■大きなリノベーション
岡崎市の公民連携の特徴は「大きなリノベーションと小さなリノベーションのハイブリット」です。大きなリノベーションでは行政が主体となって、市が有する多くの公共空間を整備し、市民の利活用が進み、エリアの価値が上がる仕掛けがなされました。公園として整備された「桜城橋・橋詰広場」では、週末のイベントや毎日のラジオ体操、子どもたちの自主的な清掃活動が行われています。利用者が少なかった「籠田公園」と「中央緑道」はおしゃれな空間に生まれ変わり、ビジネスマンや子連れなどの利用者が増加しました。
公共空間を整備するにあたっては、魅力的でエリアの価値を高めるようなデザインが重要だと痛感しました。そして誰がどのように使うか、何が望まれているのか、それを深堀する過程も重要です。
■小さなリノベーション
公共空間の大きなリノベーションに触発され、民間事業者や住民による「小さなリノベーション」が起こってきました。籠田公園周辺にはカフェやジューススタンド、セレクトショップなど、個性的な店舗がたくさん並んでいます。QURUWA戦略の開始以来、同エリアには多数の新規店舗がオープンしています。2019年から2023年にかけての出店は75店舗(年度平均15店舗)を超えているそうです。
■人を育て発掘する仕組み
「小さなリノベーション」の一因には同戦略の一環で市が取り組んできた「リノベーションまちづくり」があります。リノベーションまちづくりとは、まちの遊休不動産や人的資源など、今ある資産を活用して地域課題を解決する取り組みです。同市では2016年と2020年にかけて、遊休不動産を対象にビジネスプランを考える実践型のスクール「リノベーションスクール」が4回開催されています。
また、公共空間再整備に向けたワークショップなどをきっかけに、地域の連携が高まり、学区や町内会の枠を超えた組織「QURUWA7町・広域連合会」も発足しました。他人事ではなく自分事として、パブリックマインドを持った市民が増え続ける仕掛けは必須だと感じました。
■水辺と夜景
水辺の活用も進んでいて、乙川周辺では「オトリバーサイドテラス」の様なハード整備や、市民団体によるオープンカフェやビアガーデンなどの社会実験的ソフト事業が進められました。特に後者は様々な事業が行われ、楽しい水辺の未来を共有することで、本格的な事業へ発展させる流れができあがっていました。
更には夜景スポットを創出して、夜の経済活動を促している点も参考になりました。
■足利への応用と展開
岡崎と足利の共通点は町の中心に川が流れていることです。岡崎に比べ、足利はまだまだそのポテンシャルを活かしきれていません。だからこそ、そこには大きな可能性が広がっています。また、川から駅が近い点も共通しています。それはすなわち、市外からの集客が見込めるということです。水辺や使い切れていない公共スペースを、住民や事業者と深い議論を経て再整備をし、魅力的なコンテンツを呼び込み、プレイヤーを増やしていく。岡崎には足利が楽しい未来に向かう重要なヒントが沢山あります。まだまだ咀嚼しきれていませんが、引き続き研究していきたいと思います。










