「物外軒」活用に向けた大きな一歩が始まりました。今回のモニター事業者募集は、飲食店、和菓子店等の皆様に試験的に使っていただき、施設としての課題を洗い出す事業です。
物外軒は、渡良瀬川で回漕問屋を営んでいた「萬屋(よろずや)」当主の長四郎三が、明治初期に、渡良瀬川畔の邸宅内に建てた茶室です。明治34年に現在の場所に移築され、昭和48年に庭園とともに足利市に寄贈されました。価値の高い庭石や木々が植えられ、秋には見事な紅葉に彩られる、足利の隠れた名所です。(庭園:国登録記念物、茶室:市指定文化財)
物外軒の維持管理費は年間200万円前後です。一方、歳入は茶室の使用料のみであるため、平成30年は22,000円で、毎年約190万円の赤字ということになります。そのため、老朽化した建物の修繕や、定期的な庭の手入れなど適正な管理ができない状況が続いていました。しかも、公開期間は春と秋の土日に限定されています。
歳入がない → 維持管理費がかけられない → 広く公開できない → 誰も知らない
まさに負のスパイラルです。この状況で本当に次の世代へ貴重な文化財を引き継いでいくことができるのでしょうか。
「民間からご提案をいただき、新たな歳入を生み出す方法を模索する必要がある」
これまで一般質問を含め、様々な場で上記の様な提言を続けてきました。早川市長の英断で、修繕に向けた予算も計上されるようになり、昨年12月に活用のためのモニター事業が始まりました。出店されるのは以下の事業者の皆様です。
・TABITABI
・キッチン麺とカレ
・Maison mamie
・一菓
今回は活用に向けた課題を抽出しますが、同時に建物や庭の傷み等を確認して修繕の方向性も検討しています。いずれにしても、今まで眠っていた足利の宝に光が当たり、人が集い、賑わいが生まれ、未来に継承されていく。良い流れができたことを嬉しく思います。
【過去の一般質問】
□R5.12(市有文化財)
→https://ashikaga-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=470
□R4.6(文化財の活用)
→https://ashikaga-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=356
□H29.6(遊休施設)
→https://sueyoshi-toshihiro.com/?page_id=1233
※これらの事業は関係団体や、関係する行政職員等、多くの方々のおかげで実現できたものです。ご尽力いただきありがとうございました。