令和5年3月定例会(第1回) 03月09日
1 市長の政治姿勢について
⑴大型公共施設の整備と公共施設の再編
⑵中心市街地の活性化
2 技術革新によるまちづくりについて
⑴自動運転技術への対応
3 公共スペースの利活用について
⑴渡良瀬川の利活用
4 観光行政について
⑴夜景観光の推進
5 歴史・文化行政について
⑴史跡藤本観音山古墳と史跡樺崎寺跡の保存活用
◆5番議員(末吉利啓) 発言の機会をいただきましたので、順次質問してまいります。
今回の一般質問は、私の2期8年間で議論、提言させていただいた案件の進捗確認や今後の展望について包括的にただしていく内容となります。何度も聞いた内容が含まれるかもしれませんが、足利市の未来を変えるためにも重要なテーマばかりですので、御容赦いただければ幸いです。
それでは、市長の政治姿勢についてのうち、大型公共施設の整備と公共施設の再編について伺います。本市では、新クリーンセンターや新市民会館をはじめとした大型公共施設の整備が具体化し、さらに市役所庁舎の更新についても議論が始まりました。しかしながら、本市の財政状況は大変厳しく、これらの整備事業費確保が大きな課題となっています。さらに、足利市公共施設再編計画に基づき、公営住宅、学校、公民館など既存の公共施設全体の適正化についても、順を追って議論を行わなくてはなりません。大型公共施設の整備と既存公共施設の再編、本市にとって最も大きな課題とも言える2つの公共施設問題に取り組む市長の思いや考えを伺います。
◎市長(早川尚秀) 5番、末吉利啓議員の御質問にお答えいたします。
初めに、大型公共施設の整備についてでありますが、御案内のとおり、新クリーンセンターは、現在事業者選定の段階に入っておりまして、また新市民会館につきましては、過日基本構想を策定したところであります。いずれも市民にとってなくてはならない施設であり、特に大型公共施設の整備に当たっては、短期間で多額の財政支出を伴うため、施設が果たすべき役割を改めて見直し、真に必要な機能や規模を精査して、併せて可能な限り民間の力をお借りしていくことが今後の施設整備において一層重要になると考えております。
次に、公共施設の再編についてでありますが、老朽化が進行する公共施設について、足利市公共施設再編計画におきまして、施設総量の42.2%削減という目標を設定し、公共施設の適正化に取り組んでいるところであります。その際には、財政的な理由から公共施設を削減するという考え方だけではなく、現在、そして将来の足利市民にとって利便性が高く、ニーズに合った公共施設を再構築していくといった前向きな考え方が大切であると思っております。
現在、市民会館や市役所の庁舎整備についても検討を進めており、今後は、保育所、学校、公民館など、地域に身近な施設に関する議論も具体化してまいります。大型公共施設の整備と公共施設の再編は一体として進めていかなければなりません。
こうしたことから、令和5年度には行政組織の見直しの中で、これまで以上に大型公共施設の整備と公共施設全体のマネジメントを一体的に進めるために、公共施設マネジメント課を設置することといたしました。いずれの課題も財政面や利用者への影響などを考えると大変難しいテーマではありますが、これ以上の先送りはせず、しっかりと道筋をつけられますように、責任を持って取り組んでまいります。
◆5番議員(末吉利啓) 厳しいテーマであるからこそ、責任ある立場としてしっかりと取り組んでいくという旨の答弁に心強く感じたところであります。
続いて、コスト意識について再質問いたします。公共施設再編については、利便性や魅力を上げる前向きな考え方が重要という意見には、私も全く同感であります。しかしながら、本市財政は、平成31年に公開された大型公共施設更新に向けた財政指針に示されるように、このペースで大型施設更新を矢継ぎ早に行うと、間もなく基金が尽きてしまうという厳しい状況です。当時と比べ、世界情勢の不安定化などにより物価も高騰し、残念ながら状況は悪化しています。
そこで、整備に当たっては、コストを削減するという大前提の下、建設費だけでなく、維持管理費も含めたコスト意識を高めることが重要と考えますが、所見を伺います。
◎市長(早川尚秀) 再質問にお答えいたします。
大型公共施設の整備に関しまして、まずは真に必要な機能を精査いたしまして、可能な限りイニシャルコストを抑えることが重要であると考えております。一般的に、建物が完成してから解体するまでにかかるランニングコストはイニシャルコストの数倍になると言われております。公共施設の整備に当たりましては、各施設の計画段階から建物の設計・建設、維持管理、解体までに要する費用の総額、いわゆるライフサイクルコストの縮減を意識して検討を進めていかなければいけないと考えているところでございます。
◆5番議員(末吉利啓) 金融機関での御経験がある早川市長だからこそ、この辺りの意識は強くお持ちだと思います。ぜひ職員全体に浸透させていただければと思います。
