1.市長の政治姿勢について(映像のまち構想/公共施設等総合管理計画)
2.文化財の保存・活用について(文化財の展示施設・閲覧システムの整備)
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◆1番議員(末吉利啓) 発言の機会をいただきましたので、順次質問をしてまいります。
1番、市長の政治姿勢について、映像のまち構想についてお伺いいたします。平成28年3月、本市に映画館が復活し、映像のまち構想はターニングポイントに差しかかりました。映画やプロモーションビデオなどの撮影実績も、職員の努力、市民ボランティアの協力により確実に積み重ねられ、映像業界から一定の評価を得ていると聞きます。今後の展開をどのように考えているのか、お聞かせください。
また、本構想への関心は、市民によって温度差があります。いかに多くの市民を巻き込み、応援してもらえるかが成功させる上で重要な鍵となります。平成27年6月市議会定例会での一般質問でも提言しましたが、市民へのさらなる周知を図り、同構想を応援していただける市民をふやすために新たな取り組みが必要だと考えますが、いかがでしょうか。
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◎市長(和泉聡) 1番、末吉利啓議員の御質問にお答えします。
初めに、本市に民間の映画館が復活したことを契機とした映像のまち構想の今後の展開についてであります。私は、市長に就任し、まちを元気にする一つの施策として映像のまち構想を発表しました。本構想発表以降、2年間で85本の撮影実績を残すことで、最近では毎週のように市内のどこかで撮影が行われているねと声をかけられる機会がふえております。また、「バンクーバーの朝日」の撮影をきっかけに地元商店による朝日カレーやオリジナルクッキーといった記念メニューの企画販売や、衣装を担当された宮本まさ江氏の衣装展の開催により、経済や観光への波及効果もありました。
こうした中、アシコタウンへ7年ぶりに映画館ユナイテッド・シネマが開設されました。開設理由の一つに、本市が映像のまち構想を進めていることを挙げています。これは、これまでの活動や実績、それを支える市民ボランティアやロケ場所の提供など、まさに市民の力が関係者に評価されたものです。この結果、市内で撮影された映画が市内で見られるようになり、私が思い描く映像のまち構想の一つの柱が整いました。
そこで、今後の展開についてですが、ユナイテッド・シネマと連携し、多くの市民が映像に触れる機会をつくっていきます。また、平成27年から始めた映像まつりなどのイベントの開催や上映プログラムの工夫などで他のシネマコンプレックスとの差別化を図り、足利ならではの連携のあり方を研究していきます。
先日、旧西高校の現場を見学してきましたが、そこでは学校としてではなく、刑務所のセットとして活用され、簡易スタジオ的な撮影が行われていました。新たな需要にも応えられる旧西高校の潜在能力の高さを改めて実感したところです。撮影支援においても、引き続きその充実を図っていきます。
このように、これまでのロケ支援を中心とした土台づくりから、平成28年度は基盤づくりの年と捉え、映像のまち構想の実現に向けて積極的かつ着実に取り組んでいきます。
次に、同構想を応援してくれる市民をふやすための新たな取り組みについてです。言うまでもなく、この構想は多くの市民の理解や支援があって初めて実現していくものです。そのためには、実際の現場に参加し、体験してもらう市民の方を一人でもふやすことが大切であると考えています。これまでも銀幕会議の協力を得ながら、映像のまちフォーラム、映像まつり、ワークショップなどを開催し、市民が映像に理解を深める機会をつくってきました。こうした参加型、体験型の取り組みをさらに広げるために、まずはエキストラ登録の仕組みをつくり、さらに市民応援団へとつなげていきたいと考えています。また、ロケ地めぐりバスツアー、映像業界の仕事オープンカレッジなどの新たな事業にも取り組み、市民参加の裾野を広げて、市民とともに映像のまち構想の実現を図っていきたいと考えています。
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◆1番議員(末吉利啓) 再質問いたします。
その映画館ユナイテッド・シネマですが、こちらは映像のまちの実績と活動、それを支える市民力を評価し、多額の設備投資を行い、営業を開始されました。映像のまち構想を推進する本市としては大変ありがたい話ですが、これも本構想の持続的発展あってのことです。映画を見に来られた方が本構想のファンになり、あるいは故郷足利の魅力を再確認できる。本構想が多くの市民に応援されるようになれば、映画を見に行く方がふえ、映画館の維持につながるといった好循環を起こすための官民連携が求められます。今後ユナイテッド・シネマとの連携はどのようなことを考えているのか、お聞かせください。
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◎政策推進部長(相川建司) ただいまの再質問にお答えいたします。
今後のユナイテッド・シネマとの連携についてでございますが、まずは足利らしい映画館として他市にない取り組みを考えております。例えば見たい映画、これをリスエストによって見ることができる。あるいは、先ほど市長からも答弁がございましたけれども、足利で撮った映画は足利で見られるということを考えております。また、撮影隊の人脈、これを生かしていきたいと考えております。平成27年9月、市民プラザで先行上映されました「ディアーディアー」、あるいは6月11日には映画「団地」の監督による舞台挨拶がございまして、これが大変好評でございました。
