足利市の公共施設の多くが老朽化をしていて、その維持管理が大きな問題となっていることは、これまでも何度となくお話しして参りました。
今回は足利市に住んでいればいずれお世話になる「斎場」について、その進捗と私の考えをお伝えいたします。

現斎場の平面図

■現斎場の課題 老朽化と旧式の設計
まず現斎場の課題について見ておきます。運用開始は昭和51年で45年が経過し、旧耐震基準で耐震化工事はされていません。施設も老朽化しており、維持管理(設備更新、火葬炉修繕等)にこれまで数億円かけてきました。待合室も当時としては一般的でしたが、全て畳敷きの和室です。今では足の不自由な方や高齢者にも好まれるイス・テーブルの洋室が多くなっています。火葬炉も前室がなく、直接火葬炉の中がご遺族の眼に触れてしまう設計です。またこれは職員側の視点ですが、バックヤードが炉の熱放射が強く夏場は酷暑となります。

前室がないので火葬炉の中が見えてしまう

すべてが和室の待合室

■現斎場の課題 火葬能力不足
高齢化にともない死亡者数も増加しています。図の様に火葬数も増加し、火葬まで1週間お待ちいただく事もあり、ご遺族の皆様にご不便をおかけしている状況です。火葬炉は5炉ありますが、システム上同時に火葬できるのは2炉までで、現在の需要に対応できていません。その他にも環境、バリアフリー、プライバシーへの配慮など様々な課題はあります。

令和12年が死亡者数のピーク

高齢化にともない火葬数も増加傾向

これらの状況を打開するために、今後の死亡者数に対応できる火葬炉数を確保し、現在の社会情勢に見合った新たな斎場が必要ということとなり、事業化となりました。

つづく...。

【関連資料】
□斎場整備基本構想(H29年)
https://www.city.ashikaga.tochigi.jp/uploaded/attachment/59299.pdf

【過去記事】
□【全員協議会】大型公共施設更新に向けた財政指針の策定について
https://sueyoshi-toshihiro.com/?p=1826
□【視察報告】斎場整備事業について(H30/10/5愛知県岡崎市)
https://sueyoshi-toshihiro.com/?p=1723
□【4大公共施設の更新】について
https://sueyoshi-toshihiro.com/?p=1661