再質問いたします。今後整備していく公共施設について、様々な施設との複合化や栃木市役所庁舎のような民間施設の活用、PFIなどの民間活力の導入やリース方式で整備費を抑制するなど、従来の固定観念にとらわれない発想が必要だと考えますが、市長の考えを伺います。
◎市長(早川尚秀) 再質問にお答えいたします。
議員御指摘のとおり、公共施設の整備に当たりましては、民間活力の導入など、様々な手法が考えられます。本市におきましても、例えば新クリーンセンターの整備手法といたしましては、設計と建設と運営を一括で発注する、いわゆるDBO方式を初めて採用したところであります。今後も施設の整備に当たりましては、あらゆる可能性を排除することなく、適切な手法について鋭意検討してまいりたいと考えております。
◆5番議員(末吉利啓) 30年前、50年前といった比較的足利市の景気がよかった時代とは全く状況が異なりますので、ぜひ、あらゆる可能性を排除せず、頭を柔軟にしていただいて取り組んでいただければと思います。
再質問いたします。これまでの大型公共施設の整備や公共施設再編の経緯を振り返りますと、意見の違う市民との擦れ違いが必ずと言っていいほど起きてきました。場合によっては反対運動につながり、市の計画全体に影響を及ぼすこともあります。今後の大型施設整備、公共施設再編には、今までに本市が経験したことのないペースと規模感で進められることになります。
そこで、事業をスムーズに進めるためにも、市民に対し今まで以上に丁寧な情報提供と、共に考えつくっていくための協働の意識啓発が必要だと考えますが、市長の御所見を伺います。
◎市長(早川尚秀) 再質問にお答えいたします。
大型公共施設の整備や身近な公共施設の再編などは、利用者や近隣住民、地域にとっても関心の高い事業となるわけであります。適切なタイミングに必要な情報を提供していくということは、我々行政の説明責任を果たすという意味からしても大変重要なことであるとの認識を持っております。公民館等での出前講座のほか、足利市LINE公式アカウントなど新しいツールを使った情報発信など、様々な手法を検討して進めてまいりたいと考えております。
◆5番議員(末吉利啓) 今までと違って厳しい状況になっておりますので、行政からの発信だけではなくて、市民とともに考えてつくり上げていくという考え方を、ぜひ私たち議会も含めまして浸透させていければと思います。
再質問いたします。大型公共施設の整備や公共施設の再編については、市議会としても公共施設建設・整備検討特別委員会を設置し、長年議論してまいりました。引き続き議会に対しても適宜情報提供を行い、共に建設的な議論をし、決まったことに対しては、承認をした我々議会も責任を持って推進していくことが重要と考えます。
改めて、議会との関係についてお考えを伺います。
◎市長(早川尚秀) 再質問にお答えいたします。
これまでも大型公共施設の整備につきましては、議会に設置されました公共施設建設・整備検討特別委員会におきまして情報提供や議論をさせていただいてまいりました。今後は、市民会館や市役所庁舎などの大型公共施設の整備のほか、学校や公民館の再編の取組も具体化してくるため、引き続き機会を捉えまして市議会の皆様への情報提供をさせていただくとともに、御意見をいただき、議論を深めていければと考えております。
◆5番議員(末吉利啓) 同委員会が設置されたこの8年間で幾つかの大型施設の整備が委員会での議論を経て具現化してまいりました。今後は、答弁にもありました学校や公民館の再編など、より多く、より複雑な課題を取り扱うことになります。同委員会については、その在り方に関し、議員各位から御意見を聴取させていただいたところです。議論が活性化し、市民にとってベストな選択肢にたどり着けるような議会と市当局との関係構築を期待し、次の質問に移ります。
市長の政治姿勢についてのうち、中心市街地の活性化について伺います。現在策定が進められている足利市まちなか賑わいプランは、まちの活性化、観光誘客、空き店舗、空き家対策、歴史文化資源の活用等、様々な観点から中心市街地の将来像を描くグランドデザインともなるものです。中心市街地は、本市の顔として、これまで様々な事業が行われ、多くの財源が投入されてきました。昨今の状況を鑑みますと、史跡足利学校の日本遺産認定、鑁阿寺本堂の国宝指定、中橋架け替え工事の着工、土地区画整理事業の完了を見据えたこのタイミングは、中心市街地活性化の好機であるということは多くの方の共通認識なのではないでしょうか。だからこそ、この時期に同プランを策定する意義は大きいと考えます。市長の思いや今後のビジョンについてお伺いいたします。
◎市長(早川尚秀) ただいまの御質問にお答えいたします。