また、さらに映画文化の発信拠点として活用していきたいと考えております。3月には、映画館デビューとしまして、卒園児親子への映画鑑賞券のプレゼントをしていただいたところでございます。また、6月には中学生の職場体験マイチャレンジとしまして、2つの中学校の生徒さんが行ったところでございます。このように、学生さんたちが学生のころから映画に親しめる工夫をしていきたいと考えております。今後もさまざまな連携を図ってまいります。
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◆1番議員(末吉利啓) 企業の利益性と足利らしさというのは非常にバランスをとるのが難しい案件だとは思いますが、ぜひ映像のまち足利の映画館として個性的で魅力ある運営を連携して行っていただければと思います。
再質問いたします。これまで実績の結果、制作会社からの本構想への期待はますます大きくなっていきます。ロケがふえ、仕事がふえ続ければ、職員の対応にも限界が出てきます。撮影関連の業務は長時間に及ぶものが多く、時間が早朝や深夜になることもあります。また、公共施設での撮影では、職員の立ち会いも必要になり、大変な負担になります。映像のまち推進課の現状は、ロケ現場やエキストラの手配、調整などのフィルムコミッションとしての業務に追われ、市民への啓発や経済効果のある観光活用、ファンをふやす政策などが後回しになっているようにも見えます。この結果、撮影がふえ、仕事がふえても、市民から評価されにくいというずれが生じているように見えます。難しいバランスが必要ですが、人員配置や仕事量の適正化、優先順位の再確認など、業務過多への対策を打つ必要があると考えますが、いかがでしょうか。
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◎政策推進部長(相川建司) 本市におけます映画撮影につきましては、順調にふえているところでございます。
これらに対する業務は多種多様でございまして、増加の傾向のため、平成28年度新たに補助職員を1名増員したところでございます。しかし、業務の中には、撮影隊に対しまして一定の御理解をいただかなければならない部分もございます。こんなことで、現在ロケ支援に当たっての遵守事項ということでお願いの文書をちょっと作成しているところでございます。また、今後の新たな業務の対応するために効率化あるいは市民の皆さんの協力、いわゆる市民力の活用ということになるかと思いますけれども、こういうようなことを含めて、現在業務の見直しも検討しているところでございます。
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◆1番議員(末吉利啓) なかなかこういったフィルムコミッションという業務は、一般的な役所の業務にはないものですので、ふなれな部分もあるとは思いますが、ぜひ適宜業務内容の見直しを行っていただければと思います。
再質問いたします。平成28年3月に清風高校の学生と協力して行われたロケ地めぐりツアーは、募集段階で大変な反響があり、参加された方の満足度も高かったと聞きます。映像のまち構想を観光活用し、本構想の理解者をふやすためにも有効な手段だと考えます。今回の事業結果をどのように評価しているのか、お聞かせください。
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◎政策推進部長(相川建司) 今回の足利ロケ地めぐりバスツアーにつきましては、足利清風高校の皆さんが足利観光協会あるいはJTB、それから市の関係各課と連携をしました企画でございます。
参加者の皆さんからは、またツアーを企画してほしい、あるいは映画が見たくなったというような御意見をいただきまして、大変好評でございました。また、ちょっと視点を変えて見ますと、企画した学生さん、この方たちを見ますと、学生のころからいろいろな形で映像のまち構想に参加をしていただいて、足利のいいところを見詰め直し、あるいは郷土愛を育む、こういうことによって、いつか足利のために活躍してもらえるのではないかというところを感じたところでございます。こういった意味でも、大変いい企画だったというふうに思っております。
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◆1番議員(末吉利啓) 先ほど部長の答弁にもありました郷土愛という言葉、非常に重要だと思います。そういったものを育む効果もありますので、ぜひ継続していただければと考えます。
再質問いたします。今回の事業は、清風高校の全面協力で行われました。今後この事業を継続的に改善し続け、魅力的なツアーにしていくためにさらなる体制整備が必要であると考えます。ただツアーをやりましたで終わらせるのではなく、しっかりとマーケティング、プロモーションを行い、中長期的には商業ベースに乗るような観光コースをつくり、それを継続して提供できるサイクルづくりも必要です。その結果として、映像のまち構想の受益者をふやしていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
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◎政策推進部長(相川建司) 映像のまち構想を推進していくためには、当然関係機関、これと連携、あるいは市民の皆さんの協力が大変重要であると考えております。ロケ地あるいは市の観光施設等をあわせたツアーなども含めまして、いろいろな企画を通しまして、議員の御指摘にありました受益者をふやしていきたいと考えております。
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◆1番議員(末吉利啓) 再質問いたします。
先日、平成27年度足利市市民力創出共同事業で制作された「足利の風」という新たなプロモーション動画が公開されました。本市のさまざまな分野で活躍されている方々のコメントを中心に、まちの魅力や歴史の深さがひしひしと伝わってくる内容で、足利らしい作品に仕上がったのではないかと感想を持ちました。こちらの事業に対する評価についてもお聞かせください。
