「史跡足利学校発掘調査現地説明会」に参加してきました。

今回の調査は第2次保存整備事業に伴い、既存・新設の放水銃、排水管等の設置場所の遺構確認等を目的に実施されました。併せて貴重な書籍を保管していた「御文庫(おぶんこ)」の位置を確認も行われました。

御文庫は江戸中期、幕末と場所を変え、明治には新たに「足利文庫」として建てられました。その後2回の曳家を経て、現在の遺跡図書館南側に残っています。今回の調査ではその最初の場所(大成殿南西)の基礎が発見されました。基礎は土壁の重量に耐えられるように、ぎっしりと玉石が敷き詰められていました。

明治時代、近隣で起きた火災により杏壇門の一部が焼失するものの、土壁の足利文庫は貴重な書籍を炎から守ったことも説明がありました。

第2次保存整備事業に伴い、足利学校では消火設備の更新と、茅葺屋根の葺き替え等が行われます。今回の発掘調査で得られた知見を、同事業の実施設計に役立てていただき、より魅力的で火災に強い足利学校になることを期待しています。

【過去の一般質問】
□R2.3史跡足利学校等の防災・防火対策
https://sueyoshi-toshihiro.com/?page_id=2325

玉石が敷き詰められた基礎