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令和5年第5回定例会(12月)

令和5年第5回定例会12月12日

1 都市経営について
 ⑴商業地域等への投資
 ⑵公共施設と市有地
2 観光行政について
 ⑴夜景観光
 ⑵観光消費
3 歴史・文化の活用ついて
 ⑴市有文化財


P.60 ◆質問 13番議員(末吉利啓)

◆13番議員(末吉利啓) 発言の機会をいただきましたので、順次質問してまいります。
  都市経営についてのうち、商業地域等への投資についてお伺いいたします。全国的に人口減少が進む昨今、地方公共団体も一般の企業同様、歳出を減らし、歳入を増やすという当たり前の経営能力が求められております。特に本市の人口・税収減少は深刻であり、他市に先立って、前例にとらわれない、様々な手段を講じていく経営力を備える必要があります。
  御承知のとおり、都市経営において産業団地開発は大変有効です。製造業等の投資を呼び込むことによって経済を活性化させ、雇用を生み、移住定住につながる最も有力な手段と言えます。
  一方で、まちの顔をつくり出す商業地域等において、企業誘致や開発を促進することで、雇用やにぎわいを生み出すことも重要な手段であります。
  そこで、本市の商業地域等への投資や開発状況をどのように分析しているのか、お伺いいたします。また、より多くの企業による店舗や事業所の開設を促進するために、どのような取組を考えているのか、現段階での方針や具体的な事業についてお伺いいたします。


P.60 ◎答弁 市長(早川尚秀)

◎市長(早川尚秀) 13番、末吉利啓議員の御質問にお答えいたします。
  近年、急速に進行する人口減少や少子高齢化に伴い、行政需要が増大する状況で、本市への新たな投資を呼び込み、地域経済の活性化と財政基盤の強化を図ることは、都市経営における各種課題解決のために最も優先順位が高いものと考えております。
  私は、そのために製造業をはじめ、成長産業や次世代産業等の誘致をより積極的に進めていかなければならないと認識をしており、令和5年10月18日に栃木県知事に久保田町地内約23ヘクタールにおける新産業団地開発の要望をしたところであります。
  同年11月29日には、産業団地開発のための基礎調査地区とする決定をいただき、今後、栃木県企業局において開発のための調査を行うこととなりました。
  また、まちの顔となる商業地域等において新たな商業施設の立地を促進することについては、地域経済の活性化に加え、にぎわいの創出が促進され、魅力的なまちづくりを進める上で重要であると考えます。
  本市における商業施設の立地につきましては、大規模小売店舗立地法における届出件数等から、令和5年4月1日現在で35店舗が立地しており、その周辺には様々な商店が集積し、日常的な買物等でにぎわっております。
  一方で、中心市街地をはじめ、市内各所にある商店街などを見渡しますと、いまだ空き店舗が多いのも事実です。現在、本市では、足利商工会議所や金融機関等と連携し、創業を予定している方々に対し、様々な面からサポートする体制を取っておりますが、近年、飲食サービス業での独立や新規開業に関する相談は増加していることから、中心市街地をはじめとした商業地域への出店ニーズはあるものと認識しております。
  特に史跡足利学校、鑁阿寺を核とした文化財を活用した観光のまちづくりを進めていく上でも、魅力ある商店の出店を促すことが必要であると考えます。商業地域の魅力向上は重要であり、今後も引き続き空き店舗の利活用を促していくとともに、足利商工会議所や金融機関等と連携し、市内に立地を希望する事業者の支援に取り組んでまいります。


P.61 ◆質問 13番議員(末吉利啓)

◆13番議員(末吉利啓) 出店ニーズがあるというのは大変重要なことだと思っております。その上で先ほどの答弁では、大規模小売店舗立地法の届出件数35件という数字が示されておりました。
  そこで、再質問いたします。本市商業地域における新規出店と退店の差や、廃業と開業の差、新たな投資の状況など、何か定点的に観測できるようなデータはほかにあるのでしょうか。ないのであれば、適切な目標も定められませんし、市が行う施策の効果も確かめようがありません。だからこそ、ある程度現状の把握は必要と考えます。調査には一定の事業費も必要です。本市全体ではなく、例えば足利市立地適正化計画に定める都市機能誘導区域等に限定しても結構かと思いますが、御所見をお伺いいたします。


P.61 ◎答弁 産業観光部長(山岡真二)

◎産業観光部長(山岡真二) 再質問にお答えいたします。
  現在、商業地域に限定したデータはなく、国の統計による市内の事業者数や足利商工会議所、金融機関、その他の創業支援機関で支援した創業者数、また中心市街地に限ったものになりますが、空き店舗数については把握をしております。
  今後、これらのデータを魅力ある商店の出店に役立てるとともに、今後のまちづくりを考える上で、議員御指摘の基礎的なデータというのは大変重要だと考えておりますので、その収集についても関係機関と連携して検討してまいりたいと考えております。


P.61 ◆質問 13番議員(末吉利啓)

◆13番議員(末吉利啓) せめて先ほど答弁にありました空き店舗数は毎年定期的にしっかりと把握をしていただいて、それが増えたのか、減ったのか、そういったことを確認していただきたいのと同時に、空き店舗への補助金があると思うのですけれども、支援をした店舗が、その後どうなっているのか、こういった追いかけもしっかりとしていただきたいと思います。
  再質問いたします。本市の中心市街地では、中央土地区画整理事業や中橋架け替え事業など、一大プロジェクトが着々と進んでおります。新たに生まれる区画整理のメイン通り、中橋高架下のスペースや旧中橋の余剰スペースなど、中心市街地に多くの投資を呼び込み、魅力的なコンテンツをそろえた商業地域へと再生させる最大のチャンスだと捉えております。
  そのためには民間と連携し、そうした投資を呼び込む実践的な戦略を練り上げる必要があると考えます。箱や土地だけ用意しても、顧客に選ばれる魅力的なコンテンツが入らなければ、結果にはつながりません。重要な局面にある中心市街地への投資を今後どのように進めていくのか、お伺いいたします。


