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令和3年第1回定例会(3月)

令和3年3月11日

1  市長の政治姿勢について
 (1) ウイズコロナ・ポストコロナの観光
 (2) 中橋の架け替え
2  公共施設・公共空間の利活用について
 (1) 公園・緑地・河川空間の利活用
 (2) 遊休資産の利活用
 (3) 公民連携の推進体制

◆5番議員(末吉利啓) 発言の機会をいただきましたので、通告に従い順次質問をしてまいります。
  市長の政治姿勢についてのうち、ウイズコロナ・ポストコロナの観光についてお伺いいたします。本市の観光業は、平成30年に過去最高の年間観光客入込数508万人を記録しました。翌年も、令和元年東日本台風の影響がありつつも、486万人と順調に推移してきたところです。しかし、今回の世界的な新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、本市の観光客も激減し、飲食店や小売店など観光関連企業は大変厳しい局面を迎えております。現状では、人の密集や移動を誘発する大規模な誘客事業やイベントなどができません。しかし、じっとこの状況を耐えるだけでは観光業界はじり貧となり、壊滅的打撃を受けることになります。このようなときだからこそ、観光都市宣言をしているまちのリーダーとして、積極的に観光インフラの再整備を含め、本市の観光の在り方、今後の戦略などを見直し、議論すべきと考えます。
  そこで、ウイズコロナ、ポストコロナを意識した本市観光の未来像について市長の考えをお伺いいたします。

◎市長(和泉聡) 5番、末吉利啓議員の御質問にお答えします。
  新型コロナウイルス感染症により、インバウンド観光や団体旅行が激減し、本市においても観光施設や飲食店、土産店の売上げが減少するなど厳しい運営を強いられています。また、長期化するコロナ禍は、人々の生活様式をはじめ、観光への意識も変化させています。そうした中、観光産業を発展させていくためには、感染リスクを抑えて、地元や近場で楽しむマイクロツーリズムを促進し、地域の魅力の再発見や地域経済の活性化につなげていくことが重要だと考えています。また、足利市ならではの歴史、文化、自然といった魅力ある地域資源を効果的に発信し、何度も本市を訪れてくれる足利ファンを獲得していくことで、コロナ禍においても一定の需要のある持続可能な観光地としていくことができるものと考えております。
  先日、館林市、桐生市、足利市の3市長出席の下、館林市で開催された日本遺産シンポジウムでは、3市に共通する路地裏や古民家など、暮らしの中にある古きよき景観を活用し、若い力による手作りの企画やイベントによってまちなかのにぎわいを創出していくことが3市の発展に効果的であると提案させていただきました。また、3市に共通する日本遺産を活用したまちづくりや観光振興を推進していくことを目的に、両毛3市連携共同宣言を行ったところです。
  このように、私は、本来の観光とは、地域の総合力によって成り立ち、発展していくものだと思っております。郷土を誇りに思う市民や企業が観光資源を磨き上げ、新たな企画が生まれる。そして、その中での交流から新たな気づきが生まれ、さらに様々な取組がなされるという相乗効果を生んで、観光へのよい流れを作り出していく。これが地域の活性化や元気なまちづくりにもつながっていくと思っております。コロナ禍だからこそ、これからも市民一人一人の思いと力をしっかりと受け止め、近隣の市や観光関連団体等と今まで以上に連携を密にし、時代や観光客のニーズに適応した、未来を見据えた質の高い観光都市を目指してまいります。

◆5番議員(末吉利啓) 再質問いたします。
  これまで議会においても、ウイズコロナ、ポストコロナの観光について議論がなされてきました。答弁にも、先ほど同様、継続的に訪れてくれる足利ファンを作ることや、歴史や文化を生かすといったものが多く聞かれました。先ほどの質問でも提言したとおり、今は戦略や体制の立て直しが重要であり、いかに本腰を入れて実行するかが求められております。改めて、この1年間でどのように具体的な立て直しを行ってきたのかお伺いいたします。

◎産業観光部長(邉見隆) 足利市の観光客入込数が500万人を超えたということで、順調に観光客入込数の増加を目指してきたわけです。今後はそれに足利氏あるいは足利銘仙、足利市ならではの観光資源を磨き上げたり、あるいは古民家など、歴史、文化の町並み、あるいは景観、これらをともにコラボさせる中でまちににぎわいを創出していく、このような観光都市にしていきたいというふうに考えております。そして、それを好んで来てくれる足利ファンの皆様から、今回の西宮林野火災において、多くの心配する声や寄附の申出等もありました。こうしたファンを増やしていく大切さを実感しているところでございます。今後も、令和2年度にアフターコロナに向けて準備してきた観光プロモーション動画、あるいはマイクロツーリズムの手法を活用しながら、本市の魅力発信を広く展開していきたいと考えております。

◆5番議員(末吉利啓) 残念ながら、今までの答弁と変わらない、抽象的で進んでいない、そういった印象を受けざるを得ません。観光コンテンツもまだまだたくさん検討ができますし、観光戦略会議のようなもので議論を深めたり、観光インフラや観光事業者のホスピタリティーを向上したり、幾らでも立て直し策は考えられるのではないでしょうか。
  再質問いたします。ウイズコロナ、ポストコロナの観光を乗り越えるキーワードとして、分散型観光とマイクロツーリズムがあり、最近よく聞かれるようになりました。分散型観光とは、土曜日・日曜日や連休を避けたり、人気の観光地以外の場所を訪れたり、朝や夜など時間をずらして訪れたりする密集を避ける観光スタイルです。答弁にもあったマイクロツーリズムは、一般的に自宅から一、二時間圏内への観光を指し、公共交通を使わず、長距離の移動を必要としないため、コロナ禍において改めて注目をされています。両者ともウイズコロナはもとより、ポストコロナにおいて、本市観光の弱みを補う効果が期待できます。分散型観光を推進することで、あしかがフラワーパークの藤やイルミネーションのシーズン、土曜日・日曜日、大型連休に集中しがちな本市の観光客を平準化でき、取りこぼしを減らし、安定した売上げにつなげることができます。本市の観光客は比較的高齢の方が多い傾向にあるようですので、平日へのシフトは十分可能なのではないでしょうか。また、マイクロツーリズムでは、足利学校やあしかがフラワーパークのような知名度のある観光スポットだけではなく、貴重な文化財を所有する数多くの神社仏閣、自然豊かで初心者向けのハイキングコースなど、3密を避けられるスポットを売り出す絶好の機会でもあります。本市は神社仏閣、ハイキングコースともに、その数が多いことから、マイクロツーリズムの利点であるハイリピートにつながる可能性もあります。
  以上のことから、足利市観光協会と連携し、分散型観光、マイクロツーリズムを本格的に導入すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。

