が制限されることや、施設の老朽化とその改修のための費用等が課題となり、利活用には至っていない状況であります。
  また、未利用施設の利活用に関するさらなる試みとして、令和4年3月に旧御厨テニスコートと旧市民活動センターを対象にサウンディング型市場調査を実施しました。この調査は、民間事業者の活用提案や意見を広く聞くことで、対象施設の市場性や課題を把握し、効果的な募集方法や条件を探るもので、複数の提案をお聞きできた一方で、物件の周辺道路の交通状況や道路冠水などの幾つかの課題も明らかになりました。また、今回の民間提案募集やサウンディング型市場調査を通じて、適正な募集期間や広く情報を周知することの重要性についても改めて実感したところです。今後は、これらの調査等を通じて得られた意見や課題等について、さらなる分析や検討を行い、未利用施設の有効な利活用を目指してまいります。

P.31 ◆質問 5番議員(末吉利啓)
◆5番議員(末吉利啓) この短期間に旧大久保分校の活用により、遊休資産の活用例ができたことについて、当該事業者や関わっていただいた全ての皆様に感謝するところであります。その上で、同事業が未利用施設活用のフラッグシップとなるよう、できる限り市として伴走を続けていただくことをお願いいたします。
  課題について再質問いたします。さらに多くの事業者等に手を挙げていただくために、募集期間を長くしたり、使用できる様々なプラットフォームを駆使して情報発信をしたりするなど、改善を続けていただきたいと思っております。そして、まだ手をつけていない旧南幸楽荘や旧松田小学校などの未利用施設や、これから廃止になる保育所などの未利用施設予備軍も多数ございます。これまでの課題を踏まえ、今後の未利用施設活用についてどのように進めていくのかお伺いいたします。

P.31 ◎答弁 総合政策部長(平山忍)
◎総合政策部長(平山忍) ただいまの再質問にお答えします。
  今回の民間提案の募集やサウンディング型の市場調査は、試験的に実施したところでありまして、今後の参考となる様々な意見やデータ、課題などが把握できたと思っています。今後は、より多くの事業者に参加していただくために、さらなる情報の提供や十分な募集準備期間を設けることが重要であると思っております。未利用市有資産の活用につきましては、全体の基本的な考え方やルールを定める仕組みづくりも必要になろうかと思います。今回得られたものをそうした仕組みづくりに生かしながら、また関係各課ともいろいろと情報を共有しながら、個々の未利用市有資産について、さらなる利活用を進めてまいりたいと思います。

P.31 ◆質問 5番議員(末吉利啓)
◆5番議員(末吉利啓) ぜひ今回のこの2回の経験を糧に体制や仕組みを再構築していただきたいと思います。
  また、未利用施設予備軍については、電気、水道などの設備が老朽化する前に活用の準備に取りかかっていただきたいと思います。その上で、できる限り行政の手がかからない施設が自走できる仕組みや基本方針なども併せて御検討いただきたいと思います。
  公共施設の再編は、削減や統廃合による衰退というネガティブな印象を与えかねません。そんな中で、使われなくなった施設が民間のノウハウでよみがえり、新たなにぎわいを生む姿は、市民にポジティブなマインドを与えられるはずです。同計画を推進し、持続可能な公共施設運営を確立するため、引き続きの御尽力をお願いし、私の質問を全て終了いたします。

《末吉としひろ後援会事務所》 お気軽にお問い合わせください TEL 0284-22-3958

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