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◎政策推進部長(相川建司) 今回の動画「足利の風」は、これまでにない切り口でございまして、映像と音楽、それに語りによる観光のPRという形になっております。本市の先人が築きました奥深い歴史あるいは文化、こういうものを改めて認識するとともに、大切に守り続けていく必要があるというところを感じたところでございます。
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◆1番議員(末吉利啓) 本市のシティプロモーションにもありますように、シビックプライド、こういったものに響く内容だったと私は考えていますので、今後もさまざまな分野で活用していただけたらと思います。
再質問いたします。今回の動画は、映像のまち足利が行う映像を使ったプロモーションの皮切りだと私は考えています。映像のまちですから、映像に関しては他市にはないプロモーションができることが望ましいはずです。その一例として、今回のような総合的な動画だけではなく、専門的な動画もつくるべきだと考えます。例えば名草、松田のホタルや渡良瀬川、巨石群といった足利の自然、鑁阿寺や足利学校を含む足利の歴史と文化財、足利義兼、木村半兵衛といった郷土の偉人にまつわる足利の物語、銘仙や繊維産業、プラスチックなどの足利の物づくりといったぐあいに、テーマ別にさまざまな動画を制作し、映像のまちの強みを積極的に利用していただけることが望ましいのではないでしょうか。これにより効果的なプロモーションにもなりますが、この構想のおかげで私たちの宝を魅力的に伝えることができたと、関係するさまざまな分野のさまざまな市民の方々を巻き込み、本構想の強力なファンをふやすことができるはずです。映像の強みは、何といってもわかりやすく伝える力です。新たな動画制作に関して御所見がありましたら、お聞かせください。
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◎政策推進部長(相川建司) 本市には、今回映像におさめられないようなすばらしい物、人あるいは物語がございます。これらの動画につきましては、今回の動画の反響などを検証しながら検討していきたいと考えているところでございます。
また、6月1日には市民団体が作成しましたCM映画「ほろ酔いウォーク」というのがございますけれども、これが総務大臣奨励賞を受賞したところでございます。さらに、6月22日でございますけれども、「手作り映画で観る足利・両毛」と題しまして、別の市民団体でございますけれども、手づくりした映画の鑑賞会、上映会を助戸公民館で予定している。こういうことで、市民の動画作成などの動きも現在出ているところでございます。
また、本市で作成をしました、これ映画作成者向けのPR動画でございますけれども、これにつきましても現在ホームページにアップする準備を進めているところでございます。今後とも映像のまち構想の実現を目指しまして、市民とともにさまざまなことに取り組んでまいりたいと考えております。
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◆1番議員(末吉利啓) 先ほど部長の答弁の中に反響を見ながらというお言葉がありましたが、現在「足利の風」、ユーチューブで閲覧できますが、閲覧回数現在のところ1,000回程度、まだまだちょっと数が伸びていないなと。こういった数では有効な反響は得られません。さまざまな場所で見ていただく機会をつくっていただいて、積極的に反響を得る必要もあると思います。
再質問いたします。今回の動画を初め自治体がつくるマップやゆるキャラ、こういったコンテンツは残念ながらつくって終わりという傾向が見られますが、つくってからが重要だと考えます。民間企業であれば当たり前ですが、これらのコンテンツを利用し、あるいはそれらを目当てにどれくらいの人が足利に来たのか、知っていただいたのか、こういった効果測定を行うべきです。動画であれば閲覧数、そして閲覧をきっかけにどれぐらいの人が足利に対してアクションを起こしてくれたのか。このような調査と、さらに効果的な方法までしっかりと詰める必要があると考えますが、いかがでしょうか。
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◎政策推進部長(相川建司) 本市の映像を通したプロモーションの効果と検証ということであるかと思いますけれども、議員御指摘のとおり、その効果を検証することによりまして、より効果的な方法を実施することが大変重要だと考えております。
しかし、個々の施策に対して、その検証をするということは非常に難しいところがございます。最終的に大きな指標としましては、本市を訪れる観光客入り込み数であり、さらにはそれによってどれくらいの経済波及効果があったということになってくるかと思います。そういうことから、どういったことがより効果的なのか、さまざまなことにチャレンジしながら、引き続き検討していきたいと考えております。
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◆1番議員(末吉利啓) ネットでの動画に関しては、アナリティクスの導入など可能な部分もございますので、ぜひ専門家のアドバイスを受けながら、柔軟な対応をお願いいたします。
本構想は、和泉市長の目玉政策です。平成26年からは、他市からの行政視察も受け入れていると聞きます。映像で地域を元気にできる構想として、市民全体で応援できる、誇れる事業にしていくべきだと思います。
