公共施設を建設するときに行政では、一般的に以下のような手順で事業が進みます。

①基本構想 → ②基本計画 → ③基本設計・実施設計 → ④建設工事

足利市新斎場は現在、③の基本設計が公表され、予定では来年2022年度中に④の建設工事が始まります。ページ下にそれぞれのリンクを貼っておきます。建設工事費は28億5000万円で、完成は2024年度中を目指しているとのことです。以下に現斎場との違いをまとめましたのでご覧ください。

■新斎場の特徴
特筆すべきは前回お話しした火葬能力の課題を解決できる6基の火葬炉です。そして、現状では仕切り無しの炉前ホールでしたが、それぞれ分けて設置してあるお別れ室の存在です。更に時間をずらすことで、プライバシーへの配慮が進みます。
また、バリアフリーを考え待合室も洋室となっています。キッズスペースや授乳室も設置し、お子様連れにも対応できるようになります。式場は利用数減少と民間式場増加の傾向を考え、現状の2室から1室になりました。その分、多くの参列に対応できるようにロビーを大きく活用できる様になっています。
屋外については、雨の際に棺が濡れてしまわないように車寄せも設置されます。駐車場台数も今以上に整備されます。

外観は和風で背後の山に溶け込むデザイン

新斎場の平面図 ※クリックで基本計画へ

工事手順ですが、現在の駐車場に仮設斎場(プレハブ)を設置し現在の斎場を取り壊します。そしてそこに新たな斎場を建設し、その後仮設斎場を取り壊す流れとなります。仮設斎場の間はご不便をおかけしますが、より良い斎場整備のためご理解を頂ければ幸いです。

■末吉の考え
私の考えも少し述べておきます。まず、ご遺族の気持ちに配慮し、仮設斎場の期間を最小限に短縮いただきたいと考えます。また、お水替え(※1)ができる様、お別れホールなどに台を設置する等の対応を検討いただきたいと考えます。最後に葬儀を担う仏教等の宗教団体や葬祭業者の意見を取り入れ、できる限り安らかな気持ちでお見送りができる運営や設備配置など、微調整を行っていただきたいと思います。

※1…お水替えは足利市や太田市に残る習俗で、火葬が始まると炉の前にコップに入れた水を置き、火葬が終わるまで何度となくお水を替えます。火葬されるご遺体への配慮などから行われると言われています。


【関連資料】
①斎場整備基本構想(H29年)
https://www.city.ashikaga.tochigi.jp/uploaded/attachment/59299.pdf
②斎場整備基本計画(R1年)
https://www.city.ashikaga.tochigi.jp/uploaded/attachment/59298.pdf
③新斎場整備に係る基本設計及び運営方針(R3年・記者会見資料)
https://www.city.ashikaga.tochigi.jp/uploaded/attachment/69866.pdf

【過去記事】
□【全員協議会】大型公共施設更新に向けた財政指針の策定について
https://sueyoshi-toshihiro.com/?p=1826
□【視察報告】斎場整備事業について(H30/10/5愛知県岡崎市)
https://sueyoshi-toshihiro.com/?p=1723
□【4大公共施設の更新】について
https://sueyoshi-toshihiro.com/?p=1661