P.62 ◎答弁 総合政策部長(平山忍)

◎総合政策部長(平山忍) 再質問にお答えいたします。
  議員御指摘のとおり、特に中橋の架け替えにつきましては、現在、国、県、市の3者で連携しながら進めておりますけれども、まちなかの在り方を改めて見直すチャンスと考えております。
  また、中央土地区画整理事業でございますけれども、土地の有効利用を促進するとともに、安全安心で快適に暮らすことができ、活力ある経済活動の基盤となる市街地への再生、再構築を目的としております。企業から多くの投資を呼び込むためには受け入れる土地や建物等が必要でありますので、この区画整理も一つの手法と捉えております。
  現在、中央地区に位置するいぶきビル跡地につきましても、公有地等の利用可能調査を行っておりますが、今後もこうした調査などを行いながら、民間と連携し、投資を呼び込む手法について十分検討してまいりたいと思います。


P.62 ◆質問 13番議員(末吉利啓)

◆13番議員(末吉利啓) 今、いぶきビルのお話が出ましたが、そういった点だけではなくて、中心市街地という面で俯瞰した調査をぜひお願いしたいと思います。
  再質問いたします。投資を促す上で、そのきっかけとなり得るものに大型公共施設の整備があります。施設が造られることで、施設周辺に利用者向けのサービスが進出したり、分譲住宅が建てられたりと、まちづくりの流れが変わります。
  令和4年11月に視察した、新潟県長岡市の市役所とアリーナの複合施設「アオーレ長岡」では、整備により周辺の店舗数が増加し、空き店舗も5年で36.5%減少する成果を上げています。
  本市では、市民会館、市役所、図書館、要望の声が大きくなっている博物館など、地域の価値を変え得る大型施設の整備が多数控えております。
  こうした施設の候補地を選定する上で、投資やエリアの価値向上の可能性をしっかりとしたデータで裏打ちすることは重要だと考えます。大型公共施設整備候補地選定に当たる判断基準としてどのようにお考えか、お伺いいたします。


P.62 ◎答弁 総合政策部長(平山忍)

◎総合政策部長(平山忍) 再質問にお答えいたします。
  今後、公共施設の整備を進めていくためには、民間事業者の資金でありますとか、ノウハウを十分活用していくことが重要な視点だと考えております。
  そういった中で、余剰敷地が見出せるような場合には民間事業者に活用していただくということも同時に検討していく必要があろうかと思っております。また、市民会館や市役所庁舎など、これから整備を進める大型公共施設に関しましては、多くの市民が来場することも見込まれますので、その施設に限らず、周辺エリアへの波及効果なども期待できるところでございます。
  候補地検討の際には、例えばサウンディング調査を実施するなど、施設整備だけではなくて、周辺エリアの活性化を含め、民間事業者のノウハウを最大限活用できるような検討を進めていく必要があると考えております。


P.62 ◆質問 13番議員(末吉利啓)

◆13番議員(末吉利啓) 余剰地につきまして、民間事業者の活用の必要性を確認いただいたということが、非常に重要なポイントかと思っております。
  また、サウンディング調査の際には、できる限り民間事業者が参加しやすいしつらえづくりと、積極的な声かけや営業もしていただければと思います。
  それでは、次の質問に移ります。都市経営についてのうち、公共施設と市有地について伺います。都市経営において公共施設マネジメントは重要な課題であります。本市では第8次足利市総合計画前期基本計画の分野別計画に公共施設マネジメントとして明確に位置づけ、様々な取組を行ってまいりました。
  中でもあまり利用されていない、もしくは未利用、また今後、未利用になることが見込まれる公共施設や市有地、以後、公有財産と言いますが、こちらについては、公民連携による公有財産の有効活用の推進として、四つの具体的な事業が計画に示されております。
  これら公有財産を活用することで、使用料等新たな財源を生むことは、厳しい財政の本市にとって重要な方策です。公有財産の活用について、市長の考えを伺います。


P.63 ◎答弁 市長(早川尚秀)

◎市長(早川尚秀) ただいまの御質問にお答えいたします。
  現在、我が国では厳しい財政状況が続く中、人口減少や少子化による課題に加え、高度経済成長期に整備された公共施設やインフラの老朽化対策が大きな課題となっております。
  本市におきましても、昭和40年代後半から昭和50年代にかけて多くの公共施設やインフラが整備され、今後、多額の更新費用の確保が必要なことから、限られた財源の中で、計画的かつ効率的な公共施設等のマネジメントの推進が必要となってまいります。
  このような中、本市では第8次足利市総合計画前期基本計画の分野別計画に公共施設マネジメントを位置づけるとともに、現在策定中の足利市公共施設等総合管理計画(改訂案)におきましても公共施設の利用促進や統廃合に加えて、新たに廃止後の活用に関する基本的な考え方についても盛り込み、さらなる未利用財産の活用を図ることとしております。
  この改訂案では、供用を廃止した施設等について、公共性が高く、市が今後も所有すべきと判断されるものは市の施設として利用するほか、必要に応じて民間へ貸付けを行うなど、その活用についても、併せて検討することとしております。
  また、市が活用する予定のない財産等について、市が政策的に実施する事業など、真にやむを得ない場合を除き、売却等を基本とし、民間活力による積極的な活用を検討することとしています。
  このような考え方の下、引き続き計画的かつ効率的な公共施設等の長寿命化を進め、真に必要で利便性の高い公共施設等を将来世代に引き継いでいくとともに、未利用財産については、民間事業者のニーズを的確にとらえ、そのノウハウを取り入れながら、公共施設の売却や貸付けを進めるなど、まちのにぎわいの創出や新たな財源の確保につながる有効な活用方法を検討してまいります。


