先日、新潟県新潟市の『ミズベリング信濃川やすらぎ堤事業』について、所属する会派あしかが未来倶楽部で視察にうかがいました。ご説明は新潟市都市政策部まちづくり推進課の方からです。

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水辺に並ぶスノーピーク製のテント

 
そもそも、今回の視察は以下3点の理由から会派の皆さんにご提言した経緯があります。
 
⑴足利市にも渡良瀬川という水辺資源がある
⑵渡良瀬川は更なる活用が見込まれる
⑶近隣で注目を集めている自治体事例がある
 
さて、この「ミズベリング」という言葉はなかなか聞きなれないと思います。河川管理に関する規制が緩和されるなか、かつて舟運や水遊び、釣りなどで賑わっていた水辺にもう一度賑わいを取り戻そうというプロジェクトです。全国の自治体に波及し様々な試みがなされています。
■ミズベリングサイト → https://mizbering.jp/

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都市・地域再生等利用区域の指定が条件(新潟市)

 

新潟市はH28年の試行期間からはじまり、現在は定着期間にあります。大前提となる国の「都市・地域再生等利用区域」の指定をH28年2月に受け、国土交通省北陸地方整備局信濃川下流河川事務所とともに整備を進めてきました。
それ以前にも傾斜の緩い5割勾配の堤防の整備に加え、堤防の天端を広くして歩道や緑地帯を設けるなどの水辺活用のためのハード対策も実施してきました。
そこに今回のミズベリング事業では、期間限定で企業にブースを出店してもらい、来場者に水辺で飲食をしてもらい、そこに賑わいを生み出しています。

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魅力的な店舗が並び夜もにぎわう


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隈研吾氏とスノーピークのコラボモバイルハウス

 

H28年の試行期間では7~9月の3カ月で延べ30,000人の利用者が集まり、売上も延べ7400万円に上りました。また、水辺の歩行者・自転車も前年の約3倍に増加しました。反響も良好で、3年で回収しようとした初期投資をこの1年で回収できたそうです。
 
しかしながら、水辺の景観が損なわれた、ゴミの管理ができていない、BGMなどの騒音、ジョギングなどの利用が困難になど、様々な苦情や課題も見えてきました。
 
そこでH29年からは、エリア一帯を総合的にマネジメントできる企業・団体を募集することとなりました。プロポーザルで募集したところ、新潟県内の国際的アウトドアメーカー「株式会社スノーピーク」と契約を締結することになりました。
実際に現場を見てみると、国際的なメーカーならではのデザイン性の高さ、アウトドアを楽しむ工夫、出展店舗の設えの統一性などがしっかりとマネジメントされていました。
当日は夜の賑わいを把握するため夜間まで滞在しましたが、仕事帰りのサラリーマンや学生、ジョギングや散歩をする人などが途切れることなくやすらぎ堤を訪れていました。また、夜は萬代橋や街並みなどの夜景と、ミズベリングエリアのテントや各店舗の照明などがマッチしていて魅力的な夜景資源を作り出していました。
当エリアでは『光のネックレス事業』という更なるライトアップ事業を行う予定だそうです。先日の一般質問でも提言した渡良瀬橋のライトアップの参考になると考えますので、今後とも注目したいと思います。 

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魅力的な夜景を眺めながら食事やお酒を楽しめる

 

さて、足利市には東西に渡良瀬川が流れています。「まちを分断」しているとマイナスの面で語られることもありますが、渡良瀬川は足利の豊かな自然と神社仏閣などの歴史遺産が調和した美しい景観の重要な要素です。渡良瀬川の緑地は野球場、サッカー場、公園などが整備され有効に使われています。しかしJR足利駅と東武足利市駅に挟まれた田中橋、中橋、渡良瀬橋の中心市街地エリアはイベント以外では人影もまばらで、そのポテンシャルが生かされていません。今後、今回の新潟市の視察を踏まえ更なる水辺の活用を調査研究し提言していきたいと思います。

■議事録・渡良瀬川の活用について(ホスピタリティ/魅力アップ) → http://sueyoshi-toshihiro.com/?page_id=1108
■ミズベリング信濃川 → 平成28年実施報告(PDF)