本市の中心市街地においては、これまで土地区画整理事業などの基盤整備や空き店舗対策事業などの商業振興を中心として各施策を推進してきたところであります。そのような中で、長年の懸案でありました中橋周辺の堤防のかさ上げとそれに伴う中橋の架け替えが、国・県・市の連携の下で具体的に動き出しました。私は、この中橋の架け替えを中心市街地の今後のまちづくりを改めて考える契機として捉え、第8次足利市総合計画の前期基本計画におきまして、中心市街地の活性化をしっかりと位置づけたところであります。そして、これを具現化するため、中心市街地のグランドデザインとなります足利市まちなか賑わいプランを策定することといたしました。策定に当たりましては、中心市街地に関係する各種団体の代表者等で構成されるまちなか賑わいプラン策定検討委員会を設置し、令和5年2月に第1回の会議を開催して、策定に向けてのスターを切ったところであります。私は、まちなかのにぎわいを創出するためには、これまで取り組んできた土地区画整理事業や空き店舗対策、移住・定住施策、空き家対策などのさらなる推進を図るとともに、史跡足利学校などの歴史文化資源の魅力向上に加えまして、それらを有機的に結びつけ、まちなかの回遊性を向上させる取組も交流人口の増加や滞在時間の延長につながることから重要であると思っております。
さらに、中橋の架け替えと併せて、東武伊勢崎線足利市駅の北口広場の再整備に向けた検討も進めてまいりたいと考えているところであります。中橋付近の堤防のかさ上げと中橋の架け替えにより、まちが大きく変わろうとしております。これを本市にとってのチャンスと捉えまして、市議会議員の皆様やまちなか賑わいプラン策定検討委員会の皆様から御意見をいただくとともに、関係団体などと共に考え、共に行動して、地域と協働しながら中心市街地の活性化を図っていきたいと思っております。
◆5番議員(末吉利啓) ぜひこの千載一遇のチャンスを逃さないように、市民、関係団体の皆様と協働の姿勢で取り組んでいただければと思います。
再質問いたします。同プランの前身とも言える足利市中心市街地活性化基本計画が策定されたのは、四半世紀前の平成10年です。当時とは、社会情勢も地域の担い手も大きく変わっています。だからこそ、同プランの狙いを実現するためには、より実態に則した政策や事業の展開が必要となります。そのための推進体制について、各団体の代表で構成されたまちなか賑わいプラン策定検討委員会とは別に、実務者レベルで市民と職員、あるいは市民同士、職員同士の深い議論ができる組織を検討することはできないでしょうか、御所見を伺います。
◎総合政策部長(平山忍) 再質問にお答えいたします。
先日の第1回足利市まちなか賑わいプラン策定検討委員会におきまして、各委員の皆様から貴重ないろいろな御意見を伺ったところでございます。その中で、各委員を選出いただいている母体となる団体などにおいて、いろいろな事業に取り組んでおり、今後いろいろな事業に取り組んでいきたいという思いもあるため、そういうものをこのプランの中に入れたほうがよいのではといった御意見もございました。議員からの御提案や同検討委員会での意見を踏まえまして、関連団体で取り組んでいるものや今後取り組む予定の事業などにつきましては、実務担当者レベルでいろいろと意見交換をさせていただき、それを内部で検討して、可能な限りプランの中に反映していきたいと思っております。市といたしましても、限られた予算を有効に活用するために、市が進めるべきもの、民間が進めたほうが効率的であるものという考えの下、プランを策定していきたいと思います。
◆5番議員(末吉利啓) ぜひさらなる綿密な組織づくり、体制づくりに努めていただければと思います。
再質問いたします。同プランは、まちなかの活性化を目指した総合的な構想のようなものと認識をしております。そこで、実効性の高い事業立案や検証体制を組み上げた計画の策定も併せて検討する必要があると考えております。特にまちなかということで、歩行者の視点、歩きたくなるまちという重要なエッセンスを加えたウオーカブル推進計画の策定は、国土交通省からの財政的な部分も含めた様々な支援を得られることから有効なのではないでしょうか。所見を伺います。
◎都市建設部長(花澤繁) ただいまの再質問にお答えいたします。
国は、令和2年度にまちなかウォーカブル推進事業を創設いたしまして、まちのにぎわいや地域の活性化などを再生するために、車から人を中心とした空間に転換させる事業に対して重点的に支援するとしております。そこで、本市におきましても、今後、足利市まちなか賑わいプランを策定いたしまして、その中に位置づけた様々な方策を体系的、計画的に実践することで、居心地がよくて歩きたくなるような空間を、中心市街地に再構築できればと考えているところであります。例えば段差がなくて誰でも歩きやすいような歩道の整備や、ベンチや休憩スペース、さらには分かりやすいサインの設置、可能であれば民間事業者の方と連携を図りながら、新たな公共空間を確保するといったことも必要だと思っています。さらには、これらの取組に加えまして、史跡足利学校や鑁阿寺、足利織姫神社など、本市固有の資源を有機的につなぎ合わせることでまちの魅力を高めていければと考えているところであります。さらには、現在あります渡良瀬川の河川敷、中橋の架け替えによりまして生じる高架下のオープンスペースを有効に活用するとともに、地域の皆様とよい知恵を出し合いまして、多彩なまちづくりをサポートするなど、足利らしい、歩いて楽しいまちなかづくりに取り組んでまいりたいと考えております。
