2019年の令和元年東日本台風で大きな課題となった水門の開閉。

一般的に支流よりも本流の水位が高くなると、支流に水が逆流することから水門を閉鎖することになります。そうなると支流の水が行き場を失い、溢水・越水をしてしまい被害に繋がります。大変悩ましい問題ですが、水門を閉めないと逆流により急激に水が溢れたり、水門自体を壊したりすることで甚大な被害に繋がってしまいます。

課題の一つに「水門開閉情報が地域住民に伝わっていなかった」というものがあります。

事前に分かっていれば、高齢者を早めに建物の2階に避難させたり、家電や貴重品、車等を高い位置に運んだりすることができたはずです。

そこで議会では、市民の声を受けた私も含めた複数の議員が水門に赤色回転灯、サイレンなどの情報伝達設備を設置すべきだと訴えてきました。

今回、足利市担当部局の要望もあり、国土交通省渡良瀬河川事務所が以下の4カ所の水門等に「赤色回転灯」を設置していただきました。

1.梁田樋管(梁田町)
2.出流川水門(佐野市村上町)
3.尾名川水門(奥戸町)
4.文三樋管(小俣町)

5月中に設置が完了しており、既に機能するようになっています。

この回転灯は、水門が閉鎖をされるときと、されている間は点灯し続けます。全開になると消灯をします。
既に足利市が管理する朝倉樋管については、2020年5月に設置されており、こちらにはサイレンも付いています。

2021年5月に設置された梁田樋管の赤色回転灯

水門の情報伝達については、市の情報伝達訓練の実施、地域での連絡網の再形成、メールやSNSの見直し等、様々な角度から行っています。また、ハード整備の観点からは排水ポンプや排水機場整備も有効ですが、大きな事業費がかかるためすぐにはできません。

防災に100%はありません。完了に長時間必要な100を待つより、今できる10から始めることが大事だと考えます。お金も時間も人も限られる中で、できることから確実に積みあげていくことが、守れる命と財産を増やすことにつながるはずです。

【過去議事動画】
□令2元年第1回定例会(防災行政について6:33頃)
https://ashikaga-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=117
□令和元年第5回定例会(防災行政について)
https://ashikaga-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=85

【過去記事】
□全5回【主張】台風19号の経験を生かせ!災害に強いまちづくりまとめ
https://sueyoshi-toshihiro.com/?p=2392