P.63 ◆質問 13番議員(末吉利啓)

◆13番議員(末吉利啓) 積極的な姿勢を示していただきまして、ありがとうございます。
  再質問いたします。まずは、現状を確認したいと思います。現在、本市が公有財産を貸し付けし、使用料として歳入を得ているもので、主立ったものには何があるのか、また、年間使用料も併せてお伺いいたします。


P.63 ◎答弁 行政経営部長(松島繁)

◎行政経営部長(松島繁) ただいまの再質問にお答えいたします。
  現在、貸し付けている土地につきましては46件ございます。民間のほか、栃木県に県営住宅として200万円余など、公共団体などにも有償で貸し付けてございます。
  公共施設の使用料に係る歳入としますと、例えば薬局施設区画使用料1億円余などがございます。また、このほか、公共施設の空きスペースを有効活用する方策として、市有施設に自動販売機の設置のほか、市役所本庁舎の壁面ポスターや動画モニターの広告などを掲載し、財源の確保に努めているところでございます。


P.64 ◆質問 13番議員(末吉利啓)

◆13番議員(末吉利啓) 答弁にありました、調剤薬局の年間使用料約1億円というのは、特異な例かもしれませんが、いずれにしましても土地や建物を貸すことで得られる収入は、侮ることができないボリュームがあると考えられます。
  そこで、再質問いたします。公有財産について、民間に貸し付けし、新たな歳入を得ていくためには、企業が使いたいか否かといった市場ニーズを把握する必要があります。その準備として、不動産活用にたけた企業へのヒアリング等の調査を行ってみてはいかがでしょうか。
  将来を見越し、今後、統廃合等により未利用になる可能性のあるところもございます。大変センシティブなところでもありますが、そういった調査についての御所見をお伺いいたします。


P.64 ◎答弁 総合政策部長(平山忍)

◎総合政策部長(平山忍) 再質問にお答えいたします。
  公有財産、特に市有地に関しましては、売却可能な売り出し中の土地に加え、売却が困難な土地に関しましても、市のホームページ等を通じまして、広く情報提供することにより、民間のニーズ把握のための基礎資料みたいな形で情報提供ができればということも検討していきたいと思っております。
  御指摘の関係事業者等へのヒアリングでございますけれども、関係機関との調整なども必要でありますので、どのような調査が可能か、この辺は十分検討してまいりたいと思います。
  また、公共施設の空きスペース等の部分でございますけれども、借受けの希望や利用ニーズをしっかりと探りながら、利活用を検討してまいりたいと思っておりますが、特に既に設置されている施設の行政目的、設置の目的の検討なども踏まえまして、いろいろ確認してまいりたいと思います。
  いずれにいたしましても、どのようなニーズがあるのかにつきましては、その時々の情勢にも影響を受けることもございますので、適切な時期にサウンディング型の市場調査などを行いまして、民間のニーズを適切に把握してまいりたいと思っております。


P.64 ◆質問 13番議員(末吉利啓)

◆13番議員(末吉利啓) まずは、公有財産のポテンシャルがどれぐらいあるのかを把握することは大切なことだと思いますので、先手の打てるところから御検討いただきたいと思います。
  再質問いたします。今回の一般質問には、全体を通して共通した問題提起がございます。それは横串を刺した公有財産利活用推進体制の構築です。これまで当時の財産活用課が旗頭となり、公共施設等総合管理計画を策定し、それを基に各課が再編計画や個別施設計画を協議して進めてまいりました。
  今回の足利市公共施設等総合管理計画の改訂で、保有する財産について、1、利活用による新たな財源確保や財政負担の低減、2、民間活力等の利活用によるまちの活性化の2点が新たに盛り込まれております。しかしながら、利活用の部分では、まだまだ大きな動きが見えておりません。
  今回の質問を通して、そこには組織的な課題があると痛感をいたしました。現状の仕事で手いっぱいの所管課は、新たな視点で今までやったことのない活用という取組を一から組み上げることができていないのではないでしょうか。
  今回の質問に当たり、文化課、観光まちづくり課、市街地整備課、公共施設マネジメント課、商業にぎわい課の皆さんと意見交換をしてまいりました。市が活用の方針を計画に示しているにもかかわらず、各課がそれぞれの事情を述べられ、取り組めていない。熱量や取組の具合もばらつきがあり、足並みがそろわない。これではいつになっても利活用が進まないという危機感を抱きました。
  一つの施設をとっても関連する所管課が複数にまたがっていたり、ノウハウを持っている課と持たない課があったりと組織横断的に協議していかなければいけないケースのほうが多いと感じております。その打開策として、例えば公共施設マネジメント課内に財産活用担当のような役職を置いて、司令塔として全体の情報を把握していただく方法、あるいは各部に財産活用を総括する担当者を置く方法なども考えられます。
  いずれにしましても、火つけ役として、接着剤役として、時には嫌われ役も買って出なければいけない、腰を据えた専属の職員が必要と感じております。組織全体の話でありますので、副市長の御意見を伺います。


