長年、議会の一般質問などで提言を続けてきた「足利学校・鑁阿寺周辺が景観重点地区指定」が実現いたしました。少し遅くなりましたが、あらためて経緯や内容について解説いたします。

今回指定された景観重点地区

魅力的な観光都市として多くの観光客を迎え、市民の利便性や郷土愛を高めるためにも、足利学校・鑁阿寺周辺の景観整備は重要です。当エリアは、昭和57年から開始された石畳通りの路面整備、足利学校復元事業、土地区画整理事業などの結果、魅力的な観光資源に生まれ変わりました。ですが、景観という意味においては、空き地や空き店舗が散見され、大きな看板などが目につき、まだまだ改善の余地があると考えられています。
足利市は、平成21年に景観計画、平成22年に景観条例を制定し、景観行政団体として、まちの景観をより魅力的にしていく方向にかじを切りました。計画に基づき、修景補助やまちなみ景観賞による顕彰、啓発などを行ってきました。しかし、進行していない重要な政策が残されていました。それが景観重点地区の指定です。景観重点地区に指定することで「指定されたエリアにおいて、まちづくりの方向性を明確化し、より細かい規制を定め、さらなる修景などの支援制度を強化し、景観整備を推進できる」はずです。

ちなみに、足利市景観計画にも「足利学校及び鑁阿寺の周辺を“足利を代表する景観”としての景観重点地区指定に向けて検討します。」とうたわれていました。

そしてこの制度の大事なポイントが、地元の方々がいかに主体的に考えられるかです。市が勝手に計画を立てて規制しても、その真意は伝わらず結果に繋がらない場合が多々あります。そうではなく「自分たちの住むまち、営むまちをどうするか」という重要な課題を自分たちで議論し叩き上げることで、制度の真意を理解し、徹底できるようになります。実際に当該エリアでは何度も勉強会や意見交換を実施されてきました。私もそれを何度も目の当たりにしましたが、とても熱心に議論されており思いが伝わって参りました。

そして、地域の方々のご理解と積極的な議論により、2019年 2月 1日に足利学校・鑁阿寺周辺の32haが、晴れて景観重点地区に指定されました。これにより、歴史観光都市にふさわしい景観形成が促進され、それを害するような華美な建物が建設されることを防止できるようになりました。
そして2019年10月1日には、景観形成基準をわかりやすく解説した「足利市景観形成ガイドライン」も発表、配布されました。

□足利市景観形成ガイドライン
→ https://www.city.ashikaga.tochigi.jp/uploaded/attachment/54599.pdf

□足利市景観計画
→ https://www.city.ashikaga.tochigi.jp/uploaded/attachment/55315.pdf

今後は同制度を意見交換会、講演会、広報誌などで周知・意識啓発をし、修景補助などの支援制度を強化することが必要と考えます。本格的な歴史景観まちづくりの土台がようやく出来あがりました。大事な、大事な一歩です。


□過去の議事録(H28.3)→http://sueyoshi-toshihiro.com/?page_id=673
□過去の議事録(H29.6)→http://sueyoshi-toshihiro.com/?page_id=1233
□過去の議事録(H29.9)→http://sueyoshi-toshihiro.com/?page_id=1384

草津町の路面標示(左)足利市のトランス(右)

 

足利市景観形成ガイドライン(PDF・ダウンロード可)