今回の一般質問の一部内容を掲載いたします。
具体的に動きや成果があったもの、はじめて明らかになったものを中心に掲載しておきます。

※当局の答弁は質問をしながらメモをとったものですので、正確なものではない場合がございます。詳細は後ほど議事録でご覧ください。


■文化財の保護と活用について(史跡足利学校等の防災・防火対策、足利の文化財一斉公開)

【史跡足利学校等の防災・防火対策】
●末吉:史跡足利学校の方丈などの建物は復元から30年が経過しています。また国から重要文化財指定を受ける可能性がある、日本最古の孔子廟である大成殿の保存修理工事も、まもなく完了します。こうした状況を鑑み、更なる防災・防火体制の強化が求められると考えますが、現状の課題について、どのように捉えているのかお伺いいたします。

△当局:設置から30年が経過していることから、ドレンチャーが錆により一部目詰まりを起こしています。こうした機器の更新が課題になっています。

●末吉:足利市郷土資料展示室、月谷民俗資料室、ふるさと学習・資料館について、それぞれ本市の文化財や歴史資料等が保管されている施設でありますが、すべて役割を終えた遊休施設を再利用しています。郷土資料展示室と月谷民俗資料室は老朽化した木造建築で、セキュリティや防火に課題があると感じています。ふるさと学習・資料館については、鉄筋コンクリート造でありますが、土砂災害警戒区域にあるため、土砂崩などがあった場合、なかの展示品はひとたまりもありません。
以上の3施設の防災・防火に関する課題について、どのように認識しているのか、ご所見をうかがいます。

△当局:ふるさと学習・資料館については土砂災害警戒区域にあること、3施設とも老朽施設であるため、防災等には限界があることも承知している。今後は、公共施設再編計画に基づき、安全な地域に集約化するとともに、防災についても検討していく。

【足利の文化財一斉公開】
●末吉:本市の観光客数は右肩上がりに増加し、昨年は500万人を突破しましたが、当事業はその波に乗れていない印象があります。
これだけ多くの方々に協力いただき、他市にまねできない魅力ある事業ですので、本市観光振興のためにも是非とも更なる参観者数の増加を狙うべきと考えます。そのために、文化課が比較的不得手な広報については、観光振興課やシティプロモーション担当の、全面的な協力が必要と考えますが、ご所見をお伺いいたします。

△当局:これまでも、観光部門と連携しながら広報を行ってきたが、今後は市外へのPR等に重点を置き、観光振興課、シティプロモーション担当も含め、全市で情報発信を取り組んでいきたい。



市立美術館は、避難訓練はしているものの、水害、火災の際の浸水の危険性が高く、中橋の架け替えまでには時間もかかります。足利市郷土資料展示室、月谷民俗資料室は老朽化等により防火の面で、ふるさと学習・資料館は防災の面で限界があります。これらの実態を当局に一般質問の場で確認できたことに、一定の評価ができると考えます。
そのうえで「公共施設再編計画が策定される今こそ、美術館も含めた文化財保存・展示施設の在り方を本格的に議論すべきだ」と提言をしました。しかし、答弁の内容はこれまでと大きく変わらないものであり、残念に思います。
一斉公開については今年で15年目を迎える事業ですが、毎年2万人の来場者で横ばい状態にあり、その観光振興におけるポテンシャルが生かされておりません。また、本来の目的である「文化財への市民の理解を深める」が、地域の協力を得られていないところもあり、達成されておりません。以上のことから、更なるテコ入れにより、本市ならではの素晴らしい事業をよりブラッシュアップすべきと考えます。そのうえで今回、「市外へのPR等に重点を置き、観光振興課、シティプロモーション担当も含め、全市で情報発しを取り組んでいく」という答弁があったことは大きな一歩です。更なる結果に期待したいところです。

□足利の文化財一斉公開(2019パンフレット) →https://www.city.ashikaga.tochigi.jp/book/list/book175.html