P.65 ◎答弁 副市長(塚原達哉)

◎副市長(塚原達哉) 再質問にお答えいたします。
  公共施設マネジメントに関しまして第8次足利市総合計画の都市経営の分野に掲げておりますが、その基本方針といたしまして、民間事業者のノウハウを積極的に取り入れ、サービスの向上や管理運営の効率化を図ること、あるいは低未利用地等の有効活用による新たなにぎわいの創出など、公民連携の取組を掲げております。
  現在、総合政策部を中心に、関係する部や課が緊密に連携してサウンディング型市場調査などの手法を取り入れながら、具体的には市民活動センターの処分や春日市営住宅跡地の宅地分譲など、未利用財産の利用を積極的に進めているところでございます。
  先ほど市長から答弁いたしましたとおり、今回の足利市公共施設等総合管理計画の改訂では、新たに未利用財産の活用、処分に関する基本方針を盛り込んでおります。こうした方針の具現化に当たりましては、これまで以上に公共施設マネジメントの中核を担う組織体制の強化が必要と認識しておりますので、令和6年度の組織改正に向けて検討してまいりたいと考えております。そして、庁内でも組織横断的な取組をより一層進めていけるよう努力してまいりたいと考えております。


P.65 ◆質問 13番議員(末吉利啓)

◆13番議員(末吉利啓) ぜひ強力な組織体制をつくっていただければと思います。
  この後の質問にも具体的な施設や市有地の話が出てまいります。今回の大きな問題提起である、横串を刺した公有財産利活用推進体制の構築という視点で見ていただけると、課題の本質が見えるかと思います。ぜひ所管の現状を改めて見直していただき、推進体制の構築を目指していただくことを改めてお願いしまして、次の質問に移ります。
  観光行政についてのうち、夜景観光についてお伺いいたします。昨日、自民プラスの代表質問で栗原会長から、本市の重要施策である、観光によるまちづくりについて質問がありましたが、私からは、いかにその経済効果を大きくしていくかという視点で質問をさせていただきます。
  本市観光の大きな課題である、観光客の日帰り率の高さについては、これまで市議会定例会一般質問の中で議論をさせていただきました。栃木県観光客入込数・宿泊数推定調査によりますと、令和4年の本市観光客が約419万人に対し、宿泊客は4万4,871人で宿泊率は1.1%であり、県北の那須塩原市9.4%、日光市28.5%と大きく乖離をしております。一般的に日帰りと宿泊では、観光消費額が大きく違うため、宿泊率を向上させ、経済効果を高めることが求められております。
  その課題を打開すべく、早川市長は観光客の滞在時間を延ばす夜景観光を推進されてまいりました。具体策として、夜景サミット2023in足利を誘致し、毎年恒例となりつつある足利灯り物語を開催されてきました。
  そこで、今回の夜景サミット2023in足利並びに足利灯り物語2023の手応えと市長の所見をお伺いいたします。また、本市の夜景観光を推進するためには、どのような課題があると捉えているのか、併せてお伺いいたします。


P.65 ◎答弁 市長(早川尚秀)

◎市長(早川尚秀) ただいまの御質問にお答えいたします。
  初めに、夜景サミット2023in足利の手応えについてでありますが、足利市観光協会や足利商工会議所、市などで足利灯りのある街づくり実行委員会を組織し、連携して取り組んできたことにより、全国から夜景観光に携わる自治体、事業者の方など約500名をお迎えして開催することができました。
  参加された方々からは、大変内容が充実していたとの評価をいただいており、本市の夜景観光を各方面に発信できたと思います。また、参加いただいた各地の方々との人脈、ネットワークを築いていくきっかけになったことも大変意義深いと考えており、例えば藤沢市観光協会の事務局長が足利市の出身だったということもありまして、今後、よりよい協力関係を各地と築いていきたいと考えております。
  さらに、史跡足利学校のライトアップが日本夜景遺産に認定されるとともに、灯りのイベントである足利灯り物語が、関東三大夜灯等の新ブランドに認定されるなど、これまでの本市の取組が評価されたと同時に、文化財を活用した灯りのあるまちのイメージ向上につながったと考えております。
  次に、足利灯り物語2023は、足利ならではの歴史的遺産や周辺の町並みを銘仙行灯や花手水、竹灯りなどの優しい灯りで演出したほか、夜景サミット開催記念特別イベントとして、鑁阿寺本堂を足利銘仙で包み込む鑁阿寺ラッピングや足利産そばの提供、アートとのコラボイベントを実施するなど、市民の自主的な活動とも連携し、延べ約6万8,000名の方に御来場いただき、これまでにないにぎわいを生み出しました。
  来場された皆様には、日中とは異なる幻想的な空間と、周辺店舗と連携を図ったライトアップ商品券により、まちなかの散策も楽しんでいただけたと思います。
  一方、課題といたしましては、来場者の満足度をさらに高めるために灯りの演出内容や新たな地域資源を活用した夜景空間の創出の検討をはじめ、来場者の回遊性をより向上させ、飲食や宿泊などの消費行動にしっかりとつなげていく仕掛けづくりなどの必要性を強く感じております。
  今後も足利市観光協会をはじめとする民間事業者や足利商工会議所等の地域関係団体、商業者等と連携し、観光と地域経済の好循環を生み出していけるようなまちづくりに取り組んでまいります。


P.66 ◆質問 13番議員(末吉利啓)

