足利をげんきにするプロレスラー

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平成29年第2回定例会(6月)

1.スポーツ振興について(ツール・ド・とちぎ/少年スポーツ)
2.公共施設マネジメントについて(周知・啓発/遊休施設/歴史文化財保存・展示施設)
3.まちづくりについて(無電柱化)

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◆3番議員(末吉利啓) 発言の機会をいただきましたので、順次質問をしてまいります。
初めに、スポーツ振興のうち、ツール・ド・とちぎについてお伺いいたします。平成29年3月31日から3日間、第1回ツール・ド・とちぎが開催されました。国際自転車競技連合、UCI公認レースとして、世界トップクラスの選手による熱戦が県内各地で繰り広げられました。本市も初日のゴール地点となり、多くの注目を集めました。
本市は、ツール・ド・とちぎ実行委員会主管のもと、今回の大会をさまざまな角度からサポートしたわけですが、今大会を通して、その効果や課題をどのように総括しているのかお伺いいたします。

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◎教育次長(松村伸二) 3番、末吉利啓議員の御質問にお答えします。
栃木県全域を舞台として、2年間で県内全市町をめぐる日本初の国際公認サイクルロードレース、ツール・ド・とちぎの第1回大会が平成29年3月31日から3日間にわたり開催されました。当初の目標を上回る6万6,000人の観客動員があり、大会初日のゴール地点となった本市でも大変にぎわいました。市内のコース沿道では、地域の皆様が作成したのぼり旗を活用し、多くの子供たちと一緒になって選手たちに大きな声援を送っていました。本物のプロスポーツを間近に体験することができ、地域における交流の促進や子供たちの将来の夢の醸成にもつながった、すばらしい機会となりました。
大会の開催に当たっては、自治会や関係団体、公募ボランティアの方々による安全確保の協力や市内高校生によるイベント会場での案内や誘導、足利工業大学の学生が作成した観戦マップの提供など、地域を挙げての大会となりました。大会の開催概要や交通規制についての周知を早期に取り組んだ結果、コース周辺の市民の皆様にも御理解をいただき、当日も含め、大きな混乱やトラブルもなく、大変スムーズに競技を進めることができました。一方、県や実行委員会等との連絡調整に時間がかかり、ゴール会場でのイベントなどの決定がおくれるなどの課題はありましたが、今回開催した結果を検証し、次回以降の取り組みに生かしてまいります。

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◆3番議員(末吉利啓) 先ほどの答弁にもありましたとおり、これだけの短期間で各課が手を携え、市民の皆様と連携体制をとれたということは非常に高く評価ができることだと思います。
再質問いたします。私も、当日はゴール地点で観戦をさせていただきました。一瞬ではありましたが、大変迫力のある熱戦を目の当たりにして大きな刺激を受けました。しかしながら、これほどの世界的な大会にしては観戦者の数が寂しいと感じたのも事実であります。大変すばらしい大会ですので、さらに多くの方に御観戦いただきたいと考えます。
言うまでもありませんが、こういった大規模な大会では、集客を積極的に行い、多くの市民にプロスポーツに触れてもらうことが重要です。次回に向けてさらなる集客方法の検討やPRを実施すべきと考えますが、具体的な対策は考えているのかお伺いいたします。

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◎教育次長(松村伸二) 再質問にお答えします。
今大会のPRにつきましては、市ホームページや広報あしかがみへの掲載、またコース周辺世帯へチラシを全戸配布、また市の広報車による巡回、それとコース沿道の小中学校への周知などを行ってきました。今後は、県や実行委員会と連携を密にしながら、SNSの活用など、さらなるPRをしてまいりたいと考えております。

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◆3番議員(末吉利啓) 今回、平日の昼間の開催でしたので、サイクルロードレースに興味があるであろう若い世代が観戦に来られない、そういった実情もあったかと思われます。平日の昼間、時間がとれる地元の小中学校や地元自治会などに今回以上にお声がけするなど、開催日や時間によってターゲットを柔軟に変えることも御検討ください。
再質問をいたします。スポーツ振興の観点から、サイクルスポーツに限らず、プロスポーツに市民が直接触れていただけるチャンスをできるだけふやしていきたいところです。結果として、観戦した市民がそのスポーツをやってみたい、次回も観戦してみたいと思えるような、次につなげる仕掛けが必要だと考えます。例えばプロ選手に直接子供たちが指導を受けたり、Jリーガーと写真撮影ができたり、ジュニアクラブ等の募集ブースを会場内に用意したりと、さまざま考えられます。御所見をお伺いいたします。

