足利市議会教育経済建設常任委員会の行政視察報告です。
初日は富山県富山市の芝園小学校・芝園中学校における「小中一貫校的連携教育」について、現地 にて視察研修をさせていただきました。講師は両校の教頭先生です。今回の視察先のポイン トは「小中一貫教育」ではなく「小中一貫【的】教育」というところです。背景として体育大会などの行事が出来ない程の児童減少があったようです。H20 年に新校舎 が完成し、両学校が隣接・接続し、一部共有施設として開校しました。

パサージュで両校の児童が自然とふれあいます

校舎は PFI 方式により建てられ、正門から続くパサージュを小学校, 中学校共有の動線として設計されています。中学校校舎棟はアトリウムを中心に回遊性のある設計でした。全体的に木材も多く使用され、コンクリートで作られた近年の学校に比べ温かみがあり、かつアートスペース的なデザインセンスも感じさせます。また、教室に壁がなかったり、特別教室 や図書室が共用だったり、プールが冬は蓋をして活用できたりと様々な工夫が見られまし た。ちなみに設計は「シーラカンス K&H」という建築ユニットで、先進的かつデザイン制 の高い学校建築を手掛けています。
□シーラカンス K&H → http://www.coelacanth-kandh.co.jp

壁を取り払った教室

冬場のプールは蓋をしてフリースペースに

4ソフト面ではすべての事業を合同で実施するのではなく、あくまで効果を見極めて合同にするか否かを検討されています。現在は開校当初に比べ合同事業は減少傾向にあるようで す。先生方が指摘する同校最大のメリットは「日常の風景として小学生と中学生が触れ合える環境がある」ことです。小学生も中学生の姿を見て普段の生活や雰囲気を知ることができ、 先生も小学生の顔を見ていることで入学してからもスムーズに受け入れることができるようです。何か仰々しい仕組みやハードで中一ギャップを無くすのではなく、あくまで自然な 雰囲気でそれを進めている印象を受けました。デザイン、手法、環境、様々な面で今後の学校のあり方について参考になりました。