今回の一般質問の一部内容を掲載いたします。
具体的に動きや成果があったもの、はじめて明らかになったものを中心に掲載しておきます。

※当局の答弁は質問をしながらメモをとったものですので、正確なものではない場合がございます。詳細は後ほど議事録でご覧ください。

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■防災行政について(危機管理体制、情報の収集・発信、消防組織、観光産業への対応)

【消防組織】
●末吉:今回の災害対応の課題から、早急な消防組織の体制見直しが求められる。市内全域に渡る大規模な災害に対応するために、以下の提言をさせていただく。
⑴通報の集中が予想される際の情報収集・処理・伝達体制の整備
500件もの通報に対し、それを休みなく受け続けていくと、通常配置の職員だけでは対応しきれない。通信指令課OB職員の臨時配置や、休暇に融通を効かせるなどで、人員を確保できないだろうか。例えば通報対応と情報精査の2班交代体制で、情報を処理する能力を向上させることができると考える。
また、災害対策本部および危機管理課と消防が常に重要な情報をやりとりできるホットラインを形成することも有効と考える。
⑵車両・部隊の状況を俯瞰し総合的に指示ができる体制の整備
緊急状態で場当たり的な指示にならないように、総合的な指示を出す専門の職員を配置することにより、冷静に判断ができる環境を整えられる。
⑶即応性のある決断をするための災害対策本部へ出向する役職の見直し
災害対策本部との物理的距離、判断のスピードの遅れが人の命を左右することもある。災害対策本部には消防長ではなく消防次長などを置くことにより、消防本部の即応性が向上する。
以上、所見を聞きたい。

△消防長
⑴について
提言の通報の整備だが、通信指令課の業務は、専門的であり熟練した職員でなければその運用が難しく情報処理はできない。これらのことから、OBの臨時配置は困難であると考えるので、本部職員の増員などで対応したい。またホットラインの形成については、その必要性について検討する。
⑵について
指令課の総括できる立場は通信指令課長であり、総合的な判断ができるよう、補佐できる職員を配置し、現場の活動状況に応じた指示ができるよう整備する。
⑶について
緊急時の判断や決断が迫られる事案の対応について、消防長、消防次長が対応しているが、今後は柔軟に対応したい。

●末吉:来年度、本格的に運用される水難救助隊は市民にとって大変心強いものとなると期待をしいる。今回を期に装備も旧式ではなく、こういった災害に耐えうるものを整備すべきと考える。また、ボートがあっても、動力がなければ迅速な救助はできない。船外機は本市に2台しかないようだが、追加配備や高馬力のも検討すべきと考える。
また、消防団にも最低限の装備が必要と考える。船外機の付いたものではなく、現実的に大規模な訓練や船検などの維持管理が不要なゴムボートがあるだけで暴風雨、大規模な決壊に伴う水流が落ち着いた際の救助活動ができる。利根川水系総合水防演習の際に、大量に配備もされたライフジャケットもその役割を、遺憾なく果たせるのではないか。水難救助能力の強化の必要性について所見を聞きたい。

△消防長:船外機は中央消防署と河南消防署に1台ずつ配備しており、今回の災害でも急流での使用ができなかったとの報告もあることから、現在のところ追加配備は考えていない。また、消防団へのゴムボートの配備については、水難救助活動については困難性の高い活動を伴うため当面は消防職員の活動支援にあたっていただきたいと思います。しかし、今後の災害を考えますと、ゴムボートの必要性は高まってくると思われるので、消防団への配備については、検証した中で検討していく。

□足利市地域防災計画
https://www.city.ashikaga.tochigi.jp/…/bousaikeikaku2018.ht…

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今回は台風19号の甚大な被害から、多くの課題が見られたため、防災一本で勝負させていただきました。非常に多岐にわたる提言をしたかったところですが、時間にも限りがあるため、会派内で質問の融通を効かせて、できない分は同僚議員に依頼をして対応しました。
さて、今回の内容としては、主に市役所や消防本部の内部組織や体制についての質問が中心でありました。また、地域防災計画についても言及しました。
こういった大規模災害がおきますと、とかく組織というのは防衛本能が働き、「市は適切に役割を果たした!」と内包している問題を認めず、改善につながらないことが多々あります。本市の場合、10月18日の記者会見の段階から、市民やメディアに対し、「課題を認めしっかり改善していく」といった、和泉市長をはじめとした当局の真摯な姿勢を見せていただきました。これは大変勇気のいることだと思います。そして、市民の命と財産を守ることを最優先とした、覚悟の現れだと捉えさせていただきました。
今回の一般質問でその覚悟が現れたような、建設的で前向きな答弁が多く見られたことは、足利市の防災力立て直しの大きな原動力となるはずです。