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◎教育次長(松村伸二) 再質問にお答えします。
プロスポーツへのかかわりとしましては、スポーツをする人、見る人、支える人といった観点がスポーツのかかわりとしてございます。プロスポーツは、見るスポーツとして幅広い年齢層に親しまれ、特に青少年に対しましては、スポーツに対する夢と感動を与え、みずからがスポーツを行うきっかけとなるということから、青少年の健全育成やスポーツの裾野を広げる大きな役割を担っていると思います。
栃木県内では、現在7つのプロスポーツチームが活躍をしております。最近、記憶に新しいところで、バスケットボールのBリーグ初代王者となったリンク栃木ブレックス、この活躍は多くの県民に感動を与えまして、地域振興や地域の活性化につながったものと考えております。本市でも、リンク栃木ブレックスのプレシーズンマッチの開催、また栃木SCサッカー教室、読売ジャイアンツ対全足利クラブの交流戦など実施をしてきております。今後も、プロスポーツ選手などのトップアスリートを活用しまして、青少年を含む全ての市民がスポーツへの参加意欲を高めていけるよう、チーム関係者と今後協議をして、働きかけをしてまいりたいと考えております。

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◆3番議員(末吉利啓) 私ごとではありますが、子供のころに全日本プロレスのジャイアント馬場さんの試合を間近で見たり、当時の大関霧島、今の陸奥親方と直接お話をさせていただいたことは、私の人生にとって大きな刺激となりました。ぜひ、ツール・ド・とちぎを初めとしたプロスポーツが開催される機会には、そういった次につなげる仕掛けを積極的に行い、スポーツ振興を進めていただければと思います。
次の質問に移ります。少年スポーツについてお伺いいたします。小中学生を初めとした少年スポーツの振興は、子育てしやすいまちを目指す本市といたしましても大変重要な要素です。一生懸命スポーツに打ち込む子供たちが生き生きとプレーできる施設環境、スクールやチームの指導環境などは、子供の成長を願う働き盛りの親御さんにとっても定住先を決める重要な判断材料になります。
そこで、今回はスポーツに打ち込む子供たちの励みとなるような体制づくりについて質問をいたします。現在、本市ではどのような取り組みを行っているのかお聞かせください。

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◎教育次長(松村伸二) ただいまの御質問にお答えします。
青少年スポーツ推進にとって励みとなる施策の取り組みについてですが、スポーツ分野において、小学生からおおむね40歳までの方を対象に、全国規模の大会で優秀な成績をおさめた選手及び将来を期待される若手有望選手の活躍に対して顕彰や支援を行う若手スポーツ有望選手育成事業を実施しております。さらには、小学生から一般の方を対象に、全国大会、国際大会に出場する選手、監督に対し、足利市教育委員会や足利市体育協会から激励金などの贈呈を行っております。
これまで、足利市の代表として全国大会へ出場する選手等を対象に、競技意識の高揚を図り、選手の活躍を期待して、足利市体育協会と合同による壮行会を開催してきました。しかしながら、壮行会を開催するに当たっては、各種目における大会の開催時期や全国大会の代表に決定する時期が異なる等の理由により、現在、他競技合同の壮行会の開催が困難になったことから、出場選手の希望による市長表敬訪問の形に変え、激励をしているところです。なお、中学校体育連盟主催の全日本中学校体育大会及び関東大会出場の際には、足利市中学校体育連盟による激励会を開催しています。今後も、青少年スポーツの推進を図るべく、子供たちにとって励みとなるような取り組みを実施してまいります。

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◆3番議員(末吉利啓) 先ほどありました若手スポーツ有望選手育成事業は、有効な事業だと考えます。また、激励金、壮行金事業についても同様に効果のあるものだと考えています。
では、壮行会について再質問いたします。先ほど答弁のありました理由はあるにしろ、壮行会自体を全て休止することは影響が大きいものと考えます。今まで応援してもらえていたのに、いつの間にか応援してもらえなくなったというのは、子供や親御さんにとって本市への不信感やモチベーションの低下につながります。市長や教育長から市役所などで直接激励してもらえることは、子供たちにとっても親御さんにとっても大きな刺激になりますし、足利市は僕たち、私たちを応援してくれていると感じ、郷土愛の醸成にもつながります。本市の看板を背負って頑張っている子供たちを市を挙げて応援できる体制を整え、自信と誇りを持って戦えるように壮行会を再開すべきと考えますが、いかがでしょうか。

