我が故郷足利を流れる渡良瀬川。その清流を渡る中橋(なかばし)は市内でも渡良瀬橋と同時期に掛けられた、昭和初期の近代化遺産で足利のランドマークでもあります。
そんな中橋を架け替える提案が市から上がっています。
この問題を皆さんはご存知でしょうか。
【私は中橋の架け替えには反対をします】
以下の3つの問題点に関して客観的に納得のできる説明やデータがあまりにも欠けているためです。
1.中橋が本当に最重要防災課題なのか
2.本当に架け替え以外の方法はないのか
3.橋だけを架け替えることが活性化に繋がる都市計画なのか
昭和11年(1936)に完成した貴重な近代化遺産であるこの橋自体にも興味がありましたが、越してくるまでは正直架け替えの話があることしか知らず、その裏にどういった問題があるかまでは知りませんでした。
市内外でリーサーチをした結果、自分の身の回りではこの問題の認知度は極めて低いことがわかりました。
「中橋って台風のとき危ないんだよね」「橋が新しくなるならいいんじゃない」といった意見がほとんどで、その問題自体を知らない方も少なくなかったのです。
そして先日、通り2丁目向けのメディア非公開住民説明会(意見交換会?)があることを知り参加してきました。
自分は2丁目住民ではありませんが良い機会だったのでお邪魔しました。
通り2丁目は中橋が架け替えられることになれば最も影響を受ける地域です。
そもそも、なぜ橋の架け替えを市が主張するのか、なぜ住民が反対をするのか、簡単にまとめてみたいと思います。
【市】
中橋の接地部分が堤防より低いため、増水した渡良瀬川の水が溢れ出す。
→橋も古いから住民の命と財産を守るため架け替えを主張
【住民】
架け替えにすると橋の北側の両毛線を乗り越える高架になるため、大規模な土地買収・区画整理が必要になる。
→橋周辺の土地が奪われる、商店が衰退する
これだけ見ると防災に対して市民の安全を考える行政と、自分達の利権しか考えない地元住民という構図に見えてしまいます。
しかし、この架け替え論争にはそんな単純なロジックでは説明できない、腑に落ちない問題点が散在しています。
それが、冒頭に述べた3つの問題点です。
今回の説明でこれらに関する具体的な説明やデータは一切示されず、あたかも選択肢が架け替えしかないかのような主張が繰り返されました。
自分が欲しかったのは【本当に】という部分です。
それを客観的なデータや事実で証明してもらわないと判断のしようがありません。
しかし残念なことに、聞きやすくわかり易い情報は人々に鵜呑みにされます。
ワイドショーの論調が世論を操作しているように、なんとなくで物事が進んでしまいます。
自分も今、この問題に関しては勉強中ですがこれらの問題点については随時具体的にご紹介していきます。
最後に一言。
当たり前ですが、未曾有の災害で人や街が失われることは望ましくありません。
しかし、安易な選択で優先順位を間違ってしまい、災害で命や財産を奪われるだけでなく、住民の活力を奪い、誇りやシンボルを奪うことはあってはいけないと思います。
それと、このような問題で市民がバラバラになることも望みません。
これから過酷さを増していく地域間競争を勝ち抜くためにも足利はひとつにならなくてはいけません。
そのためには【まず知ること】。
その手助けが少しでもできればと考えます。