前回の続きです。

■スポーツ少年団がないことによる問題点と創設による効果
⑴スポーツ少年団主催の大会に出られない
ほとんどの競技においてスポーツ少年団主催の大会があります。もちろん全国大会に繋がるものもあり、それに参加することで自分の練習成果を確認でき、また出場に向けたモチベーションに繋がります。しかし現状ではその大会に出られないため、足利のこどもたちが他市のスポーツ少年団に登録して、他市の看板を背負って戦っています。佐野市のスポーツ少年団だけでも空手が10名、野球が5名、足利市内から登録をし、練習に通っています。(H27年末吉調べ)また、柔道界からは大会に「審判は出さなければいけないが選手は出場させられない」と指摘がありました。これは私自身、こどもの頃から聞いていました。
少年団が創設されれば、こどもたちがより多くの大会出場の機会を得ることができますし、他市で肩身の狭い思いをしながら試合をすることもなくなります。

⑵指導員体制の不備
スポーツ少年団の強みの一つは「指導員体制」です。少年団立ち上げには現在2名以上の指導者(認定員・認定育成員)確保が義務付けられています。この指導者になるためには都道府県体協で実施している指導者講習を受ける必要があります。内容は適正テストからトレーニング論、指導計画の立て方、熱中症や怪我の応急処置など2日間34.5時間にわたります。小体連や学童スポーツ団体ではここまでの指導員体制は整っていません。地域の方がボランティアで教えていることも大切ですが、こどもたちの安全確保や育成を考えれば、指導者体制の充実は必要です。
少年団が創設されれば、指導者体制が改善され、万が一の事故の時にこどもたちの重症化を防いだり、命を救ったりすることもあるかもしれません。また、よりこどもたちの可能性を引き出せる指導ができるようになるはずです。
【例:北海道体育連盟のカリキュラム】
http://www.hokkaido-sports.or.jp/03b_seishonen_shidousya01teacher01ninteikousyuu/20180203_curriculum.pdf

⑶優秀な選手の流出
現在はスポーツに関する様々な団体形式がありますが、先にも述べた通りスポーツ少年団は日本最大の少年スポーツ組織です。足利にそれがないことによって、他市の少年団に登録しそのまま他市の選手としてこのまちから出て行ってしまうことも考えられます。
少年団が創設されれば、足利のこどもたちを足利で育てる土壌ができますので、優秀な選手の流出を防ぐ一助になるはずです。

⑷地域とのつながりが希薄
昨今、地域とのつながりが希薄化している社会情勢において、スポーツ団体が地域との関りを持つことも減ってきています(※もちろんスポーツ団体によって異なります)。スポーツ少年団ではその理念に「スポーツで人々をつなぎ、地域づくりに貢献する」とうたっています。具体的に美化活動や、お祭り、イベントなどへの参加を積極的に行っています。その結果、地域の人々に団の活動を理解してもらい、地域間の交流を深めることができます。また、こどもたちの成長にもつながり、社会性を学ぶ機会になります。

あしかがみH30年3月号

■今後の動き
先日(H30年2月20日)の教育経済建設常任委員協議会ではじめて議員に対して説明がありました。今後は3月には単位団の募集がはじまり、説明会が開かれます。そして4月には正式に創設の運びとなっています。
長年にわたり議論してきた案件が動き出したことは、スポーツ少年団創設を訴え続けてきたスポーツ関係者や私たち議員にとって本当に嬉しいことです。

あらためて、今回の創設に関わっていただき、ご尽力いただいた栃木県ならびに足利市体育協会、担当部署、またその他多くの関係者の方々に感謝したいと思います。

まだまだスタート段階ですので課題も多いと思いますが、まずはしっかりと創設し試行錯誤しながら足利市に合ったスポーツ少年団にしていただきたいと思います。