◆5番議員(末吉利啓) 中心市街地活性化という全国の地方都市が抱える課題の解決が見えるような方針を掲げたプランの策定、さらには国や先進国の動きを率先して導入したウオーカブル推進計画の策定を積極的に進めていただくことを期待いたします。
先ほどの公共施設問題では、財政状況の厳しさを指摘しました。中心市街地活性化においても同様ですが、公共スペースの活用や新たな魅力あるまちづくりで経済を活性化させ、多くの歳入を得ることも十分可能です。ぜひ都市計画課と総合政策課を中心に、各部署が綿密に連携し、夢のあるビジョンを描いていただくことをお願いし、次の質問に移ります。
技術革新によるまちづくりについての、自動運転技術への対応について伺います。急速に進化する自動運転技術は、高齢者の移動手段の確保はもちろん、2次交通の充実やドライバー不足解消など、様々な課題解決につながると期待されております。これまで平成30年第3回市議会定例会からこのテーマについて取り上げ、長期計画への反映、実証実験の誘致、JR足利駅、東武足利市駅の接続検討など、質問、提言をさせていただきました。そして、このたび本市においても、令和5年3月18日から栃木県による自動運転実証実験が行われる運びとなりました。改めて、実現をしていただいた栃木県、足利市、協力会社各位に感謝をするところです。
そこで、改めて、当実証実験の概要と自動運転技術がもたらす新たなまちづくりへのビジョンをどのように捉えているのかお伺いいたします。
◎総合政策部長(平山忍) ただいまの御質問にお答えします。
今回栃木県が実施する自動運転の実証実験は、市街地中心部での回遊性向上や歩行者と自転車が共存する空間における移動手段の確保を目的に、令和5年3月18日から27日までの10日間で行われます。市街地中心部の玄関口となるJR足利駅を起点に、東武足利市駅を経由し、その周辺に点在する史跡足利学校や鑁阿寺をはじめとした歴史文化資源を周遊する4.7キロメートルのルートを自動運転レベル2のグリーンスローモビリティーが1日6周走行する計画です。施設の立地や走行環境を踏まえて設置する6か所の停留所から無料で乗車できることから、この機会に自動運転運行の機運醸成が図られることを期待しております。
こうした自動運転技術は、人的ミスによる交通事故の低減、公共交通機関の運転手不足への対応や環境負荷の軽減など、様々な効果が期待できます。近い将来、運行に関する技術の向上やコストダウンが進展しますと、人々が好きな時間に安全に移動ができる社会が実現すると思います。そして、多様化する市民のライフスタイルに合わせた移動や来訪者の回遊を促進し、生きがいやにぎわいのある豊かなまちづくりに生かせるものと考えております。今回の県との連携による実証実験の検証をしっかりと行い、自動運転技術を公共交通ネットワークの構築のための有効な手段として生かせるよう検討してまいりたいと思います。
◆5番議員(末吉利啓) 今回の実証実験に先立ちまして、個人的に栃木県ABCプロジェクトの実証実験に何度か乗車をさせていただきました。私が見る限りでその中でも最も難しいのではないかというすごくチャレンジングなコースであります。まずは、この実験を完遂してしていただくことが第一でありますが、いろいろ御苦労もあると思いますので、ぜひとも事故等には気をつけていただいて進めていただければと思います。
その上で、実験後に蓄積をされた市のノウハウ、栃木県ABCプロジェクト全体を通して得られた県のノウハウを今後どう生かし、本市での実装を目指していくのか伺います。
◎総合政策部長(平山忍) 再質問にお答えいたします。
今回の実証実験でありますが、自動運転システム導入に向けた課題の整理やノウハウの蓄積、県内における自動運転に対する社会的受容性の醸成を図ることを目的としております。栃木県では、今回実施した10か所の実験結果を通じて得られた知見などを市に活用してほしいと考えているということでありまして、そのための支援は積極的に行ってくれると聞いております。自動運転に対します市民の受け止め方や、歩行者と一般車両が共存する空間での自動運転車両の安全性などについての実験結果を栃木県と共有し、自動運転技術のメリット、デメリットについて、さらなる検討を進めてまいりたいと思います。その上で、自動運転技術の普及や法整備の状況を見極めながら、技術活用の検討を進めてまいります。
◆5番議員(末吉利啓) ぜひ貴重な知見情報を享受をしていただいて、県のサポートを受けながら、実装に向けた深掘りを進めていただければと思います。
再質問いたします。今実験のテーマである市街地中心部での回遊性向上は、観光都市足利にとって大変重要な課題です。
一方、喫緊の課題とも言えるのが高齢者の交通手段の確保です。高齢者による交通事故が増加する中、免許を返納したくてもできない中山間地域、市街化調整区域にお住まいの高齢者の足を確保するため、自動運転は大きな役割を果たすと考えられております。例えば基幹交通手段としての鉄道駅やバス停から自宅まで運んでくれる1人乗りの自動運転車両を用意できれば、高齢者が重いお米や飲物を買っても、足腰が悪くても、ドア・ツー・ドアで移動してもらうことができます。車両は集落でシェアし、月の使用料を利用者数で割って運営するといったこともできます。いわゆるラストワンマイル対策への自動運転技術の展開について御所見を伺います。
