5月25日に発表された「足利市公共施設等総合管理計画」は、足利市が抱える公共施設と橋や道路といったインフラの現状と課題をはっきりと示した内容でした。
今後40年間、今ある施設・インフラを維持するためには年間133億円必要だが、実際充当できるのは43億円しかないという衝撃的な内容です。 


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足利市公共施設等総合管理計画PDF
 
この計画は総務省がH26年に各自治体に通知し、H28年度中の策定を促しています。
全国の自治体は人口増加期に当たる昭和40年代、50年代に多くの公共施設整備をしてきました。公共施設の多くはコンクリート造りで、耐用年数60年、大規模改修が必要になるのは30年と言われています。この時期に一気に建設された公共施設が、一気に更新時期を向かえ、莫大な予算が必要になるというわけです。
それを計画的に平準化し、施設数や延床面積を人口規模に見合った量に適正化する計画を立てることが、地方自治体に求められています。
 
足利市ですと以下のような状況です。
 
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■施設/294施設 670棟
■延床面積/59.8万㎡
(うち学校教育施設32.9%、公営住宅30.4%)
■市民一人当たりの延床面積/3.64㎡
 ※人口10~25万都市の平均2.89㎡(平成23年度総務省調査)
■現在の公共施設維持前提の必要経費(建物+インフラ)/5349億円
■上記40年計画における1年の必要経費/133.7億円
■実際の年間充当可能予算/43.5億円
■年間不足分/90.2億円
 
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見ていただいてお分かりいただけると思いますが、物理的に無理な計画です。一般会計527億円の自治体が、毎年133億円も公共施設の維持に充当できるわけがありません。
 
市民一人当たりの延床面積を見ていただくと、本市は他の同規模自治体に比べ一人当たりの公共施設面積が多いことがわかります。(少し古いデータですが)
それは市民一人あたりが使える公共施設が多いというプラス面もありますが、払わなくてはいけない維持経費が多いことも意味します。
 
公共施設は資産と負債という両面があることを理解する必要があります。
 
つづく...