最近、地元の足利市を流れる渡良瀬川の大規模な工事が行われ、だいぶ景観が変わってきています。

気になったので何のための工事なのか、自分なりに調べてみました。

まず、平成24年7月の九州豪雨災害等を踏まえて、堤防の緊急点検が国土交通省指示のもと行われました。
その結果、流下能力の不足箇所が渡良瀬橋周辺に発見されました。

わかりやすく言うと、水の流れがぶつかる場所(水衝部)があって、このまま放っておくと、土手が削られ決壊する可能性があるそうです。
※図を参照

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【平成24年7月の九州の豪雨災害等を踏まえた堤防の緊急点検結果】
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000066727.pdf

そのため、図のように堤防を守るために砂利で川を埋め立てているそうです。川の流れもコントロールするため、景観としてはどうしても殺風景というか、人工的で無機質なものになっています。

「背後地の人口、資産等を踏まえ、優先順位をつけながら選択と集中によるハード対策」と国土交通省関東地方整備局は説明しています。

市民の命と財産 > 川の景観と自然

という決断に至ったのだと思います。

【H24足利市通地先水衝部対策外工事】
http://www.ktr.mlit.go.jp/watarase/works/kouji/kasen_koji/h24/ashikaga05.pdf

専門家でも技術者でもない自分には、この工事がどれほど効果的なものかはわかりません。その裏に何か利権が絡んでいるのか、いないのかもわかりません。
しかし、少なくとも一部で長い間、問題視されている中橋の架け替えよりも、費用対効果で優先されたことは事実なのかもしれません。
だからこそ、これ程早急に工事が行われたのではないでしょうか。

ちなみにこの工事の費用は8888万円です。
10億単位のお金が動く橋の架け替えよりは、だいぶ安上がりです。

今までほとんど取り上げられなかった、渡良瀬橋周辺の堤防の脆弱さがなぜ急に問題になったのか。もう少し調べてみる必要がありそうです。

※この図は個人的にイメージしやすいように作ったもので、正確なものではありません。