H28年4月1日で『栃木県立足利図書館』が『足利市立図書館』になりました。つまり運営者が県から市に移ったわけです。
 
「何が変わったの?」
 
「何の意味があるの?」
 
と感じられる方もいらっしゃると思いますので、ポイントを整理しておきます。
 
1)サービスは大きく変わりません
一部変更は以下の通りで不便になることはないようですが、読書室利用時の記名などが増えました。
・平日の視聴覚室・児童図書質・展示室・読書室の閉館時間変更
 午後6時 → 午後7時
・貸出点数 8冊以内 → 10冊以内
・授乳室を設置など
 
2)全額市の運営です
これまで年間約1億5000万円かかっていた運営費のうち、栃木県が約9000万円の支出をしていました。それが市立になることで全額市が負担することになります。長年の懸案で、市は県立として県が支出してくれた方が、財政負担が軽いのでありがたかったわけです。しかし、人口10万人以上で自前の図書館を持っていない自治体が全国にないこと、利用者の9割が足利市民であること、県の財政健全化を進める必要性があることを理由に市に移管することになりました。
 
3)建物・蔵書は市の所有となります
昭和55年にオープンし、当時のお金で約5億7000万円の総工費で建てられた建物と、蔵書約33万5000冊は全て足利市の所有となります。
 
4)整備のための4.5億円を預かりました
通常、県から市に公共施設を移管する際に修繕の必要があれば、修繕をしてから移管するのが通例でした。それを修繕はせずに施設整備費としてお金だけ市が受け取ることとなりました。その額4億5500万円。
市が将来、図書館を建替えたり、直したりする際に使えるように基金として積み立てました。
 
5)市民に寄り添った決め細やかな運営ができるはずです
これからは市の直営です。県にその都度お伺いをたてなくても、市民にとって利便性が上がる方法や、需要のある事業などはスピーディーに行えるようになります。

078

 
さて、この移管に関しては議会でも賛否あったようです。(末吉が当選前の話)
私としては知の集積である図書館を、自治体が運営することは一般的に見ても当たり前だと考えます。しかも足利は歴史と文化のまち、そして足利学校を擁する学問のまちです。自前の図書館がなかったのはむしろ不思議なことだったのかも知れません。
 
足利には図書館協議会というものがあります。図書館法第 14 条第 2 項の規定に基づき、図書館の運営に関し館長の諮問に応じ、図書館の行うサービスについて、館長に意見を述べる機関です。今回の移管を期にこういった協議会の声、市民の声、議会からの声を通じて、自分たちで図書館を運営し良くしていく気運が高まることを望みます。
 
また、建物としても老朽化が進んでいます。もう35歳で私と同い年です。
運動公園も含めてあのエリアは駐車場問題を抱えています。例えば同じく老朽化が進んでいる市民会館(昭和41年築)と統合的に整備を行い建物を縦に伸ばします。そうすることによって余った土地を駐車場に利用することができます。また統合型の文化施設では相互利用促進も進みます。
 
公共施設の整備に関しては別の機会で詳しくお話しますが、いずれにせよ市民が図書館に関して自ら考え、行動できる機会です。
 
ぜひ、「こんな図書館がいいな~」とか「今の図書館のここが不便だな~」といったご意見、「ここをこうすればもっと利用者が増えるのでは」といった解決案などがありましたら、気軽にお聞かせください。
 
(※Facebookでもメールでも直接でも構いません)