◆13番議員(末吉利啓) 再質問いたします。
  私自身、何度も足利灯り物語の会場を訪れ、様子を拝見いたしました。来場者数や協力店の盛り上がりなどを見ても、今までで一番の成功と言えると感じております。
  一方、こちらはイベント型の夜景資源であるがゆえに、毎日膨大な銘仙行灯を設置し、終了後に撤収するという作業が必要となり、リソース部分での課題があると感じております。足利灯り物語を持続可能なイベントとするためには、どのような対策が必要とお考えでしょうか、お伺いいたします。


P.66 ◎答弁 産業観光部長(山岡真二)

◎産業観光部長(山岡真二) 再質問にお答えいたします。
  持続可能なイベントにするためには、やはり行政と地域がしっかりとそれぞれの役割を担って地域に根づかせることが重要だと考えております。
  今回、石畳通りでは、一部あんどんの設置を地域の方にお手伝いをいただいたほか、休憩所を設置していただくなど、少しずつおもてなしの体制も整いつつあると感じております。
  引き続き、あんどんの設置や受入れ態勢の充実など地域関係者、商業者等と話し合ってまいりたいと考えております。


P.66 ◆質問 13番議員(末吉利啓)

◆13番議員(末吉利啓) ぜひ恩恵を受ける地域とともにつくり上げるイベントに育ていただけたらと思います。
  再質問いたします。最近では、民間で夜景資源を創出している事例が増えております。特定非営利活動法人あがた農楽園の皆様による県駅周辺のイルミネーション、トチセンの赤レンガ工場のライトアップ、足利大学本城キャンパスのイルミネーションなどが足利の夜を美しく演出しております。
  こういった民間の夜景資源をつなぎ合わせて周知したり、新たな夜景資源の創出を誘発させたりすることも夜景観光推進に有効と考えます。例えば日光を走るSL大樹の沿線で行っている、いっしょにイルミネーション事業や季節ごとの花を咲かせようプロジェクトなどは、地域で観光客をおもてなしする心や主体性を醸成するすばらしい事業として評価をされております。民間との連携について所見をお伺いいたします。


P.67 ◎答弁 産業観光部長(山岡真二)

◎産業観光部長(山岡真二) 再質問にお答えいたします。
  今回夜景サミットの開催で、文化財を活用した灯りのあるまちのイメージ向上が図れたと考えておりますので、まずはこれを市内外にしっかりと定着させることで新たな夜景観光資源の創出につながると考えております。
  また、新たな夜景空間の創出は、これもまた課題の一つと認識しておりますが、民間事業所が行うライトアップは、本市ならではの地域資源を活用した夜景もあることなどから、有識者等の意見も参考にしながら経済効果等も踏まえて考えてまいります。


P.67 ◆質問 13番議員(末吉利啓)

◆13番議員(末吉利啓) 夜景資源の創出を促したり、あるいはマップや観光情報に掲載するだけであれば、低コストであり、費用対効果も悪くないと考えますので、前向きに御検討ください。
  再質問いたします。全国的に夜景が有名な神戸や函館、北九州には、共通して海と接する水辺があります。水辺があることで、のっぺりとした内陸の平地と違い、灯りの縁取りが生まれ、魅力的な景観をつくり上げます。
  幸い足利には、まちの中心を渡良瀬川が流れているため、この水辺を灯りで縁取ったり、渡良瀬橋や中橋を光で演出したりすることで、足利の夜景はさらに魅力を増していくはずです。
  昨今、橋梁のライトアップは、まちづくりのトレンドとなりつつあり、水都大阪や東京都の隅田川では、次々に魅力的な夜景資源が生まれております。
  本市のような地方都市では、今のところ本格的な水辺の夜景資源は多くないため、注目される可能性も高いはずです。水辺の夜景資源の創出について御所見をお伺いいたします。


P.67 ◎答弁 産業観光部長(山岡真二)

◎産業観光部長(山岡真二) 再質問にお答えいたします。
  市内を流れる渡良瀬川に架かる橋を本市ならではの地域資源で、それぞれが水辺の景観を創出しておりまして、そこにライトアップの要素を加えることは、新たな夜景空間の創出につながる可能性を秘めていると考えております。
  特に架け替えを予定されております中橋は、本市を象徴するものでございますので、橋梁のライトアップにつきましては、関係機関の御意見も伺いながら研究してまいりたいと考えております。


P.67 ◆質問 13番議員(末吉利啓)

◆13番議員(末吉利啓) 渡良瀬橋等のライトアップは、今回で3度目の提言となります。中橋は架け替えのタイミングでもあります。水辺も合わせ、ぜひ前向きな御検討を御期待申し上げます。
  また、財源については、浄財を募ることも有効と考えております。一緒に足利を夜景日本一にしようといった呼びかけをして、クラウドファンディングを行ったり、あるいは足利灯り物語の入場料に課金したりするような方法なども考えられますので、併せて御検討いただければと思います。
  再質問いたします。本市の夜景観光を考える上で、個人的に高いポテンシャルを感じている施設が、織姫公園レストラン棟です。織姫山山頂に建設され、2階、3階からは眺望を遮蔽する樹木がないため、最高の夜景を眺めることができます。しかしながら、入居しているのは、1階の1店舗のみ、2階、3階はホールや和室がありますが、令和3年の利用者は年間1,451人と多くありません。
  しかも、今ある施設を取り壊した場合、容易にその場所に同様の施設を造れない建てつけになっております。だからこそ、今ある施設の可能性を様々な方法で調査・検討し、最大限活用していくべきではないでしょうか。
  足利市公共施設再編計画では、老朽化のため、中期で廃止となっておりますが、夜景観光に活用し、経済効果を生み出す施設にすれば、おのずと維持管理費も生まれてまいります。御所見をお伺いいたします。