◎産業観光部長(邉見隆) 御提案のマイクロツーリズム、あるいは分散型観光、これは我々も効果的であるというふうに考えております。例えば、令和3年に足利市観光協会と連携して、あしかがフラワーパークのふじのはな物語の期間に平日限定プランの形で、貸切りタクシーであしかがフラワーパークと市内文化施設を周遊するようなプランもスタートさせました。
  また、市内をめぐってもらえる2次交通の足として利便性の高い電動アシスト自転車も増台し、3密を避けて自然の中を周遊するような事業も拡充してまいりたいと思います。平日限定の着地型ツアー、あるいは夜間のライトアップなど、国が推奨している分散型旅行を活用しながら、旅行の平準化へつながる観光振興について、引き続き足利市観光協会をはじめとする関係団体と連携しながら進めてまいりたいというふうに考えております。

◆5番議員(末吉利啓) ぜひ観光コンテンツを充実させ、その上で動画やキャンペーンなどの集客を進めていただきたいと思います。客単価を上げるにはどうすればいいのか、活用されていない観光資源を光らせるにはどうしたらいいのか、ハイリピートしてくれる足利ファンを作るにはどうしたらいいのか、こうしたことについて、現場の声を聞き、議論し、考える場も設けていただきたいと考えます。
  また、受入れ体制を整えるため、これまで提言してきたホスピタリティーの改善も強力に推進すべきと考えます。
  時間はありません。観光関連事業者の中には、融資を受けてもそれを返す見込みがない、すなわち観光客がいつ戻ってくるか分からないといった不安を抱えて毎日を過ごしている方もいらっしゃいます。ウイズコロナ、ポストコロナを乗り越えられる、地に足の着いた観光都市足利に向けた実践を強く求め、次の質問に移ります。
  中橋の架け替えについてお伺いいたします。周知のとおり、中橋の架け替えは、30年以上にわたり、歴代市長、多くの先輩議員が議論されてきた本市防災の大きな課題です。また、一昨年の令和元年東日本台風をはじめ、激甚化する水害により、その重要性は増すばかりです。今回は、中橋架け替えに関する諸課題を整理し、その解決へ向けた建設的な議論の場としたいと考えます。
  令和2年7月、中橋について、国の渡良瀬川中流部の流下能力向上対策における計画段階評価検討委員会は、架け替えと堤防かさ上げが妥当と判断し、同月中に現中橋の継承と新橋の整備という具体案を発表しました。国や県の約107億円の予算措置により、本市防災の大きな課題が解決されるだけでなく、歴史遺産である現中橋が後世に引き継がれ、橋や高架下を利用した新たな活用の可能性が生まれたことに、一議員として大変うれしく感じました。しかし、同年10月の地元説明会や令和3年1月の公聴会が開催される中、地域住民等から複数の声が上がり、様々な課題が顕在化しています。同事業を推進し、市民の生命と財産を守り、魅力あるまちづくりを進めるためには、こうした課題を真摯に受け止め、適切に対応していくことが必要不可欠と考えます。
  そこで、市として中橋の架け替えにどのような課題があると捉えているのかお伺いいたします。

◎市長(和泉聡) ただいまの御質問にお答えします。
  中橋付近の堤防のかさ上げ及びそれに伴う中橋の架け替えについては、令和2年7月29日、国が開催した渡良瀬川中流部の流下能力向上対策における計画段階評価検討委員会において、その実施が決定しました。さらに、令和3年度に国が着手する直轄事業の24候補箇所の一つに位置づけられており、今後国は費用の一部負担をする自治体や有識者からの意見を聴取した後、正式に決定する予定です。
  このように、事業化に向けた動きが加速していることから、この機を逸することなく、国や栃木県と適切に連携を図りながら、スピード感を持って着実かつ積極的に取り組んでいくことが必要であると考えています。
  その一方で、中橋の架け替えについては、市街地中心部で実施する大規模な事業であることから、地域に与える影響など、様々な課題があります。具体的には、渡良瀬川左岸側が連続の高架構造になることや踏切が廃止されることによる対応、工事期間中の交通対策や高齢者や障がい者の方々のバリアフリー対策などが挙げられています。今後、一刻も早い事業化を目指していくためには、このような課題にしっかりと向き合い、最善の方策が講じられるよう、国や栃木県とともに関係機関との具体的な協議や詳細な検討を進めていかなければなりません。さらには、地域の皆様に対し、課題一つ一つの対策についてより丁寧に御説明することで、できる限り御不安や御心配を払拭していかなければなりません。地域の皆様の尊い命と貴重な財産を守る中橋付近の堤防のかさ上げ及びそれに伴う中橋の架け替えが中心市街地を中心に実施する様々な特色ある取組と相まって、足利市らしい魅力あるまちづくりにつなげられるよう、引き続き着実かつ積極的に取り組んでまいります。

