足利市の中央を流れる渡良瀬川は、江戸時代から舟運による運送業、織物産業、漁業などで、これまで多くの恵みを私たちにもたらしてきました。普段から釣りをしたり、舟遊びをしたり、織物を洗ったりと大変身近な存在でした。しかし、高度経済成長と共に河川は効率重視の排水路と化し、事故防止の観点から「川には近づいてはいけない」と背を向けられる存在となっていきました。

船が写る昭和11年の渡良瀬川

現在、河川敷が野球場やサッカー場、イベント会場として整備され、市民の憩いの場となっていますが、整備された公園等の利用頻度が低かったり、可能性を秘めた未利用地があったりします。

例えば、中橋と渡良瀬橋の間にある「渡良瀬河川公園中橋緑地」です。同緑地は、芝生や植栽がきれいに整備され、水と緑が織りなす魅力的な景観をつくり出しています。平成2年には『国土交通省大臣表彰 手づくり郷土賞』も受賞しています。また、JR足利駅と東武足利市駅の間、南北の中心市街地の間に挟まれ、恵まれた立地にあります。しかしながら完成から約30年が経った現在、設備の老朽化や植栽の劣化、公園なのに駐車場料金が200円かかる等、様々な理由から利用者が非常に少ない状況にあります。

ポテンシャルの高い渡良瀬河川公園中橋緑地

また、足利市は大変多くの河川公園を整備しています。下記表の通り全体で85.45haもあり、お隣の桐生市の20ha程度に比べ、いかに多くの公園整備をしてきたかがわかります。
(注:足利市・桐生市の公園面積は市ホームページから筆者が試算したもので正確なものではありません)

これらの公園は都市公園法第一条に定める通り「公共の福祉の増進に資すること」を目的としていますが、それには維持管理費というお金が必要になります。人口が増え続ける時代であれば結構ですが、急激な少子高齢化の時代にこれらの経費をいかに抑えるか、また収入を増やすかを考えることが重要になっています。

維持管理費を確保できないと破損しても直せない

だから、ポテンシャルのある公園や水辺スペースの価値を見直し、有効に活用することで持続可能な公園行政を構築し、賑わいを作り、エリアの価値を上げていこうというのが私の主張です。全国でも先進事例が沢山ありますので、少しご紹介します。

つづく...

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【渡良瀬川の利活用・中橋リバーサイドシネマ】について
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□過去の議事録
H29.3渡良瀬川の活用について
→ http://sueyoshi-toshihiro.com/?page_id=1108
H29.12 渡良瀬川の活用について
→ http://sueyoshi-toshihiro.com/?page_id=1550