P.68 ◎答弁 都市建設部長(新井正章)

◎都市建設部長(新井正章) ただいまの再質問にお答えいたします。
  織姫公園のレストラン棟は建設から50年が経過しており、新たな利活用には改修などの費用が必要な施設でありますが、御指摘のとおり足利市公共施設再編計画では中期に廃止となっております。
  現在では、1階で店舗が営業しておりますが、営業日を減らしている状況であり、2階でもヨガ教室などとして利用されておりますが、利用は少ない状況であります。
  その要因としては、車での利便性が悪いこと、また新たに飲食店の店舗として利用するには施設整備に多大な費用がかかることなどが考えられます。
  議員御質問の夜景観光振興などに向けた利用につきましては、文化財を活用した灯りのあるまちを市内外にしっかりと定着させた上で、経済効果も踏まえ、関係課と協議をしながら検討をしていきたいと思っております。


P.68 ◆質問 13番議員(末吉利啓)

◆13番議員(末吉利啓) まずは、修理にどれぐらいかかるのかとか、あるいはサウンディング等を行っていただいて、民間の声を聞くとか、現状をしっかりと調査していただいて、できることはあると思いますので、そういったことも検討いただきたいと思います。
  再質問いたします。冒頭の課題に関する答弁に夜景を宿泊などの消費行動に結びつける仕掛けが必要とありました。令和4年の月ごとの市内宿泊者暫定値を見ますと、繁忙期の5月、10月は4,000人を超えておりますが、1月、2月は2,000人台と半減いたします。
  この閑散期に、いかに夜景観光で集客して、宿泊につなげるかを、関係者や有識者の知恵をお借りして、さらに調査研究する必要があると考えております。あわせて、夜景観光からどの程度宿泊に流れているのかを把握することも必要と考えますが、所見を伺います。


P.68 ◎答弁 産業観光部長(山岡真二)

◎産業観光部長(山岡真二) ただいまの再質問にお答えいたします。
  夜景観光を宿泊につなげるためには、議員御指摘のとおり、まずは現状を把握することが肝要と思っておりますので、例えば足利灯り物語の来場者にアンケートを取るなど、足利市観光協会や宿泊施設と連携して現状を把握し、有識者からの御助言をいただきながら取り組んでまいりたいと考えております。


P.68 ◆質問 13番議員(末吉利啓)

◆13番議員(末吉利啓) ほかにも宿泊施設で使えるクーポンをチケットにつけることでもある程度把握ができると考えます。強力な夜景資源である、あしかがフラワーパークや足利市観光協会とも連携をして、現状の把握に努めていただきたいと思います。また、宿泊につなげるための、あと一歩の仕掛けについても、併せて調査研究をお願いいたします。
  次の質問に移ります。観光行政についてのうち、観光消費について伺います。行政の施策を評価するため、重要業績評価指標、いわゆるKPIが総合計画等にあります。観光行政において、年間観光入り込み数、年間観光客宿泊数などが掲載されています。しかし、人数も重要でありますが、それ以上に、まちへの経済効果を示す観光消費額は、本市がさらに注視しなければいけない重要な指標であると考えます。
  特に先ほどの夜景観光の目標の一つである宿泊率の向上は、消費額を大きく左右します。本市の観光消費額についてどのように分析しているのか、お伺いいたします。


P.69 ◎答弁 産業観光部長(山岡真二)

◎産業観光部長(山岡真二) ただいまの御質問にお答えします。
  本市の観光消費額につきましては、栃木県観光動態調査によりますと、県南地区の令和4年度の日帰り客の1人当たりの消費額は6,900円と県全体を上回り、このうち飲食費が2,300円で全体の35%、お土産代が2,000円で30%となっております。
  宿泊客の1人当たりの消費額は2万8,000円と県全体を下回り、このうち宿泊費が1万2,000円で全体の45%、飲食費が5,600円で20%、土産代が3,700円で14%になっております。
  調査結果からは、日帰り客と宿泊客の消費の傾向が分かり、滞在時間の延伸を図り、飲食や宿泊につなげることが、市内経済の活性化に大きく寄与するものと認識しております。
  また、令和4年度から足利市観光協会が主に日帰り客を対象に旅行消費額や交通手段、滞在日数などのアンケートを行い、その中で1人当たりの旅行消費額を7,700円と算出しており、県の調査結果と併せて活用し、政策に反映していきたいと考えております。
  国内旅行やインバウンド需要も順調に回復しておりますので、イベント等がない時期であっても市内宿泊者数を伸ばせるようなプロモーション及び観光消費額の分析などについて、足利市観光協会とも連携し、さらなる観光誘客に努め、消費額を伸ばしてまいります。


P.69 ◆質問 13番議員(末吉利啓)

◆13番議員(末吉利啓) 令和5年第1回市議会定例会の一般質問で答弁のありました、足利市観光協会とのアンケートについて、実現していただいたことは、まずもって評価できるものと思います。その中で、足利の日帰り観光客の1人当たりの消費額が7,700円であるという事実から、まずはスタートが切れると考えます。
  再質問いたします。第8次足利市総合計画の令和4年実施状況を見ますと、年間観光客宿泊数は令和4年の実績値が4万4,871人に対し、令和7年の目標値を4万8,000人と定めています。本市の宿泊供給力は、各ホテルからの収容人数からの推定値で、年間51万5,000人あるとされています。
  しかし、目標の4万8,000人は、その10%にも満たない数値です。また、年間の観光客数に対する宿泊率でも令和4年で1.1%、先ほど比較をした那須塩原市、日光市には遠く及びません。ざっくり言いますと、500万人来るのに5万人しか宿泊しないというこの数字に強い課題意識を持つべきと考えております。
  こうしたことを見ましても、観光宿泊数のKPI目標値が低過ぎるように感じております。本市観光の大きな課題を解決するという意気込みや方針を明確にするため、目標設定の見直しが必要と考えますが、所見をお伺いいたします。


