足利は防災上危険な中山間エリアが多く、風致地区や史跡など風光明媚なエリアも多いまちです。

そんな足利において、昨今問題になっているのがソーラーパネルをはじめとした、再生可能エネルギー発電設備の無秩序な設置です。
急斜面の木を根っこから抜き去り、そこに鉄パイプで組んだソーラーが設置されたり、歴史的な景観が守られてきたエリアに突如としてソーラーが現れたり、そんな問題が足利だけでなく全国で現れています。

今回、足利市としてもこのような無秩序な開発を抑制し、自然環境・景観等と再生可能エネルギー発電設備との調和を図るための条例を制定することとなりました。
現段階では細かい条文は提示されておらず、あくまで基本方針が議会に示されました。

【概要】
◎許可対象区域
許可制/住民への説明必要/土砂災害警戒区域や風致地区、史跡、鳥獣保護区など
◎非許可対象区域(許可対象区域以外の場所)
届出制/住民への周知必要/届出対象事業区域面積1000㎡以上

大まかに言うと、再生可能エネルギー発電設備を設置するには、特に調和が重要な区域は市長の許可が必要で、それ以外は1000㎡以上は届出をしなくてはいけないという内容です。

今回の動きは、かねてから議会でも多くの議員が質問をしてきたとおり、足利の防災と景観保全の意味で大変重要だと考えます。
近隣でも太田市が同様の条例今年12月に施行、栃木市が来年春にを施行予定です。

※これまでの流れで再生可能エネルギー発電設備(特にソーラー発電)は悪者扱いをされる風潮があります。しかし、私自身、再生可能エネルギーは今後の日本を支えるうえで大変重要なものと考えます。急激な拡大に制度と、景観・防災に関する啓発が追い付いていないことが大きな問題と考えます。

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私からの質疑と当局の回答の概要は以下です。

末吉:許可対象区域について「その他市長が指定する区域」について、①北関東道や国道50号などの主要幹線道路から見える景観、②風致地区や史跡から見える景色も重要な景観要素である。これらに対する考えはどうか。

当局:自然環境を含めた足利の景観を維持するために必要に応じて考慮する。

末吉:来年から国は再生可能エネルギーの不適切な事例を指導、認可取り消しの方針を定める方向に舵をきった。山梨県など都道府県レベルでガイドラインを制定する動きも現れている。国、県、市で足並みをそろえて課題を解決するためにも、栃木県の「ガイドライン制定」の必要性に関してはどのように考えるか。

当局:国や県とも連携をはかっていきたい。先日行われた足利市選出の県議会議員との懇談会で「ガイドライン制定」については要望をしたところだ