今回の予算審査特別委員会で、末吉利啓が質疑をした内容の一部を掲載いたします。足利市の予算審査は「款」というカテゴリーごとに審議が行われ、議員の質疑時間は一人5分間となっています。なかなか議論が深まらず、答弁がかみ合わないこともあります。予算審査で事を大きく動かすためには短期決戦の戦略を練り直し、圧倒的な情報を持つ必要があるとあらためて感じました。
※当局の答弁は質疑をしながらメモをとったものですので、正確なものではない場合がございます。
 
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■市債について
●末吉:一般会計における市債収入が増加している。その理由は、南部クリーンセンター、新駅、西部多目的運動場など大型の公共施設等の整備が集中しているからと考えられる。市債残高の見込みは今回の予算案によると、特別会計が減少しているものの、一般会計は増加している。
今後の市債全体の傾向と一般会計市債の傾向をどのように想定しているのか。
 
△当局:今後、多くの公共施設の更新を控えている。市債残高は上昇すると見込んでいる。
 
●末吉:市債発行は世代間の公平負担、財政のバランスなどの観点から必要だと考える。今後の市債残高増加の大きな要因となる公共施設整備に関して、国が「公共施設等適正管理推進事業債」のような条件の良い起債(基準財政需要額編入可能など)を永遠に用意してくれるわけではない。
そういった際の貴重な財源に公共施設等整備基金(60億円/H30末)がある。基金の切り崩しを含めた、今後の基金運営の考え方を知りたい。
 
△当局:大型の公共施設整備の際には充当していきたい。
 
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■中橋整備関連まちづくり事業費について
●末吉:中橋の整備・架け替えはH9年頃から歴代市長・議員が議論をしてきた経緯があるが、未だに具現化されていない。H28年にようやく国・県・市で「中橋整備検討委員会」が設置をされ、今回の調査委託費を含む「中橋整備関連まちづくり事業費」の計上となった。今回の調査の狙いは何か。
 
△当局:2年計画で実施する調査で、土地の利用や区画にあり方、高架沿道の土地利用の手法や宅地への影響といった、橋の架け替えの付帯的な調査を行う。
H29年度に計上していた同名の事業費が執行できず、今年度に持ち越しになった。
 
●末吉:本案件がこれまで浮かんでは消えていった要因として、もっとも大きいと考えるものは何か。
 
△当局:これまで橋梁のhigh water levelの問題は規格を変えた河川管理者である国の責任か、県道を管轄する県の責任かで、知事と大臣との綱引きがあった。関東東北豪雨による鬼怒川の決壊がひとつの転機となり、国は「利根川水系渡良瀬川河川整備計画」に中橋の架け替えを明記した。
 
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■足利学校施設整備費について
●末吉:国内最古の孔子廟である足利学校大成殿は大変貴重な文化財だ。こちらの保存修理が予算化されることは大変喜ばしいことである。昨年の新聞等の報道では、保存修理により「国指定重要文化財」を目指すとのことだが、その可能性はどの程度あるのか。またその効果をどう考えているのか。
 
△当局:2年計画で修理を完了させたい。その後、大学の専門家に調査を依頼し「足利学校大成殿の歴史的価値」に関する論文を書いていただくことで、重要文化財の指定を目指したい。
 
 
※ほかにも草雲美術館管理運営費、文化財保護費についても質疑を行いました。