令和6年3月6日、本市ゆかりの刀剣「山姥切国広」(国重要文化財)が、前所有者と公益財団法人足利市民文化財団との間で譲渡契約を締結し財団の所有となりました。取得額は3億円で、そのうち2億円を財団から、1億円をクラウドファンディングなどの寄付から支出いたしました。
クラウドファンディング、ふるさと納税、直接寄付など総勢5,704 人、81 団体の皆様からの受け入れ金額は170,137,000 円(経費差引後の金額130,903,000 円)に上りました。山姥切国広と足利を愛する多くの方々のご支援、ご協力に深く感謝いたします。

さて、寄付目標の1億円を超える約3,000万円については基金に繰り入れることになりました。基金名は「足利市山姥切国広未来継承基金」で、過日の定例会本会議で設置のための条例が制定されました。同条例により、いただいた寄付を「山姥切国広の維持管理及び活用に要する経費」に使用することに制限し、貴重な寄付金を適正に管理することができます。つまり、趣旨と違う分野に使われることの無いようにある種の縛りが付けられました。同基金は手入れ費用(消耗品、管理委託料)、縷々プロジェクトオーナー関連費用、展示費用などに使われる予定です。

私の調べた限り、一振りの刀剣の保全・活用に限定した条例は他に見当たりません。
(※「瀬戸内市備前長船刀剣博物館刀剣購入等準備基金条例」は刀剣と展示施設が対象)

あとは、いつも言っていますがハコの整備です。より安全に保存・管理そして活用ができる展示施設を整備し、その歴史的価値を十分に発揮することが望まれます。この点については引き続き議会でも議論してまいりたいと思います。

令和6年6月に施行した条例


【過去記事】
□【主張】歴史を大切にするまちづくり~その1 歴史のまち足利のリアル~(全4回)
https://sueyoshi-toshihiro.com/?p=2618
□【主張】歴史を大切にするまちづくり~その2 なぜ博物館は作られなかったのか~(全4回)
https://sueyoshi-toshihiro.com/?p=2627
□【主張】歴史を大切にするまちづくり~その3 歴史を活かす意義~(全4回)
https://sueyoshi-toshihiro.com/?p=2639
□【主張】歴史を大切にするまちづくり~その4 足利市における博物館の可能性~(全4回)
https://sueyoshi-toshihiro.com/?p=2648