栃木県の緊急事態宣言発出から2週間近くが経過し、新規感染者数などに一定の効果が表れてきています。今回は自宅で待機されている「入院調整中・自宅療養中」方への支援について、私の考えをお伝えします。

この方々はPCR検査により陽性が判明したものの、比較的軽症や無症状の方であり、重症者用ベッドを確保する等の理由から入院調整中として自宅等にて療養をしていただいている方です。昨年12月中旬では80名程度でしたが、1/12時点では表のとおり970名と、わずか1ヵ月で10倍以上に急増しています。(※1/24時点は495名。全国では1/23時点で35,394名)
そうなりますと、入院や治療が必要な方も入院することができない、あるいは自宅で容体が急変し亡くなるというケースも増えていきます。

県は「無症状者や軽症者も宿泊療養施設で受け入れる」方針を示しています。昨年12月24日の「栃木県医療危機警報」発令の際には、県南に宿泊療養施設を開設するとのことで、報道では90室が追加されるようです。

感染者自体を増やさない対策がなによりも重要ですが、同時に上記の方々に対する支援も求められています。

感染をされた方は症状にもよりますが体力が落ち、様々な不安から精神的にも追い込まれていると聞きます。

「誰かに感染させてしまったのでは...」
「子どもが学校でいじめられたらどうしよう」
「このまま症状が治らなかったら...」
「誰かに感染させるかもしれないから一切自宅からは出られない」

こうした方々に対し、県の保健所は入院調整と毎日の健康観察しかすることができません。またそれ以上のことをできるだけの、人的、時間的余裕はないようです。

「感染症対策は都道府県の仕事」

一般的にはそうかもしれませんが、こういった非常事態だからこそ市町村のできることを、前例を超えて検討すべきだと考えます。

そこで、今回提出した会派要望には、その対策として以下の3点を掲載いたしました。
□会派要望→https://sueyoshi-toshihiro.com/?p=2555

1. 入院調整中または自宅療養中の市民に対し、配食や衛生物品配布等の生活支援、メンタルケアを目的とした相談窓口の開設等の支援措置を、栃木県と協議し早急に実現すること。

2. 業務が増大している栃木県安足健康福祉センターに対し、現在行っている市職員派遣事業の拡大を講ずること。

3. 急増する入院調整中の自宅療養者のため、市が実情を把握し、その上でホテルや本市所有公共施設等を療養施設として設置するため、県と協議を進めること。

1.についてはお隣の館林市がコープと提携して、食料を配送する業務を開始しました。
□詳細→https://mainichi.jp/articles/20210120/k00/00m/040/088000c
また、市役所全体とするとコロナ禍で各行事やイベントが中止になり、業務が減っている部署もあるはずです。なんらかの人のやり繰りを検討する余地があると考えます。

2.については、足利市が栃木県で最初に市の保健師等を派遣したようで、この点は高く評価できると思います。
□詳細→https://www.city.ashikaga.tochigi.jp/uploaded/attachment/64136.pdf
なにせ初めてのことで様子を見ながらという部分もあると思います。しかし、「猫の手も借りたい」状況に保健師の方が支援に来てくれたら大変ありがたいはずです。ぜひ県の意向も聞きながら検討していただきたいと思います。

いずれにしましても、「入院調整中・自宅療養中」で苦しんでいる方は市民です。市民の窮地に手を差し伸べるのは行政の重要な使命だと考えます。