◆5番議員(末吉利啓) 様々な課題を挙げていただきました。そして、それらの課題を解決するための相互調整や情報提供の役割を本市が担っていることは昨日の答弁でも示されました。
  それでは、一つずつ課題を議論してまいります。まずは、交通対策について再質問いたします。中橋通りは、本市では唯一中心市街地から一直線に渡良瀬川を渡り、国道50号へと南北につながる主要幹線道路です。現状でもかなりの交通量があります。工事期間中は、中橋の交通は遮断され、自動車等の多くが近隣の田中橋、渡良瀬橋等へ迂回することが予測されます。そこで、その状況を予測するための基礎資料となる現状の交通量調査などは行っているのかお伺いいたします。

◎都市建設部長(花澤繁) 中橋を通過する自転車や歩行者、自動車、これらの交通量調査についてでありますが、左岸側の堤防のところに交差点がございますが、そちらでこれまで平成28年度と令和2年度に国が、平成14年度に栃木県が、また平成28年度に本市がそれぞれ交通量調査を実施しております。

◆5番議員(末吉利啓) 再質問いたします。
  実際に、自動車、自転車、歩行者が中橋を渡れない通行止めの期間が何年程度続くと予測されているのか、現状分かる範囲でお答えください。

◎都市建設部長(花澤繁) 国・県と現在の中橋の3連アーチを移設すると合意いたしましたが、着手に当たりましては、まず初めに現在の中橋の下流の部分に新たな橋脚や橋台を造ります。その後、3連アーチの部分を移設するということであります。実際には、現在の中橋の両側に歩道がついてございますが、その歩道部分をまず除却します。その後3連アーチをジャッキアップいたしまして、下流側に造りました新たな橋脚や橋台に移設すると。そういった期間中、自転車、歩行者は中橋を通行できなくなるということになります。
  また、国や栃木県と連携をしながら事業を実施していくわけでありますが、中橋の架け替えにつきましては、御案内のとおり、橋梁部分の工事に加えまして、南北のアプローチ道路、こちらの部分の工事もあります。それらを全て含めますと、おおむね10年程度かかるとのお話を伺っているところであります。
  また、自転車や歩行者、自動車の具体的な通行止めの期間についてでありますが、今後詳細設計を国と県が連携をして策定してまいります。そういったものが決まれば具体的に確定するということになりますので、その段階で地域の皆さんをはじめ、利用される方々に対しまして適宜適切な情報提供に努めてまいりたいと考えております。

◆5番議員(末吉利啓) 現段階だと明確な期間は分からないものの、自動車は相当長い期間通行止めになるように聞こえます。それによって、商業エリアである中橋の両岸地域には様々な影響が予想されます。
  そこで、次に、地域経済への影響について再質問いたします。通行止め期間の迂回路として、田中橋、渡良瀬橋等が予想されます。その橋の間には県道桐生岩舟線があり、沿道は中心商店街や鑁阿寺、足利学校等の歴史的な観光拠点を抱えています。また、中橋がつながる中橋通りは、工事期間中だけでなく、高架となった後の影響も危惧されます。通行止め期間中、またその後の県道桐生岩舟線、中橋通りの交通量はどのように変化すると予想されているのでしょうか。
  また、当該地域への経済的な影響についてもお伺いいたします。

◎都市建設部長(花澤繁) 中橋の架け替えの工事期間中につきましては、先ほどもお話が出ましたが、田中橋また渡良瀬橋を迂回路といたしまして、適切に誘導を図っていくことが必要であると思います。その結果、県道桐生岩舟線の交通量に大きな影響を与えないよう配慮していただきたいと考えているところであります。
  また、議員御指摘の中橋通り、正式名称は県道足利千代田線になりますが、こちらについては工事の実施状況に合わせまして、適宜車両の通行計画を策定することになると思います。その際には、迂回路などに適切に誘導し、可能な限り円滑な交通を確保することで地域経済への影響を最小限に抑えるようお願いをしていきたいと考えているところであります。

◆5番議員(末吉利啓) 再質問いたします。
  工事による通行止めの期間ができることは物理的に仕方がないと思います。大事なことは、これをチャンスと捉え、抜本的かつ効果的な地域経済に資するまちづくりを進めることだと考えます。その対策として市は、ウオーカブルなまちづくりと高架下の利活用を提示しています。しかし、残念ながら、現段階では、架け替えを機に、人が歩くまちにしますとか、高架下ににぎわいを作りますと説明しているだけです。地域の方からすれば、非常に頼りない、根拠のない夢物語を聞かされているような印象を受けるのではないでしょうか。もっと具体的かつ深みのある調査研究に基づいたビジョンを示すべきだと考えます。今回の予算案で、まちなかウオーカブル推進事業費が計上されましたが、しっかりと結果を伴う経済振興策を打つために、どのような目標を立て、どのような手段を考えているのかお伺いいたします。

◎都市建設部長(花澤繁) 国土交通省は、居心地がよく歩きたくなるまちなかを形成し、まちの新たなにぎわいを創出することで都市再生を図るため、まちなかウオーカブル推進事業を現在推進しているところであります。本市におきましても、これまでまちなかウオーカブル事業につきましては様々な検討を踏まえてまいりまして、具体的には令和4年度になりますが、おおむね15年程度を計画期間とした基本方針を策定いたしまして、改めてその中で短期、中期、長期に実施する方策をお示ししていきたいと考えているところであります。最初は短期の計画期間中に社会実験などのソフト事業から始めることとなりますが、その後は徐々にハード事業にも転換をしていきたいと考えているところでございます。その具体的な内容につきましては地域の皆様と十分に相談をしながら、情報を共有していきたいと考えているところであります。
  また、併せて、JR東日本高崎支社と連携をいたしまして、現在たくさんの観光客の方々があしかがフラワーパークにいらっしゃっておりますので、その方々をいかに中心市街地に誘導するかといったような考え方の整理や、また中心市街地の玄関口となりますJR足利駅北口の再整備につきましてもどういった形がいいのか、その在り方も検討していければと考えているところであります。
  先ほど来議員のお話にも出ていますが、今後、本市のすばらしい資源と地域の特徴を図る取組を、まちなかウオーカブル推進事業でしっかりとつなぎ合わせながら、さらには地域の皆様と知恵を絞り合い、一体となって足利らしい特色あるまちづくりを積極的に展開してまいりたいと考えているところでございます。