P.69 ◎答弁 産業観光部長(山岡真二)

◎産業観光部長(山岡真二) 再質問にお答えいたします。
  観光客宿泊数を伸ばすためには、まず観光客数を伸ばすことにも同時に取り組まなければならないと考えております。効果的なプロモーションを足利市観光協会と連携し、また目標の見直しにつきましては、年間観光客入り込み数及び観光宿泊数を参考にしながら研究してまいりたいと考えております。


P.69 ◆質問 13番議員(末吉利啓)

◆13番議員(末吉利啓) ぜひ観光産業を本市の土台に成長させるための、市長をはじめ当局の皆さんの御英断を御期待申し上げます。
  再質問いたします。消費額を増加させる方法は、宿泊数の増加以外にもあるはずです。例えばお酒を楽しめるイベントの開催や、夜間の見どころある観光スポットの創出等、ナイトタイムエコノミーの推進、高付加価値の物産開発など、様々な方法が考えられます。市や観光協会では、今後どのような取組をしていくのか、考えをお伺いいたします。


P.70 ◎答弁 産業観光部長(山岡真二)

◎産業観光部長(山岡真二) ただいまの再質問にお答えいたします。
  消費額の増加につきましては、議員御指摘のとおりナイトタイムエコノミーの推進は有益であると考えております。
  今回の足利灯り物語2023でも多くの方がライトアップ商品券を御利用していただいたと聞いておりますので、参加店舗を増やしたり、既に民間で自主的に開催されている各種イベントと連携するほか、繊維製品や特産品の利活用も含め、足利商工会議所や事業者等の御意見もいただきながら検討してまいりたいと考えております。


P.70 ◆質問 13番議員(末吉利啓)

◆13番議員(末吉利啓) ライトアップ商品券は、非常に効果が高かったものと感じております。ほかにもお酒や夜のスポット、あるいは早朝のハイキング等、こういったコンテンツというのは宿泊に直結しますので、引き続きの御検討、調査等をお願いいたします。
  再質問いたします。冒頭の答弁にありましたが、令和4年から足利市観光協会で始めた観光消費額に関するアンケート調査は大変有効であると考えております。できればデータを取るだけでなく、それに基づいて、こちらも目標を定めていただいて、そこに向かって必要な施策を展開していくべきかと考えますが、目標設定の必要について所見を伺います。また、今回の調査から本市観光客のどのような傾向が読み取れるのか、併せてお伺いいたします。


P.70 ◎答弁 産業観光部長(山岡真二)

◎産業観光部長(山岡真二) 再質問にお答えいたします。
  本市を訪れる観光客は50代から60代が多くを占めており、来訪のきっかけは、前回来てよかったからという理由が多く、滞在日数を見ると、日帰りが半数となっていることから、足利を気軽に行けるまちや、安定した観光資源のあるまちのような印象を持たれているのではないかと、今回アンケートを取って、改めてそういった傾向が確認できたことになります。
  目標設定につきましては、データ収集が令和4年度からということもございますので、今後、各年の来訪者の方の傾向を参考にしながら研究してまいりたいと考えております。


P.70 ◆質問 13番議員(末吉利啓)

◆13番議員(末吉利啓) アンケートも始まったばかりですので、この辺りはぜひ二、三年のうちに、御検討いただければと思います。
  再質問いたします。これまでの観光行政は、おもてなしや市民サービスを重視し、格安や無料で呼び込む考えが浸透していたように感じております。しかし、人口減少社会において、持続可能な観光都市を目指すためには、観光客の方にも相応の御負担をお願いしていく必要があります。
  例えば観光シーズンになると、毎日のように満車状態となるさいこうふれあいセンターの駐車場は、現在無料で開放しています。今後の維持管理や施設整備の財源を生むためにも観光客の方からは駐車料金をいただけるような仕組みを検討してみてはいかがでしょうか。
  今回の提出議案にある、足利学校参観料見直しもそうですが、それ以外にも様々なサービスについて、有償化や価格の見直しも検討してよいのではないかと考えております。
  その対価として高いサービスを提供したり、施設の維持管理を充実させたりすることで、結果的に観光客の満足度向上につなげられるはずです。併せて所見を伺います。


P.71 ◎答弁 産業観光部長(山岡真二)

◎産業観光部長(山岡真二) 再質問にお答えいたします。
  議員御指摘のとおり、観光シーズンになりますと、観光客に供する駐車場でない施設も満車になる現状は把握しておりますが、観光客とその施設の利用者の区別などの課題や施設設置目的の整理も必要となりますので、費用対効果も検証しながら財源確保の仕組みづくりを研究してまいりたいと考えております。


P.71 ◆質問 13番議員(末吉利啓)

