先日参加した『両毛6市議員懇談会研修会』は、佐野、足利、館林、太田、桐生、みどりの6市の議員が集まり、研修を重ね、議員間の横の連携を作り、政策提案能力や議員としての質の向上を目指すものです。

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分科会では各市の代表的な取り組みを学びました。私が参加したのは佐野市「国指定史跡唐沢山城跡について」です。講師は慶応大学史学部卒で学芸員の出居博文化課長でした。

 
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唐沢山城・・・かつて佐野地域を支配していた佐野氏の居城。上杉謙信の侵攻を何度も撃退している。江戸時代に廃城になったものの、戦国時代初期の石垣が残る貴重な城跡。
 
史跡として特筆すべき特徴は以下があげられます。
 
1)残りにくい戦国時代初期の石垣(織豊期)があること
2)城の本丸だけでなく城域全体の遺構が残っていること(史跡指定面積194万㎡)
3)主郭だけでなく麓の屋敷跡にも石垣遺構が残っていること
 
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さて、この唐沢山城が指定された「国指定史跡」は足利に4件あります。
※佐野市は今回が初
 
1.足利学校跡(聖廟および附属建物を含む)
2.足利氏宅跡(鑁阿寺)
3.樺崎寺跡
4.藤本観音山古墳
 
史跡に指定されると、その保存と活用のために基本計画、実施計画が策定され整備が進んでいきます。もちろん国指定ですので、国から「史跡等保存整備費補助金」が支給され事業を推進します。
現在、足利市で保存整備が行われているのが樺崎寺跡と、一般質問でも取り上げた藤本観音山古墳です。
史跡整備には大規模な工事が伴い、多くの時間や、費用を必要とします。しかし、歴史を守るということは、そのまちの個性(そのまちらしさ)を守るという意味でとても重要だと思います。
 
アウトレットを代表とする佐野藤岡IC周辺の開発などで賑わっている佐野市が、佐野らしさ取り戻そうと唐沢山城跡の保存整備進めています。それは「物質的、経済的豊かさも必要だが、まちの個性も必要だ」という佐野市がまちの個性を失うことへの危機感の表れのように感じました。
 
何度も言っていますが、足利の歴史のポテンシャルはずば抜けています。幕府を開いた一族が生まれ、日本一の大学を持ち、繊維で日本を席巻した、それを裏打ちする史跡や文化財の数。
お金に直結しないことは軽視されがちですが、軽視しすぎて個性を失ったまちには魅力や誇りは生まれません。こどもたちが誇りに思えるまち、大人になって帰ってきたくなるまちを目指し郷土愛を醸成し、観光や教育への活用を積極的に進められる足利を目指しこれからも活動して行きたいと、あらためて思った研修会でした。
 
開催に際しご尽力いただいた佐野市議会の皆様、各事務局の皆様、ありがとうございました。