◎総合政策部長(平山忍) 再質問にお答えいたします。
市街地中心部での回遊性向上につきましては本市の課題と認識して、十分対応してまいりたいと思っております。
一方、中山間地域や市街化調整区域の集落の中でも特に御指摘の公共交通不便地域と言われるような地域の足の確保につきましても、本市の大きな課題の一つと認識しております。公共交通不便地域では、既存のタクシーや生活路線バスとのスムーズな連携が大変重要であると思っております。本市でも、地域の最寄りのバス停までタクシーを活用し、地域住民を移動させるような実験に取り組み始めた地域もございます。このような取組に、将来自動運転技術、あるいは情報通信技術を地域の実情に合わせて組み合わせていくことで課題の解決を図っていきたいと思っております。
◆5番議員(末吉利啓) 1人乗りの自動運転車両ですと国産の車両もあり、比較的安価に導入することもできます。ぜひ関心のある自治会などと協力し、モデル事業としてラストワンマイル対策への自動運転技術の導入の御検討をお願いし、次の質問に移ります。
公共スペースの利活用についての、渡良瀬川の利活用について伺います。本市の中心部を流れる渡良瀬川は広大な河川敷を有しており、そこに多くの公園等が整備されてきました。しかし、そのポテンシャルから考えますと、まだまだ生かし切れていないのではないかという問題意識から、これまで幾度となく質問や提言をさせていただきました。渡良瀬川のさらなる利活用は、中心市街地だけでなく、本市全体の交流人口の増加、エリアのブランディング、商業地域への波及など、経済の活性化に大きく寄与すると考えます。
早川市長が就任されてから、中橋架け替え工事の着工やサイクルツーリズムの推進など、渡良瀬川に関わる新たな動きも出てまいりました。そこで、改めて今後の渡良瀬川の利活用に対する考えを伺います。
◎都市建設部長(花澤繁) ただいまの御質問にお答えします。
本市では、これまで市街地中心部を流れる渡良瀬川の河川敷において、市民に親しまれる憩いの場として、さらには多彩なスポーツやレクリエーションの場として様々な公園施設等の整備を進めてきました。特に近年、渡良瀬川河川事務所と適切に連携を図るとともに、国土交通省所管のかわまちづくり支援制度を有効に活用しながら、わたらせ健幸緑地こと、足利市朝倉・福富運動場の整備を行ってきました。さらに、現在、本町緑地の一部において、河川空間のオープン化を図るとともに、併せて民間事業者の資金やノウハウを有効に活用した各種施設整備を行うため、公募設置管理制度、パークPFIによる公募対象公園施設設置等予定者の公募を進めているところです。引き続き、市民の貴重な財産である渡良瀬川の付加価値をより高めていくためには、中心市街地や市内に点在する様々な歴史文化及び観光資源との連携を視野に入れた総合的なプランの策定が必要であると考えています。
そこで、今後、中心市街地のグランドデザインである足利市まちなか賑わいプランの策定に併せて、河川敷の公園や緑地、堤防上のサイクリングロードやウオーキングコースなどと史跡足利学校や鑁阿寺に代表される本市固有の資源を有機的に連携させる方策について具体的に検討してまいります。
◆5番議員(末吉利啓) 先ほどの答弁にございました、まちなか賑わいプランに河川空間や観光資源などを有機的に連携させる方策について再質問いたします。
先ほども質問をいたしましたが、同プランは大変重要かつ大きな転換点になり得ると考えております。だからこそ、渡良瀬川と足利市の未来をどう描き、どう生かしていくのか、しっかりと深掘りをした計画を策定する必要があると考えます。まちなか賑わいプランに掲載をしていくのか、別個の計画としていくのか、市民との意見交換などを行っていくのか、検討の方向性についてお伺いいたします。
◎都市建設部長(花澤繁) ただいまの再質問にお答えいたします。
足利まちなか賑わいプランにつきましては、20年後を見据えた将来像を描き、その具現化に向けた施策等を検討するとしているところであります。現在、その対象区域に渡良瀬川の中橋緑地やパークPFIで整備を行う本町緑地が含まれておりますので、今後策定委員の皆様の御意見なども十分に伺いながら、プラン策定の中で渡良瀬川と本市固有の資源を有機的に連携させる方策について、できる限り具体的に検討してまいりたいと考えているところであります。
また一方で、現在、渡良瀬川を有効に活用したサイクルツーリズムを推進しているところであります。こういったものを推進する上では、今後、国や栃木県の支援をいただきながら、適宜必要となる拠点施設の整備も進めていく必要があるものと考えているところであります。そこで、まちなか賑わいプランの対象区域外でそういったような拠点整備を行う際には、共通のコンセプトをしっかりと持ちながら実施するとともに、統一的かつ一体的なイメージを持って、渡良瀬川の利活用、有効活用に努めてまいりたいと考えております。
