常任委員会の視察で愛知県岡崎市の「斎場整備事業」について、同市保健部保健企画課と太陽築炉工業株式会社の方からご説明いただきました。

 

雨に濡れずに入場できる設計

 
岡崎市は老朽化した斎場の整備に向け、平成23年12月に整備手法の方針をPFIに決定しました。PFI(Private Finance Initiative)とは公共サービスの提供に必要な施設を民間の資金を利用して整備し、サービスの提供も委ねる手法です。PPP(public–private partnership)と違い、計画段階では民間は参加せず、あくまで資金、経営能力、技術能力を提供するものとされています。PPPは公民連携の公共サービススキーム全般を言い、指定管理者制度、PFI、公設民営方式なども含まれます。
 
さて岡崎市斎場の概要は以下です。
 
■完成/平成28年(平成26年着工)
■敷地面積/21,235㎡
■延床面積/5,119㎡
■建物内/待合室12室、火葬炉14基(うち大型2、動物1)、お別れ室8室(告別&収骨)
■事業費/5,516,261,028円
■事業期間/平成26年3月26日~平成43年5月31日(工事期間含め約17年)
■SPC(特別目的会社)/岡崎メモリアルパートナーズ株式会社(8社からなる)
 
施設の内容について参考になったところを羅列していきます。まず、火葬炉14基に対してお別れ室(告別室兼収骨室)を8室にしています。これは火葬炉の扉を横にスライドすることで、時間をずらして火葬炉と繋がるお別れ室の稼働率を上げる仕組みで、省スペースの効果があります。

可動式の火葬炉入口

 

また、待合室は基本椅子ですが、ちょっとした小上がりスペースがあるのも利用者から高評価をいただいているようです。他にもキッズスペースを設けている、大きな窓から山の緑を眺められる、一筆書きで移動できるなど、本市でも検討すべきポイントが多々ありました。人口規模が38万人と大きいので、施設もかなり大きな印象でした。

 

子育て世代にやさしいキッズルーム

 
整備手法としてPFIにすることで、資金調達や整備、運営のノウハウを得ることができ、コストも抑えられたとのことです。SPCを創設する際は炉メーカーや、総合的にリーダーシップを取れる企業に限りがあることも課題のようです。
 
本市の斎場も老朽化が進み整備が大きな課題となっています。平成29年には「斎場整備基本構想」を策定し、平成30年3月には地元の助戸新山町環境保全協議会と「足利市斎場整備に関する協定書」を締結しました。8月には基本計画策定に向け事業者と提携が決まり、着々と準備を進めています。
本市にとって最も適した斎場の形、規模、内容、整備手法を様々な先進事例を比較しながら選定できるよう、今後もアンテナを高く持っていきたいと思います。
 
□【4大公共施設の更新】について →http://sueyoshi-toshihiro.com/?p=1661