◆5番議員(末吉利啓) 計画を作成し、国からの支援を基に事業を推進することについては、しっかりと地域に説明をしていただきたいと思います。ただ、これまでの行政手法にあるような区画整理、中心市街地活性化などの計画だけではまちづくりは成功しません。そこにどのようなコンテンツを入れ、どのように誘客し、どのように稼ぐのか、それを考え実施する民間事業者をきちんとグリップすることも重要ですので、よろしくお願いいたします。
  地域住民の生活と踏切について再質問いたします。先日の公聴会でも聞かれましたが、地元ではJR両毛線を高架でまたぐと踏切がなくなるという不安の声があります。踏切がなくなれば、両毛線を渡る際は6メートル以上の階段を上らなければいけません。そうなると、当該地域を含む高齢化率の高い旧市内の方々は移動に大きな支障が出ます。そこで、現段階では踏切を廃止する考えのようですが、踏切と立体交差を共存させる方法がないのでしょうか。あるいは、折衷案として、高齢者や地域住民のために、歩行者、自転車用の踏切に切り替えて残すなども考えられるのではないでしょうか。関係法令の定めや全国の事例なども含め、その可能性についてお伺いいたします。

◎都市建設部長(花澤繁) 関係法令ということでございますが、道路法第31条、鉄道に関する技術上の基準を定める省令第39条では、鉄道と道路の交差は立体交差にしなければならないというような形で規定をされております。また、全国的にも鉄道と道路の立体交差事業を実施するに当たりまして、当該箇所の踏切を存置した事例があるかということで調べさせていただきましたが、なかなか確認することができなかった状況にあります。踏切を廃止するに当たり、特に高齢者の方でありますとか、障がいをお持ちになられる方々が大変心配されているといったことにつきましては十分承知しておりますので、既にJR東日本高崎支社のほうにその状況をお伝えをしているところであります。
  先ほど議員のほうから御提案がありました自転車や歩行者に限定した踏切の整備ということでございますが、今後JR東日本等と協議をする中で、ぜひとも積極的に提案をしていきたいと考えているところであります。

◆5番議員(末吉利啓) 確かに踏切と立体交差を共存させた例は私も見つけ出すことはできませんでした。しかし、折衷案については御提言いただけるということなので、しっかりとよろしくお願いいたします。
  次に、地権者、地域住民への説明について再質問いたします。この点については、本答弁ではなぜか触れられておりませんでしたが、大きな課題だと捉えております。これまで地権者に対し、どのような手順、回数、手法で説明を行ってきたのかお伺いいたします。

◎都市建設部長(花澤繁) これまで地域の皆様に対しまして説明会などを実施してまいりました。特に最近の動きにつきまして、時系列で具体的に御説明をさせていただきたいと思います。
  まず、平成31年3月18日、19日の2日間にわたりますが、地域の皆様に対しまして、国・県・市の三者で説明会を開催してまいりました。また、国が実施します現況測量のお知らせを令和元年9月に、地質調査のお知らせを令和元年11月に、地元の方々に配布をさせていただきました。また、先ほど来お話が出ていますが、令和2年7月31日、国・県・市、三者で開催いたしました渡良瀬川中橋架替に関する連絡協議会で3連アーチの存続等の方針が決定をいたしましたので、その件に関しまして地元の自治会に御案内をさせていただきました。国は具体的な調査を、また県と市でJRとの協議をいたしまして、具体的な計画案が定まったということでございますので、令和2年9月以降、地元自治会の役員の皆様や新たに用地買収等が伴う方々に個別に事前説明を行いまして、10月13日、14日の2日間、国・県・市の三者で説明会を開催させていただきました。また、令和2年12月2日、地元の自治会からの御要望を受けまして、栃木県とともに現地で具体的な計画案につきまして改めて説明をさせていただいたということであります。
  最後になりますが、令和2年12月8日から22日までの2週間、都市計画法に基づく都市計画の構想の縦覧を行いまして、令和3年1月19日に公聴会を開催してまいりました。

◆5番議員(末吉利啓) 再質問いたします。
  重要なポイントは、令和2年9月以降に行った、新たに用地買収などを伴う地域の皆様への個別説明の内容だと考えております。
  少し答弁漏れがあったようなので、再確認させていただきますが、地権者への説明は、それぞれ何度行い、何を話したのでしょうか。

◎都市建設部長(花澤繁) 側道とか斜路つき階段を新たに設置いたしますと、現状の道路幅から新たに用地買収が伴いますので、そちらに関連する地域の方々に対して、個別に1回から3回程度お会いし説明したほか、その後の問合せにも対応してきました。

◆5番議員(末吉利啓) 再質問いたします。その際、地権者から反対意見も含めた意見聴取などは行っているのでしょうか。また、その意見をどのように都市計画案に反映しようと考えているのかお伺いいたします。

◎都市建設部長(花澤繁) それぞれ個別に御説明した中ではいろいろな御意見を伺っているところであります。そういったものも整理するとともに、縦覧でありますとか公聴会でいただいた意見、それらを総合的に勘案しながら、今後国や栃木県に対しまして反映できる案については反映していただくようお願いをしてまいりたいと考えております。

