世界で導入が進んでいる自動運転は、交通事故防止だけでなく、交通弱者対策や運転手不足、観光2次交通不足など様々な課題解決が期待される技術です。国も2025年までに、高速道路などの限られた区域において、全ての運転動作をシステムが行う無人自動運転を目指し実証実験を行っています。

私自身、この技術には高い期待をしており、一般質問では以下のようなことを主に提言してきました。

⑴自動車メーカーや学術機関などと連携を模索し、実証実験の場を提供すべき。
⑵本市の様々な長期計画に自動運転化社会の視点を盛り込むべき。
⑶実験の具体例として以下の検討を。
 ・中山間地域と商業施設や病院などを結ぶ高齢者の交通手段
 ・東武足利市駅とJR足利駅を結ぶ交通結節手段
 ・織姫神社や鑁阿寺と駅などを結ぶ観光の2次交通手段

中橋を自動運転が走るイメージ

そんな中、栃木県が実施している実証実験(ABCプロジェクト)に2022年度、足利市が選定されました。提言してきた内容を市当局とも共有できたため、かなり反映していただくことができました。以下はその概要です。

■運行期間/2023年3月中旬~下旬 6往復12便
■乗車方法/事前予約と当日受付
■自動運転レベル/レベル2(運転手あり)
■走行ルート/JR足利駅→(1.8km)→東武足利市駅→(2.9km観光地)→JR足利駅
■停留所/6カ所
■車両/電動小型バスNAVYA ARMA(最高時速20km未満、最大乗客7人、ハンドル無、運転手コントローラー)
■その他/緊急時にはドライバーが対応。運行ルートに看板などで啓発。滞留防止で待避所も検討。観光協会、教育機関との連携。
■足利市実証実験 実施概要(無人自動運転移動サービス推進協議会より)
http://abc-project.tochigi.jp/doc/R4_3_shiryou3.pdf

足利市のルート

使用される車両と技術

導入の目的は、JR、東武の両駅を結ぶ、駅と観光地を結ぶ、歩車共存空間を作る、まちなかの賑わいを創出するなどです。ルートは両駅を結ぶため狭隘な中橋を渡ったり、歩行者が多い石畳エリアを通ったり、時速20kmで幹線道路を通るなど、なかなかハードなルートです。しかし、これまでの県の経験やノウハウを活かしていただいて、大きな事故のないように進めていただく事を期待しています。

これらの実験から県・市・事業者が知見を蓄積し、実装に向けた諸課題解決の基礎資料を揃えることができるはずです。ぜひ皆様も関心を持っていただき、期間中には試乗していただければと思います。

※これらは関係各位のご尽力で実現できたものであり、私の提言等はその一翼となったに過ぎません。あらためて深く感謝いたします。ありがとうございました。


【過去記事】
□【視察報告】壬生町における自動運転実証実験
https://sueyoshi-toshihiro.com/?p=2925
□【視察報告】小山市における自動運転実証実験
https://sueyoshi-toshihiro.com/?p=2913

【過去の一般質問】
□令和3年第6回定例会(技術革新によるまちづくり)
https://ashikaga-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=295
□令和元年第4回定例会(自動運転化社会への対応)
https://ashikaga-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=69
□平成30年第3回定例会(自動運転化社会への対応)
https://sueyoshi-toshihiro.com/?page_id=1874