次の質問に移ります。2番、足利市公共施設等総合管理計画についてお伺いいたします。先日公表された足利市公共施設等総合管理計画では、現在ある670棟、延べ床面積59.8万平方メートルの公共施設を維持するために必要な年間更新費用は133億7,000万円で、現実的に充当可能な財源43億5,000万円に対し、何と90億2,000万円も不足するという衝撃的な内容でありました。また、本市が公共施設のために積み立てをしている公共施設等整備基金も平成28年度末の見込みで39億5,000万円と、不足1年分のわずか半分もありません。
本市の公共施設建設ラッシュは、市役所建てかえなどが行われた昭和49年前後、栃の葉国体開催前年の昭和54年前後が特に多く、こういった施設が一斉に改修の時期を迎えています。当時は、人口も経済も右肩上がりで、人口減少を見据えた公共施設マネジメントに対する意識が希薄であったことは間違いありません。ですが、今後日本の総人口は確実に減っていきます。御案内の国立社会保障・人口問題研究所の調査では、本市の人口は2040年に約10万8,500人まで減少すると指摘されました。それに対し、本市が策定した人口ビジョンでは、さまざまな人口問題に対する政策が結果に結びつけば、12万3,000人を堅持できると目標を掲げています。つまりどんなに政策がうまくいっても、24年後には人口が2万5,000人減るということです。
人口減少が進む中、公共施設の大規模な整備、修繕の波が私たちに襲いかかろうとしています。待ったなしの状態です。公共施設の複合化、総数や延べ床面積の適正化などに向けた積極的な議論が各自治体に求められています。まずは、今後の具体的な議論に向け、市長の理念や意気込みをお聞かせください。
また、今回示された内容は、本市の公共施設が、どこに、何年前から、どれだけ存在しているのかといった、あくまで基礎情報です。これをたたき台に具体的な方針や分野別、施設別の個別計画を立てていくことになります。今後どのような予定で目標耐用年数、目標延べ床面積削減率といったものを定め、公共施設再配置プランなどを策定していくのか、お聞かせください。
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◎市長(和泉聡) ただいまの御質問にお答えします。
初めに、公共施設の課題に対する理念や意気込みについてであります。足利市公共施設等総合管理計画は、総務省の要請に基づき、本市の公共施設の現状についてまとめたもので、今後具体的な議論を進めていくための基本的な方針となるものです。今回インフラを含めた公共施設を維持するためには、年間90億2,000万円不足することが判明するなど極めて厳しい現状が浮き彫りになりました。
右肩上がりの時代であれば、当時のニーズに合わせる形で多くの公共施設を整備することができましたが、これからは社会情勢の変化を的確に捉え、真に必要な施設は何なのか、しっかりと議論を行う必要があります。かつてのあれもこれもの時代から、あれかこれかという取捨選択の時代に突入した今、来たるべき将来を見据えて施設の再編成を実施するという厳しい決断を下さなければなりません。この難局を乗り越えるためには、これまで公共施設の整備手法をゼロベースから再構築し、一歩一歩確実に進めていくことが大変重要であると考えています。
次に、今後の予定についてです。公共施設の個別計画を策定するに当たっては、まずは老朽化が進行している待ったなしの公共施設の状況を市民の皆様に丁寧に説明していく必要があると考えています。施設の改修や更新の優先順位については、老朽化の実態を把握した上で、施設の役割や利用状況の十分な検証が必要です。特に不特定多数の市民が利用する大型施設や市民生活に欠かせない施設の改修や更新については、その必要性や緊急性を考慮した上で、市民の声を十分に聞きながら進めなければなりません。
今後は、将来の人口を見据えながら、廃止や統合により公共施設が減っても、行政サービスや利便性の低下を招かないように地域性に配慮しながら、市民とともにつくり上げていきたいと考えています。
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◆1番議員(末吉利啓) 今御答弁にあったとおり、厳しい決断が必要になってくると思います。
再質問いたします。公共施設の整理統合や適正化は、新しく道路や公共施設をつくるといったことに比べ、まちの衰退のようなネガティブなイメージを持たれやすく、反発も招きやすい課題です。市民の投票でその立場を保障されている市長や私たち議員にとって、扱いにくい課題であることも客観的事実です。議会での議論はあったものの、平成24年の足利市公共施設調査からの空白の3年間が、課題としての壁の高さを物語っているように思えます。
今回の管理計画で、ショッキングではありますが、非常にわかりやすい情報が提示され、全国的にも議論が巻き起こっています。これ以上結論の先送りはできません。結論を先送りにするということは、負の遺産を私たちの子や孫の代に複雑化し、深刻化した状態で引き継がせることになります。和泉市長がこの問題を真正面から捉え、足利市のトップとして任期中に道筋をつけていくお気持ちがあるのか、改めてお聞かせください。
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◎市長(和泉聡) 大変取り組むのに難しい問題。恐らく総論では市民の皆様にも理解していただいても、いざ、ではどこの地域の施設をどうするという各論になってきたときには、大変地域のいろいろな思いが吹き出してきて、総論はいいけれども、各論ではという、たくさん意見が出てくると、こういうことが多分予想されるのだと思います。
そうしたときに大切なのは、繰り返し市民の皆様にこの人口減少の現状とか、あるいは老朽化の現状、そして限られた財源の状況等々を丁寧に説明していく。そのためには、私はもちろん全ての議員の皆様もそれぞれの支援者の皆様に丁寧に説明していただく。そういう根気強い取り組みがやっぱり必要になってくるのだというふうに思っております。