◆5番議員(末吉利啓) 重要なところですので、市長に再質問いたします。
  当該地域は、これまで架け替えの事業が起こるたびに説明会や協議を重ね、その都度それがまとまらず、実現しなかった経緯があります。時には模型まで作り、住民と年に何度も丁寧に協議をしてきたこともありました。そうした経緯を踏まえれば、殊のほか、慎重かつ丁寧な説明や協議が必要なことは明白です。また、これまで私の一般質問でも丁寧な説明を行い、着実に事業の推進を図る旨の答弁をたびたびされてきました。さらに、国の検討委員会では、地域に及ぼす影響が大変大きいものがありますので、地域と一体となってその辺の議論を進めて、良好な関係を持って事業を進めるようにという附帯意見もつけられており、大変重いものと認識しております。しかし、先ほどの答弁では、都市計画法第16条に定める住民の意見を反映するための必要な措置を講じているようには見えません。地権者への説明が令和2年9月、都市計画案の縦覧が令和3年4月の予定ですので、この間は半年程度です。地権者の意見を適切にすくい上げ、国・県が関わる計画に反映させるには余りにも短いタイムスケジュールであり、反映させる気がないのではと思われても仕方がありません。そうしたことを総合的に考えると、政治手法として適切でなかったのではないか、ほかにもやりようがあったのではないかと感じてしまいます。そこで、これまでのような地権者を含む地域への説明や協議のやり方で了承が得られると考えていたのか。問題がなかったのか。どのように考えるか、お伺いいたします。

◎市長(和泉聡) 今、都市建設部長が説明したような経過をたどって、これまで地域の皆様にも御説明を繰り返しているということであります。そうした中で、一部の住民の方から様々な視点で不安や指摘も出ているという状況であります。これまで繰り返し述べてきましたように、折に触れて、機会を捉えて丁寧に説明をしてきたつもりでありますが、そうした不安が出ているということが現実にありますので、これから手続を踏む中で、まだ時間もありますので、さらに必要な丁寧な説明を繰り返していきたいというふうに思っております。

◆5番議員(末吉利啓) しっかりとこれまでの経緯を見直していただいて、丁寧な説明をお願いしたいと思います。
  また、今後、地元とのこういった交渉が進まなければ、架け替え工事全体が大きく遅延し、地域防災にも多大な影響を与えます。もう一度原点に立ち返り、改善すべきところは改善し、さらなる丁寧な説明と協議をお願いしたいと思います。
  最後に、こちらも答弁では触れられなかった文化財としての課題について再質問いたします。今回、現中橋移設工事では、歩道部分を除却すると聞いています。専門家からは、現中橋は現状から形を変えてしまうこととなり、文化財としての価値が著しく低下し、指定文化財の可能性が低くなる。文化財に指定されるには、原形、原位置、現機能が前提であると聞いております。全国に10例しかないブレースドリブタイドアーチの近代化遺産がせっかく残ることになったのに、文化財への指定の道がここで断絶されてしまうのは非常に残念です。この点は、令和2年第5回市議会定例会でも議論をさせていただき、副市長からは文化財のプレートにこだわらない旨の答弁がありました。しかしながら、指定文化財という客観的評価は、今後の歴史と文化のまち足利のまちづくり、足利市の文化度に大きな影響を与えると考えます。さらに言えば、足利学校の日本遺産認定、鑁阿寺本堂の国宝指定など、客観的評価がもたらす効果を本市はよく知っているはずです。この課題について、国・県との関係があることは重々承知の上でお伺いいたします。
  歩道部分の保存に巨額な工事費がかからないのであれば、いま一歩、国・県に御提言いただければと考えますが、御所見をお伺いいたします。

◎都市建設部長(花澤繁) 中橋の3連アーチを存続するということは、説明会をはじめ、たくさんの方々から御要望がございました。そういった地域の方々、また市民の方々の生の声を国や栃木県にお伝えをし、国や栃木県から特段の御配慮をいただいた中で、令和2年7月、国・県・市の三者で開催する渡良瀬川中橋架替に関する連絡協議会で残すといったことを含め、その方針を相互で確認したところであります。議員御提案のように、歩道部分を含め移設した場合、橋梁の重量も増して、移設の期間も延びると。その結果、自転車、歩行者の通行止めの期間にも影響を与えるということも考えられますし、さらには歩道を残して移設ということになりますと事業費も増大するといったこともございます。そういったことを総合的に勘案しますと、現段階で変更することはちょっと難しい状況にあるのではないかなと考えておりますので、その点は御理解いただきたいと思います。
  また、再度申し上げますが、国や栃木県の温かい御支援によりまして、市民の皆さんに親しまれ、本市のシンボルとなっております中橋や3連アーチという形で残ると。日本で10例しかないブレースドリブタイドアーチといった橋の構造で残せることに対しまして、景観上も大変意義があるといったことで考えているところでございます。

