郷土の偉人である「田﨑草雲」を学ぶための小学生向け補助教材が、2020年4月に完成し市内小学4年生全員に配布されました。

田﨑草雲は幕末足利藩の文人画家です。最初の大日本帝室技芸員(今の人間国宝のようなもの)に選ばれただけでなく、激動の明治時代から足利を守り抜いた恩人でもあります。戊辰戦争では、誠心隊を組織して中心地を戦災から守り、県によって足利学校所有の国宝書物や孔子廟が売却されそうになったときも、命がけでそれを阻止したと言われています。また、領地を取り上げられ、資金難で苦しむ鑁阿寺に対しては多くの寄附を集め、現在国宝に指定されている本堂の修復を実現しました。今の歴史観光都市足利があるのも、全身全霊で足利を守った田崎草雲抜きでは語ることができません。

 

草雲美術館と田﨑草雲

H30年は刀剣展示で一時的増加

さて、そんな草雲の偉業や作品を見ることができるのが「草雲美術館」です。故・鈴木栄太郎氏が、昭和43年に私費を投じて建設し足利市に寄附されました。昨年は開館50周年を迎えました。しかし、近年では来館者数が右肩下がりに減少し、予算も削減傾向にあります。予算を減るので魅力的な改善もできませんし、正規職員も配置でない状況に陥っています。その結果更に来館者が減るという悪循環となっています。
□草雲美術館 →https://www.city.ashikaga.tochigi.jp/site/soun/soun-gaiyou.html

「足利市の偉人や文化の歴史を知っている市民がいなくなってしまう」

「足利市に誇りを持てない市民が増えてしまう」

そんな危機感を市民の方からいただき、議会で提言をさせていただいたのが「小学生向けの補助教材(当時はパンフレット)」です。小学生の頃から地元の歴史や偉人について学び、そこから郷土愛の醸成に繋げていくことが効果的だと考えました。私自身もこどもの頃に教わった「八木節」は、今でも郷土愛の重要な要素となっています。

わかりやすい漫画で描かれた補助教材

今回の補助教材の製作には「足利デザイン・ビューティ専門学校」の学生さんにご協力いただきました。現地での調査を行ったうえでレイアウト、デザインをしていただき、大変魅力的なものができあがりました。
また、学校への導入にあたっては教育委員会や各学校のご協力もいただきました。小学校4年生の郷土の偉人について学ぶ時間に利用されるとのことです。

この度ご協力いただいた多くの皆様にあらためて御礼申し上げます。
本当にありがとうございました。

今後は今年度の授業の状況を踏まえ随時、更新や改善をしていくとのことです。
これを機に草雲美術館にも関心を持っていただき、来館者増や美術館の改善に繋げ、「市民が足利を好きになる」きっかけとなることを期待しています。

□過去の議事録(H29.12)→http://sueyoshi-toshihiro.com/?page_id=1550
□過去の議事録(H30.9)→http://sueyoshi-toshihiro.com/?page_id=1874

※冊子は小学生向けのものですので一般配布はしておりませんが、市立美術館、草雲美術館で閲覧可能ですので是非ご覧ください。