ただ、先送りはもちろんよくないことでありますけれども、慌てて手順を間違えると、逆に遠回りをすることにもつながりかねません。その辺はよくスピード感と手順を間違いないということを、両方を視野に入れながら進めていきたいという、そういう考え方で進んでいきたいというふうに思っています。
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◆1番議員(末吉利啓) 先ほどのお言葉にありました手順というのは非常に重要な視点かと思います。
再質問いたします。この議論は、先ほど市長がおっしゃったとおり、総論賛成、各論反対になりやすいため、具体的な施設や地域の話になると議論の停滞が予想されます。それぞれのお立場の方々がいらっしゃいます。自分たちのエリアや業界の施設に議論が及べば、議論以前に俎上に上げることすらできなくなるおそれもあります。行政、議会が未来に向けた中身のある議論をするために、何より市長や私たち議員を支持していただいている市民の皆様の御理解が必要不可欠です。現在のところ、当管理計画は発表されて間もなく、情報も市民一般には伝わっていないため、総論賛成の段階にもないというのが私の実感です。
そこで、議会や庁内での具体的な議論を担保するために、御答弁にあった老朽化が進行している待ったなしの公共施設など、さまざまな公共施設の耐用年数や耐震診断の有無、使用料収入の状況など、さまざまなデータの積極的開示が必要だと考えますが、いかがでしょうか。
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◎政策推進部長(相川建司) 総合管理計画につきましては、現在ホームページで公表しているところでございます。ただ、議員御指摘のとおり、なかなかその内容につきまして市民の皆様の深い理解というのは難しいところだと考えております。今後より具体的な資料につきましては、個別計画を作成する中でお示しをし、さまざまな意見を聞きながら、引き続き検討していきたいと考えております。
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◆1番議員(末吉利啓) ぜひ前向きにさまざまな情報を公開していただけたらと思います。
再質問いたします。積極的情報開示の次は周知と啓発が必要になります。今本市が置かれている現状、施設の複合化や新たな機能を付加するなど、成功例を含む打開策を周知するべきだと考えます。例えば勉強会やフォーラム、積極的な出前講座、広報紙でのわかりやすい特集など、危機感を持ったスピーディーな対応が望まれます。もちろん市議会議員として私も市民の皆さんに訴え続けていますが、市議会議員は全員そろっても24名です。15万市民に訴えるには時間がかかります。ここはぜひ行政と議会とで問題意識を共有し、協力しながら周知と啓発を進めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
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◎政策推進部長(相川建司) 先ほど答弁いたしましたとおり、この計画につきましては公表したところでございますけれども、市民の皆様により理解していただくためには丁寧に説明していくことが大切だと考えております。そこで、議員御提案のありました広報紙あるいは出前講座など、さまざまな方法で効果的な周知をしていくために検討していきたいと思います。
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◆1番議員(末吉利啓) こういった周知と啓発に関しては、さまざまな自治体で先行例がありますので、ぜひ御参考にしていただいて、進めていただければと思います。
再質問いたします。今後計画を進めていくためには、まずは大きな目標設定が必要だと考えます。いつまでに何割の延べ床面積を削減するのか、遊休地や公共施設を有効活用し、年間どれぐらいの歳入増を目指すのかなどの本市全体で共有する大きな目標をつくるべきです。県内では、日光市が公共施設マネジメント計画を平成27年8月に策定し、延べ床面積を40年間で32%削減すると目標を定めました。目標が決まらなければ、本腰を入れた具体的な議論ができません。本市において今後いつごろまでに目標を設定していくのか、お聞かせください。
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◎政策推進部長(相川建司) 公共施設の削減につきましては、それぞれの施設の性格あるいは性質、そして地域性、これについて十分考慮する必要があると考えております。また、将来予測も含めまして、その地域に合った形での公共施設のあり方、これを検討していかなければならないというふうに考えているところでございます。そういったことから、現段階で目標をお示しすることは非常に難しいと考えているところでございます。今後の統廃合あるいは集約化につきまして、ある程度方向性を検討する中で、その辺の目標についてもあわせて検討できていければと考えております。
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◆1番議員(末吉利啓) 再質問いたします。
室内型子供遊戯施設キッズピアは、商業施設の空きスペースを借り、民間のノウハウを導入し成功した、本市公共施設の一つの未来像だと私は考えます。このような民間施設の活用、PPP、PFIなどの公民連携を積極的に検討するためには、庁内のノウハウでは不十分で、適切な選択ができない可能性があります。マーケット情勢、施設の相性など、専門的な情報を知り尽くした外部からの専門業者によるアドバイスを受けることが必要と考えますが、いかがでしょうか。
