2016年2月6日、北朝鮮が事実上の長距離弾道ミサイルを発射し、沖縄県上空を通過するという重大事件がありました。
実はそのタイミングで私は沖縄に滞在していました。発射の数分後、全国瞬時警報システム「J-ALERT」からの緊急速報を受けました。栃木で登録した携帯電話でも対象地域にいる場合は送信されます。また、各公共施設やマスコミにも情報が伝達されるため、急にテレビの画面が変わり情報を伝えてくれます。
発射の同時刻、私はホテルのロビーにいました。
そこにいた人たちの携帯やスマホ、テレビから聞きなれない警告音(災害によって音が違う)が流れ、画面を見ると「ミサイル」の文字。
ロビーはにわかに信じがたいような、人によっては笑みを浮かべているような異様な空気に包まれました。
しかしながら、津波や地震と違いミサイル攻撃に対して
「自分たちがなにをすべきか」
「どうやって命を守るべきか」
分からない方が大半だと思います。
そんなことを想像して生きている人はほとんどいないのではないでしょうか。
実際、そのとき避難行動をとった人は一人もいませんでした。
沖縄に東洋最大のアメリカ軍基地を保有し、自衛隊が各地に展開していても、このような暴挙を行う国が1000kmの距離に存在しています。
右だの左だのいろいろな意見があります。反戦や平和を唱えることは悪いことではありません。政治家としても市民、国民の生命と財産を守る事は最大の使命だと考えています。
そのためにこういった現状をしっかりと捉え、テロや武力攻撃などに対する住民の備えということも視野に入れていく必要があります。
危険なのは「怖い」「見たくない」「面倒くさい」などの理由で考えることを麻痺させてしまうことではないでしょうか。
私たち日本人は70年もの長きに渡り戦争をしてきませんでした。
それは素晴らしい事ですが、戦争の記憶は遠く霞んでいます。
「戦争なんか起こらない」「アメリカがなんとかしてくれる」そういった戦争と平和に対する「思考麻痺状態」から脱却し、国民全体で「郷を家族を命を守る」ための議論を深めていく必要があると、あらためて感じた事件でした。
【画像】消防庁