◆5番議員(末吉利啓) 残念ながら難しいとの答弁でありました。しかしながら、3連アーチの存続も当初は難しいとされていました。ぜひ前向きに御検討いただければと思います。
  また、せめて国内でも貴重な大きな親柱の存続についても御検討いただければと思います。
  冒頭にも申し上げたとおり、同事業を推進するためには、今回議論させていただいた諸課題を真摯に受け止め、適切に対応していくことが重要です。国や県が107億円もの巨額の予算を準備していただいているこのチャンスに、地元との調整役である本市がボタンをかけ違えてしまえば、この事業は進まないどころか、タイミングを失い、未来永劫できなくなってしまいます。国の検討委員会の委員長、群馬大学清水義彦教授が次のような趣旨のことをおっしゃっておりました。今のところ、中橋がネックで大災害が起きたわけではない。財政が厳しい中、災害が発生するのを待つのではなく、事前防災として本事業を行うことによく行き着いたなと。つまり国や県の渡良瀬川防災に対する覚悟の表れのような事業だと理解することができます。本市の役割と責任を改めて自覚していただき、これらの課題を丁寧に解決していただくことを強く求め、次の質問に移ります。
  公共施設・公共空間の利活用のうち、公園・緑地・河川空間の利活用についてお伺いいたします。令和2年第5回市議会定例会の一般質問では、パークPFIを導入する本町緑地の一部オープン化について議論をしました。パークPFIを含めた公民連携手法では、公園の維持管理を行う民間事業者を募集し、そのノウハウを生かすことで、公園のさらなる活用が進み、利便性が向上し、集客力を高め、ひいてはエリアの価値も高めることができます。また、大きな負担となっている維持管理費を民間事業者に稼いでいただくことで、コスト削減にもつながります。全国で同制度の導入が進み、東京都豊島区の南池袋公園、神奈川県横須賀市の観音崎公園など、枚挙にいとまがありません。
  そこで、まず、そうした公園等の公共空間における本市ならではの特徴や強み、そして課題をどのように捉えているのかお伺いいたします。

◎都市建設部長(花澤繁) ただいまの御質問にお答えします。
  本市では、これまで北部の緑豊かな山並みや市街地中心部を流れる渡良瀬川の清流など恵まれた自然環境を背景に、それぞれの地域が持つ特性や固有の資源を有効に活用しながら、市民の皆様に親しまれ、憩いや潤いの場となる様々な公園や緑地などの整備を進めてきました。織姫公園や大日苑、山前公園や足利公園は、四季を通じて散策が楽しめるよう、桜、紅葉、ツツジなどが植えられ、行楽シーズンには市内外から多くの方々が訪れています。また、大型遊具などが設置された五十部運動公園や有楽公園は、週末多くの家族連れでにぎわいを見せています。さらに、渡良瀬川の河川敷には、野球場、サッカー場、ゴルフ場、そして芝生の多目的広場やウオーキングコースなどを整備しており、多様なスポーツやレクリエーションを楽しめる環境を整えています。一方で、公園愛護会の皆様の温かい御支援により維持管理を行っている公園も含め、老朽化した遊具等の更新時期を迎えていることから、限られた財源の中で適正に遊具等の更新を行うことや引き続き適切に維持管理を行っていくことが課題であると捉えています。
  このようなことから、今後、パークPFIなどの手法による民間資金の導入や、サウンディングにより民間事業者のノウハウを有効に活用することも視野に入れながら、引き続き魅力にあふれる公園や緑地として継続できるよう、適宜調査研究を進めてまいります。

◆5番議員(末吉利啓) 再質問いたします。
  先ほど答弁のあった限られた財源による維持管理という課題を解決するために、パークPFI等の公民連携手法は大変有効だと考えます。ぜひともほかの市内公園、緑地にも横展開すべきと考えます。例えば五十部運動公園を含む競馬場跡地、わたらせ健幸緑地、運動公園である総合運動場などは、利用、立地、整備状況から高いポテンシャルを秘めていると考えます。特に新たに開設されたわたらせ健幸緑地は、既に隣接する堤防の天端が広く、本町緑地のように民間の店舗を設置できる環境があります。また、昼夜ともに利用者が多く、コロナ禍のアウトドア志向からも、今後もさらなる利用者の増加が見込めます。わたらせ健幸緑地も含めた市内の公園、緑地等への横展開の可能性について御所見をお伺いいたします。

◎都市建設部長(花澤繁) 先ほども限られた財源の中でということで申し上げました。そういった中で、将来にわたりまして継続して公園緑地などを適正に維持管理していくためには、議員御案内のとおり、公民連携の方策を実施いたしまして、民間事業者が持つ資金でありますとかノウハウを有効に活用するといったことは大変有意義であると考えているところであります。そこで、先ほどもちょっとお話が出ましたが、わたらせ健幸緑地や五十部運動公園は施設が充実しておりますので、そういったものをはじめといたしまして、本市の恵まれた資源をさらにきれいに磨き上げていくと。また、今後、本町緑地に立地を予定しております河川景観に合わせたすばらしい飲食店とも有機的に連携を図るといったことをぜひとも検討していきたいと考えております。
  また、先進事例を参考にするとともに、民間事業者にサウンディングなどを実施いたしまして、民間事業者に魅力を感じていただけるような事業計画を整えると。さらには、そういったことに基づき、パークPFIなど公民連携の方策が導入しやすいすばらしい環境を整えながら、民間事業者のいろいろなノウハウを適宜導入できるよう調査研究を進めてまいりたいと考えております。

◆5番議員(末吉利啓) 再質問いたします。
  これまで維持管理費の圧縮と地元の方による適正管理の側面から効果を発揮している手法が公園愛護会です。しかしながら、高齢化によるなり手が不足したり、持続的な管理が困難になったりしている、こういった課題もお聞きしております。自治会などの地域コミュニティ同様、今後の持続可能な運営体制整備の支援が必要だと考えます。公園愛護会の今後について御所見をお伺いいたします。

◎都市建設部長(花澤繁) 本市の公園愛護会の皆様には日頃から大変お世話になっているところでありまして、改めてお礼を申し上げたいと思っているところであります。公園愛護会につきましては、昭和39年にことぶき児童公園や宮北児童公園で設立されました。それ以降、新たな公園が整備されるに合わせまして、各地域で積極的に設立をしていただいてまいりました。その結果、現在66の団体の皆様が76の公園で清掃でありますとか除草、そういった活動を積極的に展開をしていただいているところであります。引き続き公園緑地などを適切に維持管理していく中では、公園愛護会をはじめといたしました地域の皆様の御理解と御協力は、決して欠かすことはできない重要なものだと考えているところであります。そういったことから、今後、公園愛護会をはじめとした公園に携わっていただいている地域の皆様から幅広く丁寧に御意見を伺いながら、どういった支援ができるのかといったことにつきまして、しっかりと議論してまいりたいと考えております。