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◎政策推進部長(相川建司) 議員御指摘のとおり、民間活力を活用することは非常に大切だと思っております。今後個別計画を検討する中で、議員御指摘の方法も含めまして、さまざまな方法について検討してまいりたいと考えております。
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◆1番議員(末吉利啓) 今議会においてこの問題を取り上げた議員は私も含め3名で、その重大性を示していると思います。各論になって議会を巻き込んだ反対運動が起きたり、議会が空転したりしないために、まずは市民の皆さんに対する情報開示、そして周知と啓発、目標設定を行ってください。さらには、整理統合によるマイナス面だけが目立たないように、市民の生活に新たな利便性や楽しみが生まれるような、夢のある成功例やアイデアを示していくことが重要だと思います。
昨日の答弁で市長がおっしゃっていた、自分の人気よりもまちのことを大切に考える姿勢が求められる典型的な案件だと思います。ぜひ市民、議会、行政が積極的に議論できるマインドを協力して醸成できればと思います。
次の質問に移ります。文化財の保存・活用について。文化財の展示施設・閲覧システムの整備についてお伺いいたします。歴史と文化と花のまちである本市には、その歴史を総合的に理解するための博物館がありません。本市は、国宝5点、国指定重要文化財31点、県指定重要文化財87点と、非常に多くの文化財を所有しています。県内の国宝、国指定重要文化財の所有比率で言えば、栃木県のわずか3%にしか満たない面積の本市に県内の20%から30%の国宝、国指定重要文化財が存在しています。しかしながら、これら豊富な文化財を定期的かつ安定的に展示、公開する施設がないため、この事実は余り知られておりません。本市の特筆すべき武器である歴史的優位性を十分に発揮できていないのです。かといって、これから新たに博物館を建設するということは、先ほどの公共施設マネジメントの方向性と逆行することとなりますので、遊休施設の活用を含め、慎重に議論する必要があります。
そこで、まず本市の文化財展示施設の状況について整理していきたいと思います。本市の文化財に関する展示施設は、東砂原後の郷土資料展示室、小俣のふるさと学習・資料館、公開はしていませんが、月谷の民俗資料室があります。これらの施設を含む本市及び足利市民文化財団の指定文化財や歴史的資料の活用状況はどうなっているのか、お聞きします。
また、本市が所有する豊富で質の高い文化財を多くの方々にPRし、観光誘客につなげるとともに、足利氏や足利学校、その他本市の歴史研究を加速させ、さらには市民の文化力向上に資する必要があります。その有効な手段として、インターネットを使ってパソコンやスマートフォン、その他の端末でいつでもどこでも文化財を見られるデジタルミュージアムを整備するべきだと考えますが、いかがでしょうか。
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◎教育次長(岩原幸市) ただいまの御質問にお答えします。
初めに、文化財の活用状況についてですが、本市は歴史と文化のまちと呼ぶにふさわしい多くの貴重な歴史資産に恵まれています。そうした文化財の活用事業として、文化財一斉公開事業を初め、足利市民文化財団の所蔵品展の開催、また市立美術館を会場に鑁阿寺や足利学校の特別展なども行っており、市内外の多くの方々に本市の文化財に触れる機会を設けております。
なお、文化財等を常設的に展示及び収蔵している施設としては、郷土資料展示室やふるさと学習・資料館、民俗資料室がございます。郷土資料展示室では、発掘調査の出土品の展示及び収蔵を行い、平成27年度の見学者数は573名、ふるさと学習・資料館では民俗資料及び西部地区の発掘調査出土品の展示及び収蔵を行い、平成27年度の見学者は1,434名でありました。民俗資料室につきましては、主に民具などの収蔵庫として使用している現状にございます。
次に、文化財の閲覧システムの整備についてですが、現在市のホームページ上で個人所蔵を除く指定文化財の閲覧システムを作成している最中でございます。これらのデータのデジタルミュージアム化につきましては、郷土のすぐれた文化財をより多くの方々に知ってもらうための有効な手段の一つと考えられますので、今後調査研究を進めてまいりたいと考えております。
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◆1番議員(末吉利啓) 展示施設の現状について再質問いたします。
郷土資料展示室、ふるさと学習・資料館の市民への認知度、展示環境、駐車場観光案内への掲示、説明員の有無などのホスピタリティーを他市の展示施設と比べどのように考えているのか、お聞かせください。
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◎教育次長(岩原幸市) 他市との比較というお話でございますけれども、なかなかそれぞれのまちの考え方等もございますので、一概には比較できませんが、ただ施設面ということで考えますと、足利市の場合はそれぞれが跡地を利用した形になっております。それによりまして、スペースの問題であるとか、あるいは場所の問題、こういった課題もあるところでございます。ただ、2つの施設とも、例えば郷土資料展示室においては主に調査研究のためとか、あるいはふるさと学習・資料館においては小学校の校外学習の場ということで利用されておりまして、そのために説明員を配置するなど施設環境の向上に努めているところでございます。
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◆1番議員(末吉利啓) 少し補足をさせていただきます。