◆5番議員(末吉利啓) ただいま御答弁いただきました共通のコンセプト、あるいは統一的なイメージというのは、まちの顔をつくる上で大変重要な要素だと思います。今後、まちなか賑わいプランの中で、できる限り具体的な利活用を検討していただきたいと思います。
再質問いたします。これまで実証実験的に行ってきた市民力創出協働事業のわたらせ川で過ごす大人の休日事業は、渡良瀬川の可能性を共有する上で大きな役割を果たしました。
そこで、もう一歩進んで、より多くの市民や企業に渡良瀬川の活用に参入していただくことはできないでしょうか。ボートを浮かべて新しいアクティビティーをつくりたい、結婚式の会場として使いたい、釣り堀を運営したいなど、様々なアイデアやノウハウが集まり、河川空間の可能性はさらに広がっていくと考えます。最初から大きな事業費をかけるのではなく、民間とともに、まずはソフト事業を試行的に重ねていくトライアルサウンディングのような手法が有効と考えますが、御所見を伺います。
◎都市建設部長(花澤繁) ただいまの再質問にお答えいたします。
先ほど御紹介がございましたとおり、平成30年と令和元年の2か年で実施しました市民との協働事業でありますわたらせ川で過ごす大人の休日事業では、ジャズを聞きながらキャンプやバーベキューを楽しむといったイベントを実施していただきました。その際、約700名の方々が参加するといった成果がございまして、我々が想像している以上に渡良瀬川の持つポテンシャルの大きさといったものを実感したところであります。現在、御案内のとおり、本町緑地におきまして、パークPFIの手法を導入して、民間のノウハウや資金を有効に活用した公園施設等の整備を行うための準備を進めているところであります。そういったことから、今後、この事業で得ました、経験や人脈などを十分に生かしながら、議員御提案の試行的にソフト事業を実践していくといったことなどを含めまして、渡良瀬川をさらに有効に利活用する仕組みづくりについても、適宜調査研究をしてまいりたいと考えております。
◆5番議員(末吉利啓) 今回の本町緑地のオープン化のような事業は、国との連携や大規模な事業費を必要とするので、容易にはできません。しかし、民間のノウハウを生かしたトライアルサウンディングであれば、ハードルは大きく下がると思います。中橋の架け替えや本町緑地のオープン化を契機に、渡良瀬川の活用の機運も上がるはずです。ぜひ公民連携により、渡良瀬川にさらなるにぎわいと価値が生み出されることを期待し、次の質問に移ります。
観光行政についての、夜景観光の推進について伺います。本市観光の長年の課題と言えば、観光客の滞在時間の短さであります。東京から日帰りで容易に来られる立地であることや、温泉街などの宿泊の決め手となる資源がないことなどの理由から、ほとんどの観光客は足利市に宿泊せずに帰られてしまいます。栃木県観光客入込数・宿泊数推定調査に掲載された宿泊数を観光入り込み客数で割った宿泊率を試算しますと、コロナ禍以前の平成30年で足利市は0.6%という驚くべき数字が出てしまいます。参考までに、那須塩原市は10%、日光市は26%となっています。そして、宿泊旅行者の観光消費額は、日帰り旅行者のそれと比べ、一般的に3倍になると言われ、平成21年の足利市観光協会の調査でも同様の結果が出ております。つまり日帰りと宿泊では観光産業が地方都市に与えるインパクトが大きく違うということです。だからこそ、観光客の宿泊率を向上させ、経済効果を高めることが本市観光の至上命題となるわけです。
そこで、その対策として、本市特有の夜景観光、夜景資源を磨き上げ、滞在時間を延ばす夜景観光が注目をされています。本市も様々な事業を展開していますが、ポストコロナを見据え、さらなる推進が必要と考えますが、当局の所見を伺います。
◎産業観光部長(松島繁) ただいまの御質問にお答えいたします。
本市は、第10回イルミネーションアワードで7年連続全国1位を獲得したあしかがフラワーパークのイルミネーション、光りの花の庭や、日本夜景遺産に認定されている織姫公園や足利織姫神社から見る夜景など、夜景観光資源に恵まれたまちです。
令和4年11月に開催した足利灯り物語では、民間事業者と連携し、足利市ならではの文化財と明かりを演出し、史跡足利学校や鑁阿寺などの魅力を今まで以上に高めるだけでなく、周辺店舗とも連携を図り、灯り物語来場者が使用できるライトアップ商品券により消費行動を促し、まちなかの活性化にもつなげることができました。
そして、本市への誘致に向け取り組んでいる全国夜景サミットでは、足利市ならではの文化財や町並みを活用した幻想的な夜景空間を今後どう活用し、地域の活性化につなげていくかなどの情報を官民一体となって共有し、文化財を活用した灯りのあるまちというイメージを向上させていきたいと考えています。