◆13番議員(末吉利啓) 施設利用者に対しては、例えばスタンプを押すとか、無料券を渡すなど、幾らでも導入事例はございます。まずは駐車場のシステムを提供している事業者に見積りを取るところから始めていただきたいと思います。
  今回の質問は、いかに観光の経済効果を大きくしていくかをテーマに展開してまいりました。経済効果が大きくなれば、企業の売上げや賃金も上がり、雇用も生まれ、税収も上がります。それだけでなく、観光には、そのまちを彩る化粧や着物のような役割があると考えます。それが結果として足利の魅力を高め、多くの方をこのまちに引き寄せることにつながります。今日提言してきた夜景観光資源の磨き上げで、さらに魅力的な足利に生まれ変わることを期待し、次の質問に移ります。
  歴史・文化の活用について、市有文化財について伺います。本市の歴史資源のポテンシャルの高さと、それが活用されていない現状について、これまで何度も議論をさせていただきました。
  今回は、将来に貴重な歴史・文化資源を残すため、それらの活用で新たな歳入を得るという視点から質問をさせていただきます。
  令和4年第3回市議会定例会の一般質問において、本市所有の白石山房、物外軒、旧木村輸出織物工場並びに旧木村浅七邸について質問をさせていただきました。これらの価値については、前回説明しましたので、割愛させていただきます。
  来場者が少ない、修繕費がかけられない、老朽化していく、さらに来場者が減っていくという負のスパイラルから、これらの市有文化財を救い出し、本市経済、観光の貴重な戦力とすべきだと考えております。
  前回、民間から具体的な提案をいただき、協力して活用を進めるよう関係課との協議を提言いたしましたが、その後の進捗についてお伺いいたします。


P.71 ◎答弁 教育次長(田口勝將)

◎教育次長(田口勝將) ただいまの御質問にお答えいたします。
  本市が有する歴史・文化資源の可能性を高め、まちづくりに活用するため、民間から具体的な提案をいただき、協力して活用を進めていくことは重要であると考えます。
  物外軒の例を挙げますと、令和4年度にウェディングプランナーから茶室や庭園を写真撮影の場として利用する提案を受け、現在、結婚式の記念撮影の場所の一つとして紹介され、活用されております。
  また、令和5年10月28日から開催した足利灯り物語2023では、ライトアップした庭園や茶室を生かし、民間団体の提案による演奏会が開催され、ふだんと異なる魅力発信の場となりました。
  こうした活用に際しましては、市有文化財を民間目線で、より効果的に活用するアイデアなどにつきましても、関係課や民間団体等と適宜意見交換を行っております。
  一方、物外軒茶室・庭園、田崎草雲旧宅であります白石山房、旧木村輸出織物工場は、いずれも市及び県の指定文化財や国の登録名勝地であることから、文化財としての価値や雰囲気を保全しながら民間活用する方策を見出すことが求められます。
  そのため、民間活用の基礎資料となることを想定し、まず令和5年度は田崎草雲旧宅である白石山房について建物実測や図面作成のほか、改修及び保全計画に係る調査を実施しております。これに続いて物外軒についても同様の調査や計画策定を検討しております。
  今後も引き続き市有文化財の活用について、市有文化財の保全を図りながら、関係課や民間の方々と連携、協力に努めてまいります。


P.72 ◆質問 13番議員(末吉利啓)

◆13番議員(末吉利啓) 令和5年度から活用のための基礎調査に予算がつけられたことは、これまでなかなか予算がつかなかった今までの経緯を考えますと、大きな一歩と受け止めております。できれば同時並行で、活用のアイデア集積や民間連携のネットワークづくりをお願いいたします。特にビジネスにつなげることで、しっかりと外貨を稼ぐ視点を重視していただきたいと思います。
  再質問いたします。まずは、ある程度維持管理の行き届いている旧木村輸出織物工場の貸館化などの、さらなる活用を進めることを改めて提言いたします。令和4年第3回市議会定例会でも質問いたしましたが、現在、市民会館の廃止に伴い、小規模のホールが不足をしていて、こちらにも問合せがあると聞いています。ホールが足らないのであれば、あるものを活用する。民間企業であれば、当たり前の発想です。しかも、歴史文化都市ならではの130年前の魅力あるホールです。改めて検討状況を伺います。


P.72 ◎答弁 教育次長(田口勝將)

◎教育次長(田口勝將) 再質問にお答えをいたします。
  旧木村輸出織物工場、いわゆる助戸公民館ホールでございますけれども、現在、社会教育施設といたしまして、市民の生涯学習活動の場として利用されているほか、最近では近代化遺産としての建物の魅力を生かした活用も芸術の展示など、そういったことで活用もされているところでございます。
  一方で、社会教育施設ということであり、一定の使用制限がございます。また、明治25年に建てられた、市内で最も古い近代工場跡として県の文化財に指定され、現状変更の程度に応じて県との協議や許可申請が必要となることもあります。このようなことを踏まえ、引き続き様々な活用について、庁内関係課などと検討していきたいと考えております。


P.72 ◆質問 13番議員(末吉利啓)

◆13番議員(末吉利啓) まずは、貸館として使用許可の幅を持たせる検討をお願いしておきます。現状変更するような話ではありませんので、ぜひできる方法を前向きに検討していただきたいと思います。
  さて、今回の質問は、全体を通して文化財を含めた様々な公有財産を活用するために乗り越えるべき組織的な課題についても問題提起をさせていただきました。
  本日、例として挙げた織姫公園レストラン棟、中橋高架下や旧中橋の余剰スペース、さいこうふれあいセンター駐車場、そして先ほどの市有文化財、担当課は違うかもしれませんが、市民や企業から見れば市の施設です。最近よく組織に横串を刺すとは言いますが、責任の所在を明確にし、ある程度の権限とリソースを割かなければ絵に描いた餅になりかねません。
  施設や空き地が生まれ変わる姿は、市民にプラスのマインドをもたらします。公有財産の有効活用を着実に進めていただき、本市が抱える課題を一つでも多く解決していただくことをお願い申し上げます。
  ただいまの教育次長の答弁をもちまして、私の質問を全て終了いたします。

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