御答弁いただいた郷土資料展示室は中部清掃事業所の跡地で、展示スペースもごくわずか。ふるさと学習・資料館、月谷民俗資料室は、ともに廃校を現状のまま利用していて、展示や収蔵のための大規模な整備工事等は行われていませんし、月谷民俗資料室に至っては公開すらされていません。また、駐車場はありますが、施設を示す看板もわかりにくく、ほとんどの観光マップに載っていないので、観光で立ち寄る方はほとんどいらっしゃらないのが現状です。恐らく市民への認知度調査を行ってはいないと思いますが、行ったことがない、あるいは存在を知らないという方がかなり多いのではないでしょうか。
つまり先ほどの答弁からもわかるように、本市が誇る文化財は市民や観光客の目に触れることがほとんどないということがわかります。こういったふだん目にすることのない眠っている文化財は、足利の宝です。これらを有効的に活用するべきだと考えますが、現在どのような事業を行っているのか、お聞かせください。
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◎教育次長(岩原幸市) 足利市には、国宝5件を初め430余の指定文化財がございます。これは、先ほど議員もおっしゃっていましたけれども、栃木県の市町村では2番目に大きな数を持っているということでございます。ただ、その指定文化財の多くが個人の所蔵ということで、なかなか市民の目に触れる機会が少ない。そういった文化財があることも事実でございます。
そういったことから、市では秋に期間限定ではありますけれども、文化財一斉公開という形で、市民の御協力を得ながら、そういった貴重な文化財を展示する機会を設けております。また、同時期にふるさと学習・資料館、それと郷土展示資料室においても特別展示なども行いまして、なるべく多くの方に貴重な文化財を見せる工夫をいたしているところでございます。
P.129
◆1番議員(末吉利啓) 再質問いたします。
文化財一斉公開は、本市が誇る魅力的なイベントの一つだと考えます。1度に70カ所以上もの文化財を公開し、しかもボランティアガイドによる解説もついている事業は、私の知る限り全国でも聞いたことがありません。また、足利学校の国宝等展示事業も積極的な文化財活用政策として多くの期待を集めています。
さて、これらはあくまでイベントです。短期的で期間限定の展示でしかありません。改めて言いますが、歴史のまち足利に観光客が来ても、足利の歴史を総合的に理解し、楽しむ展示施設はありません。新たな建物をつくるのではなく、既存の施設を活用したり、PPP、PFIなど民間の運営能力を導入したりすることも考えられます。公共施設等総合管理計画の策定を機に、本市の歴史文化財の展示、保存、研究拠点について、もう一度議論する必要があると考えます。
かつて文化課内に歴史博物館建設準備室というものがあり、現在も文化課の業務内には歴史博物館建設準備が掲げられています。現在これらの準備事業はどうなっているのか、お聞かせください。
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◎教育次長(岩原幸市) 歴史博物館の建設の件でございますけれども、これは昭和45年に文化財保護法が制定をされまして、それに伴って本市においても建設したらどうかという機運が高まったものでございます。その後、いろいろな議論、御意見があり、また財源の問題等もありまして、現在着地点を見出していないというような状況でございます。
ただ、今般公共施設等総合管理計画ができまして、単体の博物館というよりは、むしろ長い目で見た展示施設のあり方をどうするのか。こういう新しい視点で考えることになっておりますので、その中で慎重に議論を進めてまいりたいというふうに思っています。
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◆1番議員(末吉利啓) 再質問いたします。
本市には、商工会議所が運営をしているまち歩きミュージアムというものがあります。こちらは、民間の力で本市の文化財の展示施設を補っていただいているすばらしい例だと考えられます。しかし、これらは本来自治体がみずから対応すべき内容であり、それを民間に依存しているというのは、歴史都市宣言をしているまちとして誇れることではありません。そういった意味でも、公共施設のあり方という先ほどの建物の議論の前に、関係団体、庁内で足利の歴史をどうするべきかという議論も必要になると考えますので、前向きに御検討ください。
再質問いたします。文選などの国宝書跡や通称布袋国広といった貴重な文化財は、ふだんどのように保管されているのでしょうか。また、これまで延べ何日ほど公開されてきたのか、お聞かせください。
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◎教育次長(岩原幸市) 足利学校にあります国宝を初め貴重な書物につきましては、足利学校の中で温度、湿度、こういったものを適正な管理をしているところであります。
なお、展示につきましては、過去1度、足利学校特別展ということで展示をした経緯はございますが、国宝指定以来、今回秋に開催する国宝展につきましては、国宝指定以来初めて足利学校で展示をさせていただくものでございます。
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◆1番議員(末吉利啓) 今回国広のアンコール展示は、ファンのニーズを的確に捉えた臨機応変な対応として高く評価できると思います。また、刀剣ブームも相まって、前回の展示では通常の倍に当たる3,200人もの来館者を集めました。さらには、JR東日本が65万部も発行した「トランヴェール」には足利学校の特集が組まれ、国広単体で5ページも割いていただいております。脇差し一振りでこれだけの反響です。本市文化財のポテンシャルを示していると思います。しかしながら、国広を購入したのは平成元年、約27年間収蔵庫で眠っていたことになります。また、足利学校の国宝書跡に至っては、約50年間倉で眠っていたことになります。大切に保管されてきたとはいえ、魅力ある文化財が日の目を見ず、長い間眠り続け、ようやくその力を発揮する糸口が見えてきたわけです。また、これら以外にも足利には多くの文化財が眠っています。これらの効果的な活用が望まれるところです。