本市の強みである文化と観光を組み合わせた夜景観光をさらにブラッシュアップし、観光客の滞在時間の延長、さらには宿泊へとつなげ、観光と地域活性化の好循環を生み出していくことが、これからのまちづくりには必要であると考えています。今後も、足利市観光協会などの民間事業者と今まで以上に連携を密にし、新しい人の流れ、そしてたまりをつくって、それらを連携させていく仕掛けをつくることで多くの観光客を取り込めるよう、足利市ならではの夜景観光に積極的に取り組んでいきたいと考えております。
◆5番議員(末吉利啓) 再質問いたします。
答弁にありました、観光客の滞在時間が延長し、宿泊客が増加し、地域活性化の好循環が生まれることが夜景観光の重要な目的であり、そこへたどり着くステップだと理解をしております。それを実現するためにも、観光客の宿泊率であったり、観光消費額などを定期的に調査し、事業の効果を検証し、さらなる一手を打っていく。根拠に基づいた政策、事業立案とPDCAサイクルをしっかりと回していくことが重要と考えますが、所見を伺います。
◎産業観光部長(松島繁) ただいまの再質問にお答えします。
議員御指摘のとおり、本市を観光都市として発展させていくためには、PDCAサイクルを適切に運用していくことが重要であると考えております。
今後も、栃木県観光客入込数・宿泊数推定調査などを参考にするとともに、足利市観光協会とも連携いたしまして、来訪者にアンケートを実施するなど、アンテナを高くし、変化する時代やニーズに適応した観光誘客に取り組んでまいります。
◆5番議員(末吉利啓) ぜひ足利市観光協会と連携した詳細なマーケティングをお願いしたいと思います。
また、年間を通して宿泊数が少ない時期にどれぐらいの宿泊余力があるのか。あるいは、多い時期に満室となってしまい、どれぐらいの見込み客を逃しているのかなどの数字につきましても基礎資料として重要だと思いますので、ぜひ調査研究をお願いいたします。
再質問いたします。先ほどの答弁で、文化財を活用した灯りのあるまちというイメージを向上させたいとの考えを示していただきました。実際に、足利灯り物語で照らされた史跡足利学校や鑁阿寺は、本市の歴史観光都市としてのブランディングに大きく寄与したと感じております。
そこで、イベント型の夜景観光と並行し、織姫神社のような常設型の夜景観光資源を増やすことで、さらなる効果を発揮できるのではないでしょうか。例えば以前にも提案しました渡良瀬橋、また今回架け替えられます中橋のライトアップは、先ほどの渡良瀬川の利活用、中心市街地の活性化にも大きく寄与するはずです。渡良瀬橋、中橋ともに戦前の橋梁であり、県あるいは市指定文化財になり得る歴史的価値のある橋梁です。答弁の文化財を活用した灯りのあるまちという方向性にも合致すると考えますが、御所見を伺います。
◎産業観光部長(松島繁) ただいまの再質問にお答えいたします。
まずは、足利灯り物語などを通しまして、文化財を活用した灯りのあるまちというイメージを市内外にしっかりと定着させることが重要だと考えております。そのためにも、民間事業者と連携したプロモーション活動を積極的に取り組んでまいります。今後、イベントの夜景に、御提案がありました渡良瀬橋など、本市ならではの地域資源を活用した常設の夜景を付加することで、滞在時間の延長や新しい人の流れが生まれる可能性、その効果につきまして、有識者等の御意見も伺いまして、研究してまいりたいと考えております。
◆5番議員(末吉利啓) 常設の渡良瀬橋、中橋のライトアップによる夜景観光の推進は、年間を通した宿泊数の平準化にも寄与すると考えます。そして、渡良瀬川の利活用による新たな観光拠点の創出やまちなかを含めた経済の活性化、本市独自の魅力ある景観形成、シビックプライドの醸成など、広範囲への高い効果も期待されます。ぜひ積極的に研究調査を行っていただくようお願いし、次の質問に移ります。
歴史・文化行政についての、史跡藤本観音山古墳と史跡樺崎寺跡の保存活用について伺います。史跡藤本観音山古墳は、全国で5番目、東日本で2番目の大きさを誇る前方後方墳で、周辺に住居跡も発見された貴重な史跡です。また、史跡樺崎寺跡は、浄土庭園が整備された足利氏の廟所で、運慶作の大日如来坐像が納められていたことなどから、当時の足利氏の栄華を今に伝える貴重な史跡であります。両史跡は、本市にとって、歴史の深さや価値を示す貴重な資源であることは言うまでもありません。改めまして、両史跡の保存活用における進捗と今後の取組について伺います。
◎教育次長(岡田和之) ただいまの御質問にお答えします。
史跡藤本観音山古墳及び史跡樺崎寺跡は、国の史跡に指定された本市の重要な文化財であります。藤本観音山古墳は、平成18年度から史跡地内の私有地の公有化を進めております。令和4年度に予定する用地取得が順調に終了すれば、公有化率の進捗は約90%となります。今後は、引き続き史跡指定地全ての公有化を目指すとともに、古墳の恒久的な保存と本市を代表する一つの歴史的資源として活用することを目的とした保存活用計画の策定を進めていきたいと考えております。