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◎教育次長(松村伸二) 再質問にお答えします。
小学生、中学生の全国大会につきましては、春休み、夏休みといった期間中などに開催されることが多いという現状もございます。こうしたことから、体育協会の専門部と連携を図り、また新聞等の情報を収集などしまして、今後は日程調整ができるものなどにつきましては壮行会の再開を検討していきたいというふうに考えております。

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◆3番議員(末吉利啓) もろもろ事情はあるとは思いますが、私たちの1年と子供たちの1年は違います。ぜひスピード感を持って御検討ください。
再質問いたします。壮行会や激励金、壮行金について、人事異動や選挙などで当局の体制が変わりますと、縮小されたり、廃止されたりしてしまうおそれがあります。そのたびに実施をしたり、しなかったりしますと、また不信感を与えることとなります。そういった事態を招き、子供たちを振り回さないためにも、内規等を改定し、しっかりと文章に明記すべきだと考えます。
現在、激励金、壮行金については、その基準などの規定が示されています。壮行金に関しては制度の周知義務を、壮行会に関しては開催義務とその基準について明記できるよう検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。

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◎教育次長(松村伸二) 再質問にお答えします。
壮行金、激励金につきましては、当該個人及び団体からの申請に基づきまして贈呈をしているところでございます。今後は、皆様が申請しやすいようにホームページ等へ掲載し、制度の周知を図ってまいりたいと思います。

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◆3番議員(末吉利啓) ぜひ内規等への規定の明記、こういったことも御検討ください。
続きまして、再質問いたします。スポーツ団体や子供を持つ親御さんに聞くと、壮行会及び激励金、壮行金の仕組みが情報として正確に伝わっていない、あるいは周知が徹底していない印象があります。先ほども御指摘した制度の周知義務を内規等に明記し、必要とされる方々にしっかりと伝わるよう御尽力いただきたいと考えます。
具体的に申し上げますと、先ほどの答弁にもありましたが、まずは紙媒体で、広報あしかがみに制度の説明を少なくとも年に1度は掲載する、各スポーツ団体にもチラシ等で改めて周知を実施していただければと思います。さらには、市のホームページにも当制度を説明するページを開設し、PDFなどで申請書をダウンロードできるようにしていただければ、万が一の情報伝達漏れを減らすことができるはずです。御所見をお聞かせください。

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◎教育次長(松村伸二) 再質問にお答えします。
今後は、全国大会が多く行われる時期に先駆けまして、議員御指摘のとおり、広報あしかがみやホームページでの周知をしてまいりたいと思います。また、個人申請制度でありますので、申請漏れ等、ある場合が多々あります。そういったところを防ぐためにも、各小中高校、また足利市体育協会の専門部、こちらのほうにも制度の周知、広報なども行って、広く情報発信に努めてまいりたいと思います。

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◆3番議員(末吉利啓) 前向きに御検討いただけるとのことです。せっかく市民のスポーツ振興のためにつくられた制度ですので、必要とする方々に的確に周知し、より効果的に運営していただければと考えます。これを機に、足利市で頑張っている子供たちを足利市が全力で応援できる体制を再構築していただけることをお願いいたします。
次の質問に移ります。公共施設マネジメントについて、周知・啓発についてお伺いいたします。当会派の荻原議員、横山議員からも大局的な質問がありましたが、私からはより具体的な課題について質問をしてまいります。平成28年5月に足利市公共施設等総合管理計画が発表され、本市の公共施設の現状が明らかになりました。大変衝撃的な内容ではありましたが、市民の皆様や市役所職員へはまだまだ周知、啓発が不足しているように感じます。市民や市役所への周知、啓発は現在どのように行っているのかお伺いいたします。

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◎政策推進部長(相川建司) ただいまの御質問にお答えします。
市民などへの周知、啓発についてです。平成28年5月、足利市公共施設等総合管理計画を公表し、本市の公共施設の現状や今後の基本方針について広報あしかがみやホームページにより周知してきました。また、直接的な周知として、公共施設担当職員が地域の会議等に出向いて説明する出前講座により啓発を行ってきました。一方、市職員に対しても、1人ひとりのマネジメント意識の向上を図るため、外部の講師による研修会を実施しました。
公共施設のマネジメントを着実に進めていくためには、公共施設の現状とあり方について市民の皆さんに丁寧に説明し、情報を共有していくことが重要です。同時に、市職員も本計画の策定意義等を十分に理解し、意識を高めていく必要があります。引き続き広く周知を行うため、出前講座や研修会を実施、充実させていきます。
また、各施設の利用状況、維持管理コスト、老朽化状況などのデータをまとめた施設カルテを作成しましたので、現在その公表に向けて準備をしているところです。今後、公共施設の現状などについて、多くの方に御理解をいただけるよう努めていきます。