◆5番議員(末吉利啓) 公園愛護会が始まった昭和39年当時と違い、公園の数も増え、高齢化が進み、地域コミュニティも希薄になるなど、社会情勢は変わってきております。アンケートやヒアリングなども含め、できる限り早急に実態を把握していただき、新しい公民連携手法とともに、持続可能な公園管理の体制を構築していただきたいと思います。
  次の質問に移ります。遊休資産の利活用についてお伺いいたします。遊休資産については、これまで2度一般質問で取り上げさせていただきました。今回は、その活用をさらに加速させるための議論をしていきたいと思います。本市は、所期の目的を達成した廃止施設や、利用目的や方針が正式に定まっていない暫定利用、あるいは特に利用されていない市有地などの遊休資産を多数所有しています。本市の方針として、民間事業者への売却、賃借、または活用が検討されています。しかし、近年、既存施設を取り壊す除却費用がかさむことがネックとなり、民間事業者への売却を断念したり、マイナス入札となったりする自治体の事例が見られるようになってきました。一方、民間事業者のノウハウを活用することで、遊休資産や周辺エリアの価値を高め、経済波及効果を生んでいる事例が散見されるようにもなってきました。
  そこで、本市の遊休資産を今後どのように活用しようとしているのか、そのお考えをお伺いいたします。

◎総合政策部長(柴崎正人) ただいまの御質問にお答えします。
  本市では、足利市公共施設等総合管理計画並びに足利市公共施設再編計画に基づき、施設の集約化や複合化など、総量の適正化に向けた公共施設マネジメントに取り組んでいるところです。取組を進める中では、保健センターや水道庁舎の跡地のように、現在建設中である消防庁舎の建設用地になったり、本庁舎の駐車場になるなど、引き続き公的な利用に供するものがある一方、その後の活用策が決まらずに遊休資産となっているものもあります。暫定利用中の競馬場跡地や広大な敷地を有する松田町簡保跡地などを含め、これらの遊休資産は本市にとって貴重な財産であり、それぞれの地域や時代のニーズに対応したコンテンツへと転換し、有効に活用していくことが重要であると認識しています。一方で、全国的に人口減少による税収の減少や高齢化に伴う社会保障費の増加など、今後も厳しい財政状況が続くことが予想され、行政主導型のまちづくりからの転換も迫られています。そうした背景もあり、現在民間事業者の資金やノウハウを活用することで、遊休資産の再生、活用に取り組む公民連携事業が注目されるようになっています。今後、本市における遊休資産の利活用に当たっては、全国の成功事例等も参考にしながら、地域ごとの地理的条件や特徴なども踏まえ、本市に合った形の利活用を検討してまいります。

◆5番議員(末吉利啓) 再質問いたします。
  遊休資産が貴重な財産であること、その活用に公民連携事業が重要であることなど、共通認識を確認させていただきました。その上で、令和3年度は、公民連携による遊休資産の利活用に関してどのような事業に取り組むのかお伺いいたします。

◎総合政策部長(柴崎正人) 令和3年度ということでございますけれども、一つは、ぜひ外部講師を招いての公民連携であるとか、あるいは資産の有効活用の方策、こうしたものの職員に対する研修を行い、庁内の機運醸成を図っていきたいと考えております。
  そして、もう一つは令和3年度の新規事業として考えているところでございますけれども、民間活力によります施設の利活用を検討するためのまちの魅力・民間活力応援事業を予算計上したところでございます。全国的に目を転じますと、例えば全国で様々な取組をしています一般財団法人民間都市開発推進機構といった団体などもございまして、同機構が地域の金融機関と組みまして、まちづくりのファンドみたいなものを作ったりもして、まちづくりの取組をしている例などもございます。そうした事例なども勉強しながら、本市においてどんなことができるのか、こうした方策を考えていきたいと思っております。

◆5番議員(末吉利啓) 御答弁にありました庁内の機運醸成と調査研究をしっかりと進めていただきたいと思います。
  再質問いたします。具体的な活用に向けて、まずは本市にどのような遊休資産があるのか、これを民間事業者に知ってもらうことがスタートだと考えます。すぐに活用が可能なものから、まだ課題の整理が必要なものまで積極的に情報公開をしていく必要があると考えますが、御所見をお伺いいたします。

◎総合政策部長(柴崎正人) 未利用資産につきまして情報公開を行うことは、民間事業者がそれを確知する上で大変有効な方策でございます。ただ、それぞれの資産は、置かれている状態であるとか、あるいはエリアによって法規制、こうしたものが異なってくるということでございまして、こうしたものについて一定の整理をした上で情報提供をしていかなければいけないというふうに思っております。民間事業者にとりまして、そうした情報が分かりやすく御理解いただけるような情報提供の仕方を研究していきたいというふうに思います。

◆5番議員(末吉利啓) 再質問いたします。
  遊休資産活用の次の一手として、機運を上げ、民間の担い手を掘り起こし、知識やアイデアを生み出す事業が必要と考えます。例えば実際に市内の候補地をめぐるバスツアーやまちのトレジャーハンティング、トライアルサウンディングなど、民間事業者が現地を確認できる機会を作ることも有効だと考えますが、御所見をお伺いいたします。

◎総合政策部長(柴崎正人) ただいまのお話は、実際にそのノウハウを持つ民間事業者に現物を見てもらう、あるいは試しに使っていただくというようなお話だったのだろうというふうに思います。確かに情報として持つだけでなく、実際に現物を確認いただく、あるいは試行的に使っていただくということで、ノウハウを持っている民間事業者から、こうした使い方ができるのではないのかとかという新たな提案が出てくる可能性もあると思いますので、そうした機会の創出についても検討していきたいというふうに思います。

