少し前の話ですが、多くの議員の提言の結果、足利市で商業施設への期日前投票所の設置が実現しました。今回はその背景と効果について、あらためて記しておきます。

多くの利用者が訪れたコムファーストの投票所

選挙における投票率低下を改善するため、各地で導入が進んでいるのが「商業施設への期日前投票所の設置」です。スーパーや百貨店は日頃から多くの市民が訪れるため、買い物帰りに投票をしたり、選挙に行く動機づけになったりと高い効果が期待されています。

下記は少し古いデータですが、平成29年時点での総選挙栃木5区の期日前投票所数です。足利市の期日前投票所は18ヶ所(公民館など公共施設)あり、佐野市や栃木市より多いにも関わらず、期日前投票率が低い傾向にあります。

足利市 18ヶ所
栃木市 7ヶ所(5区のみ)
佐野市 4ヶ所

これだけ見ると足利市が断然優位に思えますが、表を見ると<期日前投票所が多い=期日前投票率が高い>の公式が必ずしも正しくないことがわかります。

それに比べ栃木市は、期日前投票所が少ないにもかかわらず、10/15時点での投票率が3.69%と足利市の1.23に比べはるかに高くなっています。栃木市や真岡市など、過去の事例から見ても、商業施設に設置することにより期日前投票率が上がり、それが投票率全体にも好影響を与える傾向が出ています。

また、総務省の「投票環境の向上方策等に関する研究会」は商業施設への期日前投票所設置について次のように指摘しています。

「商業施設への設置を選挙の公正確保に十分留意しつつ、取り組みを更に広げる必要がある」

「若年層の投票率向上に関し、親が投票に行く姿を子どもに見せることで、投票を習慣化させる動機づけを与えることが重要」

以上のような理由から多くの議員が議会で取り上げ、私自身も3度にわたり一般質問をして参りました。その結果、令和2年栃木県知事選挙より市内で初めての設置が実現しました。コムファーストアピタ足利店様にご協力いただき、エスカレーターのある広場に設置されました。導入されて初めての選挙となる知事選では投票率改善し、一定の効果があったと考えられます。

今後は当制度の更なる周知と、若年層への有権者教育の充実等、他の啓発活動と共に推進することで更なる結果に繋げていきたいと考えます。

※これらの実績は協力いただいた企業の方々や、関係する行政職員の方々のご尽力で実現できたものです。深く感謝したいと思います。ありがとうございました。

【過去議事録】
□平成27年第3回定例会(選挙の投票率について)
https://sueyoshi-toshihiro.com/?page_id=394
□平成29年第4回定例会(選挙啓発について)
https://sueyoshi-toshihiro.com/?page_id=1550
□令和元年第3回定例会(選挙啓発について)
https://sueyoshi-toshihiro.com/?page_id=2052