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◆3番議員(末吉利啓) ただいま御答弁のありました施設カルテは、各施設に関する客観的で具体的なデータが示されたものだと聞いています。今後の議論において大変重要なツールとなり得るものですので、有効に活用していただきたいと考えますし、市議会議員有志で組織されたワーキンググループでも参考にさせていただければと考えております。
市役所職員への周知、啓発について再質問いたします。平成32年までに施設分類ごとに個別施設計画を策定するよう、国の方針が示されました。今後は、複合化や統合に対する国からの予算措置も個別計画の策定が条件になってくると聞いています。
しかし、このように公共施設の整理統合は待ったなしの状況にもかかわらず、本腰を入れて庁内で議論ができる体制ができていないのが現状です。先ほど研修等、出前講座等をやっていると答弁がございました。回数まではお聞きしませんが、決して多い数ではないと聞き及んでおります。この問題を庁内でしっかりと共有し、各部署が当事者意識を高く持つために継続的な研修や勉強会を実施すべきと考えます。なお、その際には、役職によってそれぞれが担う役割が違うことから、管理職と担当者を分けることも検討すべきと考えます。御所見をお伺いいたします。

P.97
◎政策推進部長(相川建司) 市職員の公共施設のマネジメントを向上させることは大変重要であると考えております。今後も、機会を捉えまして、外部の有識者あるいは既に具体的な計画を策定した先進自治体の担当職員などによる研修会なども実施していきたいと考えております。また、その内容によりまして、議員御指摘のとおり、受講対象者を分けて実施するということも必要ではないかと考えております。

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◆3番議員(末吉利啓) ぜひ、研修に関しましては、継続性とターゲティングをしっかりと重視していただけたらと思います。
続いて、市民への周知、啓発について再質問いたします。各公民館で実施をしている寿大学のような高齢者学級での講座への出前、有識者や先進自治体職員を招聘したシンポジウムの開催、わかりやすいパンフレットの作成、あるいは映像のまちの特性を生かした啓発動画の制作などを実施し、市民への今以上の周知、啓発を進めるべきと考えます。問い合わせがあれば行きますよといった待ちの姿勢ではなく、みずから出向いていく姿勢が肝要かと考えますが、御所見をお伺いいたします。

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◎政策推進部長(相川建司) 議員御指摘のとおり、将来の公共施設のあり方を考える上で、まずは市民の皆様に公共施設の現状を知っていただくことが必要だと考えております。そのため、周知、啓発を進めるためには、市民の皆様に直接説明する機会をふやしていくことが効果的であると考えておりますので、例えば出前講座などを積極的に実施していきたいと考えております。

P.98
◆3番議員(末吉利啓) 市民への周知、啓発が必要あるいは重要という御認識であったかと思いますが、私は、さらに、その啓発、周知というものが大前提であると認識しております。
公共施設の整理統合は、100%の合意形成が極めて難しい案件です。大変な問題ですが、我々の世代で道筋をつけていかなくてはいけない、極めて重要な課題でもあります。道半ばで反対運動などが起き、議論の腰が折られてしまわないよう、市民の間に少なくとも総論賛成の土壌をつくる必要があります。よりスピーディーで積極的な周知、啓発をお願いいたします。
次の質問に移ります。遊休施設についてお伺いいたします。足利市公共施設等総合管理計画によりますと、本市の旧保育所、旧学校など、現在は使われていない、いわゆる遊休施設は合計7施設、延べ床面積にして5,812平方メートルとなっています。今後、これらの遊休施設の方向性についてどのように考えているのかお聞かせください。

P.98
◎政策推進部長(相川建司) ただいまの御質問にお答えします。
今後の遊休施設についてです。公共施設などの公有財産は、市が行政サービスを行うために取得、整備してきたものです。議員御指摘の施設は、以前は学校、保育所、養護老人ホーム、勤労青少年ホームとして使用されていました。しかし、社会状況の変化などにより、本来の行政目的に沿った利用が終了したまま市が継続して保有しており、現在も維持管理を行っています。これらの施設をこのまま保有し続けることは、その維持管理費や防犯、防災上に課題があります。今後、遊休施設については、足利市公共施設等総合管理計画で示した方針に基づき、土地の所在や形状、法規制、建物の構造や規模等の実態を踏まえ、公共利用はもとより、民間による利活用の方法を個別施設ごとに検討していきます。いずれにいたしましても、遊休施設は大切な財産ですので、有効に利活用することができるよう慎重に議論していきたいと思います。