樺崎寺跡については、平成13年度から復元整備に着手し、令和3年度末までに八幡山山麓にあった建物の基礎部分や浄土庭園の復元整備が完了しました。現在は、庭園北側の僧侶の生活空間跡や、川から池に水を引くために用いた水路跡の復元整備を進めております。今後は、樺崎川を挟んで東側の区画について、基本設計を十分に検討した上で、具体的な景観整備等に着手する予定です。
しかしながら、史跡整備に関しましては国庫補助の採択状況によるところも大きく、現在のところ、令和10年度前後を見込んでいる史跡全体の整備完了時期について、さらに時間を要することも考えられます。どちらの史跡も引き続き文化庁や専門家の指導をいただきながら、関係者の皆様と力を合わせて、より魅力的な史跡となるよう進めてまいります。
◆5番議員(末吉利啓) 史跡藤本観音山古墳について再質問いたします。
確認したところ、私が議員に初当選をさせていただいた当初、平成26年の同史跡の公有化率は約50%でした。それを考えると、令和4年度の90%という数字には隔世の感があります。御協力いただいた地権者をはじめ、関係各位には感謝をするところであります。
改めて、この進捗からも、今後の史跡整備や活用の方針について本格的な議論を進めるべき段階に来ていると考えます。特に主要幹線道路からよく見える場所に立地をしている同史跡にいかに立ち寄ってもらい、その価値を理解してもらえるかが重要な視点だと考えます。現段階での保存活用計画の策定方針を伺います。
◎教育次長(岡田和之) 再質問にお答えします。
保存活用計画の策定に当たりましては、古墳の現状や課題を踏まえまして、史跡としての将来像、保存、活用、整備の基本方針を検討することとなります。文化庁の調査官からは、保存活用計画の検討に当たって、復元整備による史跡の本質的価値を理解してもらう区画、また、遺跡の保護を重視し、景観を整える区画などのゾーニングも必要ではないかとの示唆をいただいているところであります。関係分野の専門家からの御意見を参考としつつ、市の政策や関係部署との調整を図りながら、計画策定を進めてまいりたいと考えております。
◆5番議員(末吉利啓) 数字的には公有化率100%が目の前に迫っている状況です。早期にビジョンを描き、多くの方から賛同を得て、共に活用を考えていただけるような機運の醸成に努めていただければと思います。
史跡樺崎寺跡について再質問いたします。これまでも指摘をさせていただきましたが、樺崎寺跡は本市観光の北の重要拠点になり得るポテンシャルを秘めています。整備完了期間に遅れが出ているとのことですが、これをチャンスと捉え、今のうちにどのような整備を行い、どのように人を引きつけ、経済の活性化やまちのブランディングにつなげるか、全庁的な議論をすべきではないでしょうか。例えばガイダンス施設や博物館の検討、施設に併設した土産店、飲食店などの誘致など、ただの史跡整備で終わらせることのないよう幅広い議論を望むところであります。行政組織全体に関わりますので、副市長に御所見を伺います。
◎副市長(塚原達哉) ただいまの再質問にお答えいたします。
史跡樺崎寺跡は、足利インターチェンジにも近く、その立地の利便性、また鑁阿寺の奥の院としての背景もあり、本市の多くの魅力ある観光資源を周遊する際にも貴重な拠点の一つになるものと考えております。観光の拠点として、足利市の歴史と文化に親しんでいただき、また市民の歴史学習、あるいは憩いの場として、樺崎寺が持っております本物の魅力をさらに高めていく必要性は大変高いものと認識をしております。現在は、保存整備基本計画によりまして史跡整備を進めておりますが、今後、本市ならではの文化、観光、経済の好循環を生み出すために、史跡周辺の関連施設を含めて総合的に検討を進める必要があるものと考えております。
こうした視点を踏まえ、今後、市の政策や他の公共施設整備とも財政面などを含めたバランスを考慮しながら、本市が進めております文化観光に資するよう、足利氏と深い関わりを持っております樺崎寺の活用について、現在は教育委員会を中心に進めておりますが、市議会はじめ関係者の御意見も伺いながら、今後幅広く全庁的な議論を重ねていきたいと考えております。
◆5番議員(末吉利啓) ただいまの副市長の御答弁の中に、総合的に検討を進める、あるいは全庁的な議論を重ねるといった、今までよりも一歩踏み込んだ答弁をいただけたことは、非常に心強く思っております。
かつて足利市議会が全会一致で可決した我が国初とも言われる歴史都市宣言に続き設置をされました歴史都市調査特別委員会では、本日議論をした両史跡について何度も調査研究がなされてきた経緯があります。そうしたことも踏まえ、両史跡について方向性をしっかりと検討し、まちの活性化等に資する活用を実現していくことは、行政と我々議会の大切な責務だと感じております。
早川市長が主要政策として推進していただいている歴史観光都市への道のりは、先は長いかもしれませんが、目の前の課題を一つ一つ解決し、その積み重ねで多くの観光客を呼び寄せられる魅力ある、誇れる足利市を目指し、さらに前進していただけるようお願い申し上げます。
ただいまの副市長の答弁をもちまして、私の全ての質問を終わります。