先日の一般質問の一部内容を掲載いたします。

かなり振り幅のある内容でしたが、それぞれ差はあるものの動きは確実にありました。特に子ども医療費現物給付化の問題は、今までとは違う切り口で議論できたことは大きな一歩ではないかと感じています。

※当局の答弁は質問をしながらメモをとったものですので、正確なものではない場合がございます。詳細は後ほど議事録でご覧ください。

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■子育て環境の改善について

●末吉:中学校3年生までのこども医療費の現物給付については、本市議会でも会派を超えて主張している。私も平成27年9月本会議で一般質問をした。それから今に至る約2年間で、国の医療費助成へのペナルティの一部廃止決定や、県内各自治体の助成拡大などの動きがみられた。持続可能な制度とするため、家庭医療を勉強する機会を増やすなど医療費削減の施策とセットで考え、検討すべきではないか。

△市長:現物給付にすることで、他の分野にしわ寄せがいき負担が生じるという想像力をなくすこと、あるいはコンビニ受診が我々の懸念であるとすれば、家庭医療の教育とセットで制度を考えていくことは有効だと思っており、これからの議論の中で検討していきたい。

●末吉:近年、親世代との近居・同居の推奨は子育て世代の定住や、合計特殊出生率向上に有効と考えられている。共働き世帯・核家族の増加と共に、子育てを担う親の負担は増大している。それを補ってくれる頼りになる存在は何といっても家族である。親の存在は、こどもが急な病気になってしまったとき、急な仕事が入ってしまったときなど、いざという時に大変頼りになる。
国立社会保障・人口問題研究所の「第15回出生動向基本調査」によれば、親世帯との同居や近居世帯の完結出生児数は、別居世帯の1.83を大きく上回る2.022.03である。また、沖縄県の合計特殊出生率は32年連続全国1位だ。一般的な理由に、家族による子育てに対する共助の意識や、体制の強さがあげられる。この一例を見ても近居・同居の推奨が、子育て環境の改善につながる、大きなカギとなることは明らかだ。
子育て世代の負担を軽減し、出生率を上げ、人口減少に歯止めをかけるためにも、本市において親との近居・同居を推奨すべきと考えるが所見を聞きたい。

△市長:親世帯との近居や同居は、子育て環境の充実や高齢者の孤立防止の観点からも有意義な居住形態の一つ。良好な子育て環境の形成は、合計特殊出生率の上昇につながることも期待される。様々な懸念や課題もあるが、今後、国の動向や先進市の事例などを参考にして、子育て支援や、新たな住宅用地の開発による定住促進など、近居、同居にとらわれず、子育て環境の充実に取り組みたい。

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■文化振興について

●末吉:田﨑草雲は、最初の大日本帝室技芸員に選ばれた日本を代表する文人画家というだけでなく、激動の明治時代から足利を守り抜いた恩人である。戊辰戦争では誠心隊を組織して中心地を戦災から守り、県によって足利学校所有の国宝を含む書物や孔子廟が売却されそうになったときにも、命がけでそれを阻止したと言われている。また、領地を取り上げられ資金難で苦しむ鑁阿寺に対しては、多くの寄付を集め、現在国宝に指定されている本堂の修復を実現した。
今の歴史観光都市足利があるのも、全身全霊で足利を守った田﨑草雲を抜きに語ることはできない。そんな田﨑草雲の顕彰を、今後どのように進めていくのか。

△教育次長:日本を代表する日本画家である田崎草雲の画業や遺徳は、今後も末永く顕彰すべきだと考える。特に子どもたち興味・関心を持ってもらうため、簡単にに内容を理解できるようなパンフレットを作成・活用していく。

●末吉:草雲を見ることができる草雲美術館管理運営費の予算額は、H26年度で425万円である。それが毎年数十万円削減され続け、H27年度の田﨑草雲生誕200年も削減傾向は変わらなかった。予算減にともなう人件費削減、人件費削減に伴い来場者への解説体制の強化や、結果を伴った魅力発信事業もできていない。また施設整備を含めた抜本的改善策も打てないため、毎年来場者が減少する負のスパイラルに陥っている。ここから早急に抜け出し、本市の大切な歴史文化資源を有効に活用する道筋を作るべきと考える。
そのためには当美術館の「何が問題」で「何を改善すればいいのか」といった客観的な事実が分かる基礎資料が必要。現在のアンケートは、目立たないところに設置してあり、項目も不十分なため、満足した人・していない人の正確な実態が掴めていない。
来場者に対するアンケートの項目、方法の見直し、関係者や専門家に対するヒアリング等で、より実践的な実態調査を行うことが必須と考える。

△教育次長:指摘を踏まえ、アンケートだけでなく、来場者、関係者へのヒアリングを行い、実体調査を実施する。企画展示、特別展示などを行う場合の文化資源の活用については、幅広く意見を拝聴し、反映する。

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■選挙啓発について

●末吉:期日前投票所について、午後8時まで実施している投票所が市内18ヶ所中1ヶ所(市役所)だと、利便性は高いとは言えない。商業施設に期日前投票所があれば、買い物をしながら手軽に投票に行くこともでき、利便性が大きく改善する。商業施設については以前の一般質問でも提言した通り、総務省の「投票環境の向上方策等に関する研究会」の最終報告で「同伴する子どもへの選挙啓発にもなる。取組を更に広げていく必要がある。」と指摘されている。
福井市では市内6カ所の商業施設に設置したところ、H25年の参院選で投票率49.33%がH28年53.18%と大幅に改善している。また、今回の衆議院議員総選挙では県内でもアピタ宇都宮店、イオン栃木店、イオンタウン真岡に設置されている。特に本市と同じ栃木5区の栃木市ではその効果が顕著で、投票率全体の伸びが、足利市の前回比2.64p増に対し3.47p増、期日前投票率も足利市65.2%増に対し、栃木市105.3%増と大幅に上回っている。期日前投票率低迷の原因調査と、栃木市の様な先進地の研究を踏まえてとなるが、財源にも限りがあるので、既存の期日前投票所の適正数と適正配置、商業施設への期日前投票所設置を包括的に議論すべきと考えるがどうか。

△行政委員会事務局長:商業施設における期日前投票については、今回の解散総選挙など、急遽の選挙を執行する場合、安定した設置場所の確保ができるかなどの課題もある。県内3か所で実施事例があるので、これらを参考にしながら検討していきたい。