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◆3番議員(末吉利啓) 再質問いたします。
一般企業であれば、使っていない土地や建物について、どのように活用し、お金を生むかを考えます。しかしながら、市役所は不動産利活用のプロフェッショナルではありませんので、発想にもおのずと限界があります。
そこで、遊休施設について、建物の老朽化状況、面積、構造、活用可能な業種、法的制限などの詳細な情報を一般に公開し、広く利活用のアイデアや事業者を募ることも有効な手段と考えます。御所見をお伺いいたします。

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◎政策推進部長(相川建司) 遊休施設の利活用につきましては、まずは公的利活用も含めまして内部で検討していきたいと考えております。その後、必要に応じまして、その利活用については広く意見や提案を求めるということも考えていきたいと思います。例えば最近では、民間事業者との対話を通じ、市場性などを把握していくサウンディング型市場調査という手法もございますので、広く有効な利活用について検討していきたいと考えております。

P.99
◆3番議員(末吉利啓) サウンディングは非常にフットワークよくできる手法だと思いますので、積極的に取り入れていただけたらと思います。
再質問いたします。公共施設等総合管理計画に示されている公共施設には、単に利用者が少ないとか老朽化しているから除却すべきと論じ切れないものもあります。例えば江戸時代につくられた足利学校の聖廟や茶室の物外軒がそうです。古くなっても文化財的価値があるので、現在も残っているわけです。
しかしながら、明治、大正、昭和のいわゆる近代化遺産は、その価値が見出される間もなく取り壊されるケースがほとんどです。公共施設マネジメントにもそういった歴史的な建物の価値を冷静に判断できる仕組みを取り入れるべきと考えますが、いかがでしょうか。

P.99
◎教育次長(松村伸二) 再質問にお答えします。
市内の貴重な建物につきましては、国・県・市の文化財の指定制度があります。この指定をすることによりまして、保存管理をこれまで行ってきております。しかし、近代化建物につきましては、住居や事務所、工場といった、現在使用しているもの等も多くございます。こういった管理条件の厳しい指定制度になじまないということから、国の登録有形文化財の制度を活用しまして、現在、これまで建築物47棟を登録することで保存を図ってきております。このような制度をこれからも活用し、所有者の理解が得られるものにつきましては今後も登録を進めていきたいというふうに考えております。なお、建造物も含めまして貴重な文化財の保存につきましては、今後も文化財専門委員の指導を仰ぎながら対応してまいりたいというふうに考えております。

P.99
◆3番議員(末吉利啓) 文化財に指定をされたり、登録をされたりと、そうなっている建物については議論がしやすいところではありますが、そうなっていないものが取り壊されていくケースもございます。そうできない事情もあるとは思いますが、こういったケースも念頭に入れて御検討いただけたらと思います。
再質問いたします。そんな歴史的な公共施設の中でも、旧大久保分校は昭和4年に建てられた貴重な近代化遺産の一つです。かつては市内にも多くあった戦前の木造校舎も、現在はこの大久保分校と旧相生幼稚園こと旧栃木盲学校の2件のみです。大久保分校に関しましては、その歴史的な価値から、先ほどの提言も踏まえ、積極的に市民と連携をして活用を考える必要があります。御所見をお伺いいたします。

P.99
◎教育次長(松村伸二) 再質問にお答えします。
もとの大久保分校の校舎建築物につきましては、議員のおっしゃるとおり、教育委員会で近代化遺産の建造物ということで現況調査をしております。市内でも最も古い学校の建築物であるということを把握しております。しかしながら、最近までは学童保育、また選挙の投票所等に使用されるなど活用をされてまいりましたが、老朽化が激しくなり、現在は利用できなくなっております。こういった老朽化が大きな問題となりますことから、今後、必要に応じまして、文化財専門委員会等の指導を仰ぎながら、また活用等に関しましては、市全体の公共施設の見直し、こういった中で検討をしてまいりたいと考えます。