◆5番議員(末吉利啓) 先ほど提言させていただいた事業を、他市の事例などを参考に、積極的に取り入れていただくことをお願いし、次の質問に移ります。
  公民連携体制の構築についてお伺いいたします。これまで議論してまいりました公園や緑地、河川空間、遊休資産の今後のさらなる活用には、公民連携手法は大変有効であります。そのことについては、令和2年第5回市議会定例会の一般質問や本日のこれまでの議論の中でも認識を共有したところであります。さらに、それを実行するためには、公民連携の公に当たる行政側にもそれ相応の準備が求められます。庁内の機運を上げ、ノウハウや知識を蓄積した組織や人材の強化等、体制の構築が必要不可欠と考えます。
  そこで、公民連携を推進するための令和3年度以降の本市の組織体制についてお伺いいたします。

◎総合政策部長(柴崎正人) ただいまの御質問にお答えします。
  近年の厳しい財政状況の中で、公民連携は大変有効な手法であると認識しています。また、公民連携を進めるに当たっては、地域の課題や特性に合わせた公共施設の在り方や利活用方法を全市的な視点に立って検討する必要があります。そこで、令和3年度の本市の組織体制において、現在、土地利用を所管する企画政策課と公共施設マネジメントを所管する財産活用課の機能を統合した地域ビジョン担当を、新たな組織である総合政策課内に設置することにいたしました。この地域ビジョン担当では、これまでの公共施設マネジメントの推進をはじめ、総合計画や都市計画マスタープラン等の関連計画を踏まえた総合的な土地利用や広域行政の推進に関する事務を行うもので、庁内の関係部署と連携を図りながら進めてまいります。また、公園や緑地等の公共空間や供用廃止となった公共施設の利活用では、今後ますます重要性が高まる公民連携を推進するために、その仕組みづくりや各施設の所管課のサポートを行っていきたいと考えております。
  これまでの慣習にとらわれることなく、交流、定住人口の増加とともに、経済の活性化や財政負担の軽減も図れるような公民連携手法について検討してまいります。

◆5番議員(末吉利啓) 再質問いたします。
  公民連携で公に求められる重要なポイントとして、市役所内部での組織を超えた連携があります。例えば施設管理部署に対し民間事業者からイベント的な提案があったとき、それは企画だからと丸投げをしてしまったり、火気の使用、飲食の提供などが行われる際に、担当が違う部署へ丁寧なつなぎを行わなかったりと、市役所の中で横串が通っていないと民間との連携は滞り、信頼関係は築けません。先ほどの答弁で、仕組みづくりと各施設の所管課のサポートを挙げておられました。その横串を刺すのが総合政策課地域ビジョン担当なのだと受け止めております。
  そこで、改めて、今後の庁内連携についてどのように考えているのかお伺いいたします。

◎総合政策部長(柴崎正人) 各施設の所管課が持っているノウハウ、そして今度新設をいたします地域ビジョン担当が持つノウハウ、こうしたものを融合させまして、本市にとってよりよい公民連携のスタイル、こうしたものを形にしていきたいと思います。そのためにはしっかりと庁内連携を図っていきたいというふうに思いますし、ウイングは広く、そしてアンテナは高く、こうした気概を持って臨んでいきたいと思います。

◆5番議員(末吉利啓) すばらしい比喩表現だったと思います。ぜひ具現化していただきたいと思います。
  再質問いたします。公民連携を推進するために、もう一つ連携を密にしなければいけないのが行政と施設管理を委託している団体との関係です。本市の公共施設、公共空間の多くは指定管理者制度などにより、市の外郭団体、民間企業等に管理を委託しています。行政とそれらの団体が公民連携により、新たな公共施設、公共空間の管理を進めていくのだという共通認識を持たなくては片手落ちになってしまいますし、今後募集していく新たなパートナーとなる民間事業者とも信頼関係は築けません。また、現状の管理に関する使用料、制限などを記した規約や指定管理者の収入に関わる取決めなどの様々なルールも柔軟に見直すべき時期に来ていると考えます。
  そこで、市役所全体で指定管理者を選定する際に、管理を委託している団体が積極的に公民連携に関わる仕組みづくりや、先ほど申し上げた新たなルールの見直しについて、市としてどうお考えなのか。また、公民連携に関する共通認識について御所見をお伺いいたします。

◎総務部長(平澤敏明) まず、指定管理者と施設管理に当たっての共通の認識についてでございます。本市では、指定管理者の選定に当たりまして、指定管理者側から施設管理に当たっての魅力ある様々な企画の事業を提案いただいております。また、毎月業務の実施状況、収支状況を確認するためのモニタリングを実施しております。この中で意見交換を行いまして、施設管理に当たっての共通の認識を持つように努めております。今後とも、指定管理者と市が互いによりよい提案ができる、そんな関係を醸成いたしまして、市民サービスのさらなる向上につなげたいと考えています。
  また、時間の経過に伴いまして施設の開設時に比べますと、市民ニーズと施設管理の間に差が出るといいますか、整合が取れなくなっているような施設が散見されることから、指定管理者の募集時期など適切な時期を捉えまして、開館時間でありますとか休館日、利用料金、これら管理に関するルールについても他市の事例を参考にしながら研究してまいりたいと思います。

◆5番議員(末吉利啓) 本市は、新たな公民連携のスタートラインに立ったばかりです。指定管理者と行政だけでなく、そこに新たな民間事業者等が加わる可能性もありますし、新事業に新しい連携手法を用いることもあるでしょう。行政、指定管理者、そして民間事業者を含めた市民が新たな公民連携により、魅力的なまちづくりを進めていける体制の構築を期待します。
  以上、平澤総務部長の答弁をもちまして、私の全ての質問を終了いたします。

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