デジタルミュージアムについて再質問いたします。デジタルミュージアムを提案するのは、主に3つの理由からです。まず、本市には郷土史に関するさまざまな研究会などが存在し、それぞれが調査研究を行っています。また、著名な歴史研究家の方もたくさんいらっしゃいます。1つ目は、この強力な市民力をバックアップし、市内外の専門家や学者の方々の調査研究をより一層加速させることができるということです。導入により、通常見られない文化財資料をいつでもどこでも閲覧することができます。昨日の答弁で、研究を進めたいとおっしゃっていた世界遺産登録に向けた近世日本の教育遺産群4市連携研究にも大きな力となります。
2つ目は、観光誘客やブランディングの有効なツールになるということです。本市のデジタルミュージアムを市外、国外に発信し、本物を見たいと思った方に来ていただけるきっかけになります。また、他市以上に使いやすく見やすいデジタルミュージアムを制作することで、歴史のまちとしてのブランディングも確立することができます。
3つ目は、文化財損失に対するリスクヘッジです。形あるものはいつかなくなります。実際に本市では、八雲神社の火災の際、市指定文化財の鏡が焼けてなくなりました。最近では、熊本地震で熊本城の石垣ややぐらが崩れ落ちました。これらをデジタル化し、詳細なデータをとっていれば、復元コストや修復期間を大幅に削減することができます。縁起でもない話ではありますが、足利学校の国宝書跡が火事で焼失する可能性をゼロにすることはできません。研究の加速、観光誘客とブランディング、損失に対するリスクヘッジ、これらの3点の理由から、デジタルミュージアムの導入を御提案いたします。改めて御所見をお伺いいたします。
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◎教育次長(岩原幸市) デジタルミュージアムにつきましては、まずは足利にある貴重な文化財をなるべく多くの方に見ていただきたい、こういったことを第一義的に考えてまいりたいと思っております。そういった中で、議員おっしゃったように、専門家の方が研究をする際の貴重なツール、こういったことも事実ですが、実際そのデータを映像の中に組み込むためには、どこまでそのデータを掘り下げて組み込んでいけばいいのか、そういった問題もございますし、またデータを多く組み込めば組み込むほど操作性の問題であるとか、見せ方の問題であるとか、そういった課題も出てまいります。こういったことは、専門家である方の知見をいただきながら、これから検討してまいりたいと思います。いずれにしても、すぐにというわけにいきませんので、少しお時間をいただきながら、調査研究をさせていただきたいと思います。
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◆1番議員(末吉利啓) 再質問いたします。
同システムを導入するに当たって一つの障壁となるのが予算です。デジタルミュージアムを含む地域文化のデジタル化に関しては、文化庁や総務省が推奨し、交付税などのさまざまな財政措置を準備しております。また、少し前になりますが、平成19年の閣議決定で国民が文化財を理解し、親しむため、情報通信技術やさまざまな映像技術などを用いて公開、活用すべきとしています。まさに国を押してデジタル化を目指しているわけです。こうした国や各財団などによる補助金、交付金については調査を行っているのか、お聞かせください。
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◎教育次長(岩原幸市) デジタルミュージアム構築に当たっての補助金の関係ですが、私ども承知しておりますのは、1つは文化庁の助成事業、もう一つは図書館財団という財団の助成事業でございます。文化庁の事業につきましては、基本的には民間団体が作成するものに対しての助成、財団のほうは地方公共団体が作成をして、そこで図書館で閲覧もできるというような条件もございます。それぞれ補助金の額、率等違いますけれども、いずれにしても財源の問題、デジタルミュージアムをつくるに当たって財源の問題がありますので、こういった助成措置を検討しながら進めてまいりたいというふうに思っております。
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◆1番議員(末吉利啓) 言うまでもなく、本市の文化財は市民の宝であり、人類の宝でもあります。足利学校や鑁阿寺を守ってくれた田崎草雲を初め多くの先人が残してくれた文化財が他市を凌駕する本市の強みであることは事実です。それらの活用を国が推奨しているのも事実です。以上のことを鑑み、国・県と連携し、文化財デジタルミュージアム導入に向け、積極的に調査研究を進めていただければと思います。
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◎政策推進部長(相川建司) 先ほど末吉議員の映像のまち構想に関する御質問の再質問に対する私の答弁の中で、「手作り映画で観る足利・両毛」、この上映期日を6月22日と申し上げましたけれども、6月26日でありました。訂正をさせていただきます。
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◆1番議員(末吉利啓) ただいまの政策推進部長の訂正答弁をもちまして、私の全ての質問を終了いたします。