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◆3番議員(末吉利啓) 先ほどのサウンディング調査も含め、まずは老朽化をしたから取り壊すというのが前提ではなく、できる限りさまざまな可能性を探っていただけたらと思います。
公共施設整理統合の目標となる指標の一つは延べ床面積です。これをいかに効率的に削減するかが各自治体に求められている中で、現在使用されていない遊休施設は最も手をつけやすい施設になります。まずはできるところから着実に実施をすることが、公共施設の最適化を進める大きな推進力となるはずです。積極的な御検討をお願いいたします。
次の質問に移ります。歴史文化財保存・展示施設についてお伺いいたします。歴史と文化のまちである本市に博物館がないことは、何十年も前から多くの市民や議会においても指摘をされてきました。財政難や方向性の不一致などさまざまな事情から、現在まで前進することはありませんでした。
しかし、今回の公共施設マネジメントは、複数ある施設を統合あるいは複合化するという大きな柱があります。本市の歴史文化財保存・展示施設のこれからを考える最大のチャンスと考えます。御所見をお伺いいたします。

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◎教育次長(松村伸二) ただいまの御質問にお答えします。
本市には多くの貴重な文化財があり、その保存や市民が郷土史を学習できる機会を提供することは、本市への愛着を醸成する意味でも非常に大切なことであると考えております。
現在、文化財等を常設的に展示及び収蔵している施設は、郷土資料展示室やふるさと学習・資料館、民俗資料室があります。郷土資料展示室では、発掘調査の出土品の展示、収蔵及び整理作業を行い、ふるさと学習・資料館では、民俗資料及び西部地区の発掘出土品を展示、収蔵するなど、この施設において学校教育や生涯学習の中で歴史と文化の学習の場を提供しております。民俗資料室においては、主に民具等の収蔵庫として使用をしております。いずれも廃校や使用されなくなった施設を活用しているもので、限られたスペースであるため、展示に関しては十分な施設とまではいかず、2カ所に分散する形となっております。施設も老朽化しており、今後は、議員の御質問にございますとおり、今回の公共施設マネジメントを機に、全体の公共施設の見直しの中で、歴史と文化のまち足利にふさわしい文化財の保存、展示施設のあり方について検討していく必要があると考えております。

P.100
◆3番議員(末吉利啓) 再質問いたします。
先ほど御答弁のありました3施設の問題点を4点挙げさせていただきます。まずは、3施設がそれぞれ、東砂原後町、小俣町、月谷町と遠隔地にあり、極めて管理がしにくい状況であること。2点目は、廃校やクリーンセンターの旧事業所を利用しているため、雨漏りをしていたり、トタンの外壁が剥がれていたり、温度や湿度の管理ができなかったりで文化財の保存環境が良好ではないこと。3点目は、平成28年9月の一般質問の答弁にもありました、国指定重要文化財になり得るような貴重な瓦を初め多くの貴重な文化財が日の目を見ることな眠っている点です。まさに宝の持ち腐れです。最後に、市民や観光客の認知度が極めて低い点です。郷土資料展示室の年間来場者は600人程度です。年間400万人の観光客を誇る本市で、年間600人という数字は深刻に受けとめなくてはいけない事実だと考えます。
そこで、以上のようなさまざまな観点から、3施設を統合し、より管理しやすく、より多くの方に見ていただける施設とする必要があると考えますが、御所見をお伺いいたします。

P.100
◎教育次長(松村伸二) 再質問にお答えします。
御指摘の3施設が持つ機能を1カ所に統合するといったことに対しましては、利用者の利便性や学習機能の面から、また文化財の保存環境からも1カ所にすることは好ましいというふうに考えております。しかしながら、今後の統合等につきましては、公共施設の見直しという中で、文化施設の持つ重要性を検討しながら考えていきたいというふうに考えます。

P.101
◆3番議員(末吉利啓) では、議論の皮切りに具体的なアイデアをひとつ御提案させていただきます。
先ほどの3施設を現在使用されていない大月町の東部学校給食共同調理場へ統合するという案でございます。歴史民俗資料室のある東砂原後町は、第1種住居地域で不動産価値が非常に高いエリアです。移転をし、建物を取り壊した跡地をリース等で利活用することで継続的な収入が得られ、統合に伴う事業費を捻出することができます。また、3カ所あった施設を1カ所に統合できれば、約3,000平方メートルの延べ床面積削減につながりますし、新たな施設をつくるわけではございませんので、事業費も割安です。さらには、複合化、集約化につながりますので、地方債充当率90%、交付税算入率50%の総務省の公共施設等適正管理推進事業債の対象となり得る事業です。管理が効率化し、新たな観光資源にもなり、市民の郷土愛醸成にもつながり、財源も確保できる有効な案だと考えます。十分検討の余地があるのではないでしょうか、御所見をお伺いいたします。

P.101
◎政策推進部長(相川建司) 公共施設の統合につきましては、公共施設マネジメントの基本方針の一つでございまして、施設の総量の適正化を進めていくことは大変重要でございます。
歴史文化展示施設、これにつきましては、先ほど答弁したとおり、今後の検討となりますけれども、議員御提案の東部学校給食調理場跡地に統合するということにつきましては、一つの暫定的な方法でもございますので、今後御提案の内容も含めて検討していきたいと思います。

P.101
◆3番議員(末吉利啓) ぜひ前向きに調査、御検討をお願いいたします。
最後に、市長にお伺いいたします。冒頭にも述べましたとおり、国のモデル事業として歴史文化基本構想を策定し、歴史都市宣言もしている本市には博物館がありません。平成3年に博物館準備室をつくり、はや26年が経過しました。史跡樺崎寺跡の整備も、国と連携し、多くの予算が投入され、順調に進んでいます。鑁阿寺本堂は国宝に指定され、足利学校は日本遺産に認定されました。さらには、先日の山姥切国広展での熱狂も、市長みずからしっかりとごらんになったはずです。これが千数百年かけて先人たちが築き上げてきた足利市の歴史が持つポテンシャルです。東部学校給食調理場跡地に統合すべきか、大日東の土地区画整理事業地に整備すべきか、あるいは史跡樺崎寺跡のガイダンス施設に統合すべきか、ほかにもさまざまな案があると考えられます。足利市の歴史観光の盛り上がりと公共施設整理統合の議論を機に、今後の足利市の歴史文化財保存展示施設をどうしていくべきなのか、本格的に議論をスタートさせるのは今しかないと考えます。市長のお考えをお聞かせください。

P.101
◎市長(和泉聡) 今るる足利市の持っている歴史文化の特性からくるお話と足利市にふさわしい施設のあり方についてお話がありました。秋には文化財の一斉公開をやっている、まさに足利氏が源流となる我々のまちであります。
今、いろいろな角度からお話がありました。樺崎寺のお話あり、大日東のお話もそうですし、あるいは新駅ができるということに絡めれば、栗田美術館等々、あの地域との連携というのも可能性としては出てくるかもしれません。いずれにしても、足利市にふさわしい施設のあり方というのは、ちょうど公共施設のマネジメントの議論が始まるところですので、そうした文化財の保存、展示も含めたことも含めて、中長期的に総合的に議論をスタートしていきたいというふうに思っているところでありまして、また市民の、そして議会のお知恵、意見も聞きながら議論を進めていきたいというふうに思っています。

P.102
◆3番議員(末吉利啓) 観光の観点からいいますと、先ほどの新駅のお話もありました。平成30年の栃木DC、さらには栃木国体、東京オリンピックと、逃がしてはいけない好機が参ります。歴史文化財の保存展示施設は、この好機に大変大きな役割を果たすと考えます。また、シティプロモーションの観点から、シビックプライドを育てるためにも、郷土の歴史を知り、誇りにつなげることもできます。これを機に、足利市が本物の歴史と文化のまちになるための議論を始めていただけるよう強く御提言をさせていただき、次の質問に移ります。
まちづくりについて、無電柱化についてお伺いいたします。平成28年12月16日に無電柱化の推進に関する法律が公布、施行されました。世界と比較しますと、ロンドンやパリ、香港などの人気観光都市は無電柱化率がほぼ100%に対し、東京23区は7%と大きく出おくれています。今回のいわゆる無電柱化推進法は、そんな日本が年間4,000万人の外国人観光客数を目指し、無電柱化推進に大きくかじを切ったことを示すものであります。
本市においても、無電柱化は景観の維持や防災、交通の安全確保に大きな役割を果たすと考えられますが、御所見をお伺いいたします。

P.102
◎都市建設部長(金子裕之) ただいまの御質問にお答えします。
地域住民の生活環境改善や地域の活性化を図るため、とりわけ防災性の向上や安全で快適な通行空間の確保、良好な景観形成や観光振興などの観点から、無電柱化はまちづくりにおいて効果的な方策の一つです。
一方、無電柱化の実施は、事業の財源確保はもとより、電柱、電線の設置及び管理を行う事業者の協力が必要であります。現在、電力、通信分野の自由化の進展に伴う事業者の厳しい経営環境や無電柱化事業のための経費を担う国、地方公共団体の財政状況に課題があり、全国的にも進んでいない状況です。
こうした中、防災、安全、快適、景観、観光の観点から、無電柱化を推進することを目的とする無電柱化の推進に関する法律が平成28年12月に施行されました。この法律には、電線を地下に埋設する簡便な方法や費用縮減を図るための方策に関する調査研究、技術開発の推進など必要な措置を講ずることが規定されております。このようなことから、今後、財政面、技術面での国の支援が期待されるところです。議員御指摘のとおり、無電柱化は本市まちづくりにおいて効果的な方策の一つと捉えておりますことから、まちの良好な景観形成等を図るため、その取り組みについては国の支援など調査研究を進めてまいります。

P.102
◆3番議員(末吉利啓) 無電柱化は、本市まちづくりにとって効果的な手法であるとの御答弁がありました。
では、具体的な無電柱化事業について再質問いたします。国、栃木県の事業も含めて、これまでの無電柱化事業の効果を本市として具体的にどのように評価をしているのかお聞かせください。

P.102
◎都市建設部長(金子裕之) 無電柱化事業につきましては、まず本市におきましては、足利学校、鑁阿寺周辺におきまして、昭和55年から現在まで約1キロメートルが実施されております。また、国道、県道におきましては、国道293号や県道桐生岩舟線などにおきまして約4.5キロメートル実施している状況でございます。これらの事業効果につきましては、安全で快適な通行空間の確保、また都市景観の向上、さらには観光振興、これなどに寄与しているものと考えているところでございます。
以上でございます。

P.103
◆3番議員(末吉利啓) さまざまな観点から、効果があったとの御答弁でございました。
再質問いたします。御指摘の効果と国の方針を鑑みた上で、現在整備計画などはありませんが、今後本市において効果が見込まれるようなエリアや道路について調査研究、検討は行っているのかお聞かせください。

P.103
◎都市建設部長(金子裕之) 平成28年度事業を終了しました土地区画整理事業大日東地区でございますけれども、鑁阿寺東門から国道293号へ通ずる道路につきましては、関係の権利者の皆様の御理解をいただいて、地下埋設ということではない手法で無電柱化を実施しております。このようなことから、足利市の顔となります足利学校、鑁阿寺周辺、現在、大日西地区、中央地区という区画整理事業も実施していることから、この周辺エリアで検討していくことが必要であろうかというふうに考えております。
以上でございます。

P.103
◆3番議員(末吉利啓) 大日東の電柱、電線に関しましては、地中化ではなく、建物の裏側を通す、いわゆる裏配線方式で低コストで行われたと聞いております。大日東門からまっすぐに延びた通りの空には障害物がなく、歴史観光都市として恥じない美しい景観をつくり出しています。
再質問に移ります。御指摘のとおり、土地区画整理事業を実施している大日西及び中央を含む足利学校、鑁阿寺周辺は有効なエリアだと考えます。観光都市として、ホスピタリティー改善や良好な景観の維持に大きな効果が期待されます。さらに具体的に言いますと、多くの車と人が行き来をする大門通はその対象となり得ると考えます。大門通の電柱がなくなることで、交通上の安全も確保できますし、スカイラインがすっきりすることで魅力ある歴史的なまちなみになり、不動産価値も上がります。また、大日西地区、中央地区は土地区画整理事業が順調に進んでいます。
無電柱化は、タイミングを逃すと立ち上げに時間とコストがかかります。区画整理が進み、新しい家や商店が建ってからルールや方針が決まるのでは手おくれになってしまいます。無電柱化推進法施行と大日西及び中央土地区画整理を機に、大日、足利学校周辺の無電柱化、さらには景観重点地区の指定をセットで進めるべきと考えます。こちらも十分に検討の余地があると考えます。御所見をお伺いいたします。

P.103
◎都市建設部長(金子裕之) 議員御指摘のとおり、土地区画整理事業とあわせて無電柱化、これを行うことにつきましては、コスト面ですとか事業期間、こういった面でメリットがあるというふうに考えております。また、この周辺地区につきましては、景観の勉強会等々も実施しておりますので、そういった地元の方々との協議、または関係機関との協議、これらも踏まえた上で検討してまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。

P.103
◆3番議員(末吉利啓) こちらはもちろん、生活されている方、御商売をされている方がいらっしゃいますので、地元の皆様や関係機関と密に協議を行っていただいて、実現に向けて御検討いただきたいと思います。
先ほどの文化財保存展示施設同様、観光客増加やシビックプライドの醸成につながる事業です。足利市が歴史観光都市として、全国に誇る美しいまちなみをつくり上げるために積極的な御検討をお願いいたします。
また、平成28年3月市議会定例会において提言をさせていただきました歴史的風致維持向上計画の策定により、無電柱化推進に関する財源措置も活用できるようになりますので、そちらもあわせて御検討ください。
以上、先ほどの都市建設部長の答弁をもちまして、私の全ての質問を終了とさせていただきます。

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